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「沈黙しないで」毒殺未遂に負けず“反プーチン”貫く…ナワリヌイ氏が遺したもの 【報道ステーション】(2024年2月19日) -芸能ニュース/炎上まとめ

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収監先で急死したプーチン政権批判の急先鋒、アレクセイ・ナワリヌイ氏(47)。

追悼する動きは、ロシア国内にとどまらず、世界各地に広がっています。巨大権力に立ち向かう彼の勇敢さを、世界中が支持していたことが、改めてわかります。同時に、死に追いやったのはプーチン大統領だという抗議の声も高まってきています。
ロンドン市民:「悲しいです。突出した人物だったと思います。ロシアに帰った勇気もそうです。言葉がありません。プーチン政権が殺したも同然です」
アメリカ市民:「けさ、目が覚めたとき、すべて失われたと悟りました。我々は最後の希望を失ったのです」
ドイツ市民:「ナワリヌイは死んだんじゃない。プーチンに殺された」

一方、ロシア国内。次々と市民が訪れているのは旧ソ連時代に政治弾圧で命を落とした人々の慰霊碑。自然発生的に、ナワリヌイ氏への献花の場所となっていました。しかし、翌日の18日には鉄柵で完全に封鎖されました。

ただ、市民のたくましさも目立ちます。当局とみられる2人が献花台の花を回収しても、すぐにまた花が集まってきます。

この週末、ロシア国内では、400人以上が拘束されたそうです。この中には、ナワリヌイ氏への祈りを呼びかけた司教も含まれていると、現地メディアは報じています。

これまで、宗教関係者への弾圧は避けていたプーチン大統領。それだけナワリヌイ氏が、大きな脅威となっていたのかもしれません。

政権の汚職を告発するブロガーとして知られていたナワリヌイ氏。一躍注目を浴びる存在となったのは、プーチン氏が、大統領に返り咲きを図った2012年の選挙のころです。

今のロシアでは考えられないレベルの大規模デモが繰り広げられていました。『プーチンのいないロシアを』そんな言葉がモスクワの街角で叫ばれました。その先頭に立ち、人々を動かしていた1人が、ナワリヌイ氏です。

そんなナワリヌイ氏を当局は徹底して弾圧します。逮捕に次ぐ、逮捕の繰り返しでした。

2018年の大統領選では、立候補を目指したものの、有罪判決を受けていることを理由に排除されました。政権に不都合な人物であるがゆえです。

そして、2020年。ナワリヌイは飛行機内で意識を失います。のちに、神経剤を盛られていたことが判明します。

ドイツで治療を受けていましたが、プーチン体制の強権にひるむことなく帰国。空港に到着するなり、拘束され、その後、自由の身となることはありませんでした。

しかし、ナワリヌイ氏は、このとき、一つの映像を携えていました。プーチン大統領が、黒海沿岸に広大な敷地の宮殿を所有していると暴露するものでした。推定1400億円が投じられ、「世界最大の賄賂」だとした“プーチンの宮殿”。ナワリヌイ氏は、映像の最後、ロシア国民へのメッセージを残していました。
ナワリヌイ氏:「耐えることをやめましょう。立ち止まることをやめましょう。私たちの人生と税金を金持ちに使うのをやめましょう。未来は、私たちの手の中にある。沈黙せず、この宴会の悪役たちに従わないでほしい」

ナワリヌイ氏は、その後、3年間、刑務所から出されたことはありません。収監先も幾度か変わるなか、去年末に移送された先が、北極圏。ロシアで最も過酷といわれる刑務所です。それでも、ナワリヌイ氏は、獄中からメッセージを発信し続けました。
ナワリヌイ氏(亡くなる8日前):「プーチン以外の誰かに投票をすることをお勧めするよ。反プーチンであれば、プーチン以外の人に投票をすればいい。少しでも宣伝活動ができてよかった」

最後にとらえられた映像。笑顔を見せるなど、元気そうな姿がありました。この翌日の16日、散歩後に突然体調が悪化し、死亡したというのが刑務所側の発表です。

死因について、国営メディアは“血栓”だと報じましたが、その後、刑務所に駆け付けたナワリヌイ氏の母は、“突然死症候群”だと説明を受けたといいます。遺体の安置場所だと教えられた病院に行ってみても、中には入れてもらえませんでした。遺族側は、不都合な事実を隠そうとしていると批判しています。

こうしたなか、アメリカでは、こんな声が聞こえてきます。
バイデン大統領:「(Q.ナワリヌイ氏の死は追加支援の可決を後押しするか)そう祈っている」

アメリカは、先週、610億ドルのウクライナ支援を上院で可決しましたが、下院は、野党・共和党が過半数を占めていて、審議の行方は不透明なままです。

軍事支援の滞りが指摘されるなかで、ウクライナは、いま、窮地に立たされています。
東部の要衝・アウディイフカ。ロシア国防省が「完全掌握」を発表しました。アウディイフカは、ロシア軍が占領するドネツク州の中心都市・ドネツクへの玄関口。ロシア軍は、ここ数週間、全長960キロを超える前線で、攻撃を強めていました。そのなかで、アウディイフカは、一気に包囲される形になりました。そして、ウクライナ軍は17日、撤退を表明しました。

ロシア軍にとっては、去年5月、同じく東部の要衝・バフムトを陥落させて以来の戦果で、影響は大きいとの分析も出ています。
ニューヨーク・タイムズ(17日付):「ロシア軍は、兵力と装備をより効率的に移動させることができるようになる。ウクライナ軍は、開戦以来、最も不安定な立場にある」

※来月にはロシアの大統領選挙が行われます。その直前ということで、ナワリヌイ氏の死が、さまざまな憶測を呼んでいます。
去年12月7日:ナワリヌイ氏が、支持者を通じてプーチン大統領以外の候補者への投票を呼びかけます。
去年12月25日:ナワリヌイ氏が、外部との接触が困難な北極圏の刑務所に移送されたことが発覚しました。
今月8日:『反戦』を掲げるナジェージュジン氏が、大統領選挙の立候補に必要な10万人を超える署名を集めましたが、書類に不備があったとして候補者登録が拒否されました。
今月16日:ナワリヌイ氏が死亡したと報じられます。
来月17日:ロシア大統領選挙が実施されます。

◆防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きました。
あくまでも、ナワリヌイ氏の死にプーチン政権が関与していたと仮定しての話になりますが、「ロシアの大統領選挙が1カ月後に迫り、プーチン氏が目指す“8割越えの圧勝”というシナリオに対し、ナジェージュジン氏が掘り起こした潜在的な反戦機運の高まりをクレムリンは警戒していた。“反戦の旗振り役”だったナワリヌイ氏が亡くなることで、反戦・反プーチンの勢いを力で抑えることができると考えたのでは」という見立てです。

兵頭さんは、「ロシアは“国家管理型の民主主義”といわれる。優先されるのは、国家の安定・治安。そのためには民主主義も制限される。国民は、強い指導者がいないとロシアは安定しないと考え、それがプーチン氏の高い支持率につながる。いまは、ロシアの経済も安定しているし、戦況も有利でマイナス要因がないので、大きな反プーチンの動きは表面化しない」としています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2024
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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