(茂木健一郎氏(C)日刊ゲンダイ)
ジャニーズ事務所に関するX(旧ツイッター)への投稿で、脳科学者の茂木健一郎氏が"炎上"している。茂木氏は9日、以下のように投稿した。
《本来、音楽や芸能は、自分の知り合いが出ているからという単純接触効果を超えたきびしい批評性を通して育つものである。しかし、ジャニーズ人気は、本当の芸術性とは無関係に、ただ、自分の親しんだタレントたちが一生懸命やっているのを応援したいという学芸会的価値の捏造であった》
「この投稿を読むと、おそらく茂木さんは『批評のないところに芸術は育たない』と言いたいのでしょう。ジャニーズファンに最も欠けているのが批評性です。好きなタレントを絶対視し、少しでも自分と異なる意見があると攻撃する。あまりに排他的です。ファンではない人がジャニーズのタレントに興味が出ても、SNSでファンの異常性を目にすると『あの輪には入りたくない』と思ってしまう」(ベテラン記者)
一連のツイートで、茂木氏の元には多くの誹謗中傷が寄せられた。ジャニーズファンのあるユーザーたちはこんなリプライを寄せた。
《あなたが若くて身長高くて細くてイケメンに生まれて来ていたら賛同しますけど、あなたは下の下の下の容姿の不細工爺さんですよ? 鏡見てますよね? 何をしても気持ち悪い存在ですし、誰もあなたとは仲良くしたくない関わりたくないって思うのでは? 違うイケメンにツイートしてもらって賛同したら?》
《あなたの容姿と人間性じゃ人を集める事すら出来ないでしょう? 何故そんなに自信満々なの? あなたの容姿で自分がもし生まれてきてたら引きこもり人生になってたと思う》
これらのツイートは削除され、アカウントも消えている。
■ただの誹謗中傷でしかない茂木氏に対する容姿批判
「リプライしている人たちの多くは批評と誹謗中傷の区別ができない。外見を貶した上に《あなたの容姿で自分がもし生まれてきてたら引きこもり人生になってたと思う》と書いたら、完全に誹謗中傷ですよ。本人たちも悪いことを書いたとわかっているから、アカウントを削除したのかもしれない。でも、また新たなアカウントを作って同じことを繰り返すでしょう。自分の子供が知ったら、どう思うのか。母親がこんな罵詈雑言を他人に投げ掛けていたら、ショックですよ。一時的な感情で投稿するのではなく、そこまで考えたらどうでしょうか」(前出のベテラン記者)
決して、全てのジャニーズファンが誹謗中傷をするわけではない。しかし、一部とは言えないほどのジャニオタが茂木氏を攻撃している。過去のツイートとの矛盾を攻める投稿も見受けられる。茂木氏は9月11日に次のように投稿した。
《ジャニーズにだまされる人は、芸術の教養が根本的に欠けている。クラシックからロック、ポピュラーまで、音楽のほんものに触れていれば、SMAPや嵐には騙されない。ジャニーズを聴くんだったら、モーツァルトやビートルズ、ボブ・マーリーを聴いた方がはるかに深く世界に通じる教養が身につく》
しかし、茂木氏はSMAPの解散が発表された2016年8月14日には絶賛ツイートをしていた。
《SMAPのメンバー一人ひとりの、表現者としてのポテンシャルは、決して、海外の著名アーティストに劣っているとは思いません。表現は、番組や舞台、コンサートでやればいいという考えもあるかもしれませんが、それだけで済む現代でもありません》
芸能関係者が話す。
「これは確かに矛盾してますね。ただ、人の意見は時間が経てば変わることもあります。一度、書いた意見を絶対に覆してはいけないわけではない。いろんな体験を通じて、好きが嫌いになることは誰だってあるでしょう。ジャニーズファンは『矛盾している!』と突いていますが、当時と今で捉え方が変わるのは自然です。もしかしたら昔は忖度して言いたいことが言えなかったのかもしれません」
■茂木氏の投稿は「炎上狙い」なのか?
ネット上では茂木氏のジャニーズへの意見に対し、『炎上狙い』という投稿がしばしば見受けられる。
「茂木さんは仕事もたくさんありますし、今までのキャリアも充実している。敢えて炎上を狙う理由がない。自分の思っていることを書いただけなのでは」(前出の芸能関係者)
茂木氏は11日にジャニーズに関する別の投稿もしている。
《ジャニーズのビジネスモデルは、ホストと同じだと多くの人が指摘している。最近も若いジャニーズメンバーのインスタが拡散されていたけれども、あの笑顔、やさしさは営業だから。ほんとうにあなたにやさしくしてくれる人は身近にいる。ジャニーズにだまされて、人生の時間を無駄にしないでほしい》
《ジャニーズにだまされるな、というのは芸術の教養という面以外にももう一つある。ジャニーズのアイドルのあなたへの笑顔は営業、ビジネスで、ほんとうのやさしさじゃないから。ほんとうにあなたのことを思ってくれる人は、あなたの身近にいる。ジャニーズの中になんかいない》
「ここまで本音を書ける人は他にいないでしょう。ジャニーズのビジネスを根幹から否定しています。確かにジャニーズのタレントはお金を注ぎ込んでくれるから、笑顔を振りまいてくれるし、『ファンのおかげで』という発言も生まれると思います。でも、大半のファンもそれをわかっていて、応援していますからね。元も子もない発言だなと感じます」(前出の芸能関係者)
一方で、違う見方もある。
「未だにジャニー氏の性加害を認めず、被害者を『金目当て』と言い切って誹謗中傷を繰り返す一部のジャニオタへの茂木氏なりの牽制だと思います。彼女たちの中には《あなたへの笑顔は営業、ビジネス》とは全く思っておらず、本気で捉えている人もいる。そういう周りの見えない人に警告を発しているのでしょう。ただ、その類のファンは茂木さんが何かを言えば言うほど反発しますし、絶対に認めようとしない。議論をして、より良い考えを生むという発想を持っていない。逆に溝が深まるばかりだと思います」(前出のベテラン記者)
■“世間の意見だ”と茂木氏を攻撃するジャニオタたち
12日、茂木氏は"炎上"に関する私見も綴った。
《一人ひとり考えが違っていいし、ツイートの主語は「自分」であるべきだと思うけれども、日本の「炎上」はおうおうにして「世間」対その人になる。ぼくは慣れているから何とも思わないけれども、炎上慣れしていない人はびっくりして自分の異見を言うのをやめてしまうだろう》
《ネットニュースがとりあげる時も、記事の前提として、「炎上」させている人、vs 世間(そしてその世間の意見は一枚岩だと思いこんでいる)という構図で書くことが多く、記者の主観がないからあまりおもしろくない。》
《昨日から今日にかけての炎上も、たまたまチラチラ見るとだいたみんな「世間」の側に自分が立っていると思っていてコピペのような金太郎飴ばかり。その中に独自のユニークな意見もあるかもだけど、洪水の中で探す時間もなく、結局この炎上が収まるまで@メンションは見ない》(原文ママ)
「誹謗中傷をするジャニーズファンは"みんな"など主語が多く、批評する側を"あなただけ"のように限定しがちです。しかし、ジャニーズのタレントに対して、茂木さんのように感じている人も中にはいる。茂木さん1人ということはない。ただ、ネット上ではジャニーズファンに絡みたくないから、言及を避けてるだけ。なのに、誹謗中傷をする人は目に見える自分に都合のいい投稿だけを捉えて"世間の意見"として、茂木さんを攻撃する。そんな構図です」(前出のベテラン記者)
茂木氏とジャニオタの壁は今回のツイートでさらに高くなったようだ。
]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/entame/showbizd/12136-2551399/