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■クマが商業施設に2時間“居座る”
岩手県北上市。昼下がりのショッピングセンターで最初に異変を感じたのは女性客。出口で足を止めると次の瞬間、黒い影が侵入したのです。
正体は子グマ。店のドアにはばまれると方向転換。隅に逃げ込みます。すると、クマに気付いた男性客が接近。ショッピングカートで追い込もうとしているようです。この後に始まる大捕物、その一部始終をカメラが捉えていました。
現場となったのは80の専門店が軒を連ねる江釣子ショッピングセンター「パル」。北上市の中心街のすぐ近くに位置しています。クマの通り道になることも多い川からは1キロほど。そこから一番近い山の距離は約3キロと、長距離を移動してきた可能性があります。
現場に居合わせた客
「あまりこの辺りでクマを見なかったのでエーって感じ」
■クマが商業施設に入り口から侵入
クマはどのようにして捕獲されたのでしょうか。その裏側を当事者から聞くことができました。
江釣子ショッピングセンター パル 平藤明さん
「お客様がとっさにこの辺のカートなどでクマを追い込んだ」
■「もう必死」居合わせた客語る
捕獲劇はクマを追うようにして店に戻ってきた男性客から始まります。ショッピングカートでクマを囲い込もうとすると、周りの客も異変を察知して参加します。さらに看板や植木、長椅子。次々と囲いを強化。店の一角に即席のバリケードが出現しました。
江釣子ショッピングセンター パル 平藤明さん
「ここは閉鎖してパトカーが来てものものしい雰囲気だったが、お客様は別の出入り口から入ってもらう対応をした」
店は騒然。クマをガラス越しに一目見ようと客が殺到しました。そして、クマ侵入から約2時間後…。おりを持った猟友会が到着。クマが逃げないよう網も広げます。そして…。
捕獲されたクマは体長約50センチ。北上市によりますと、その後、山に放したといいます。
目撃した理髪店スタッフ
「必死でしたけど、考えれば小さいとはいえクマなので、店内に入ってこなくて良かった」
1月に入ってからも相次ぐクマの出没。8日、秋田県でもその姿が捉えられています。
■雪積もる柿の木にクマ出没
雪が積もった柿の木。枝の上の方にクマが…。
帰省中にクマを目撃した女性(60代)
「木に登ってなければいいなと思ったけど、やっぱり登っている。ツキノワグマだ。もう子グマじゃないよ。ツキノワグマの月の輪が見えるもの」
8日、秋田県鹿角市の住宅で撮影された映像です。
帰省中にクマを目撃した女性(60代)
「結構高い木だったので、ここまで登るのかと。かなりてっぺんの細い枝の方に登っていたので、びっくりした」
現場は秋田県の北東部、鹿角市の住宅地。体長およそ50センチのクマが庭の柿の木に登っているのを実家に帰省していた60代の女性が目撃しました。
帰省中にクマを目撃した女性(60代)
「実際、本当に目の当たりにするとは思わなかったのでかなり驚いた。(クマは)山でも寝られないのかな。その前も出ていたと聞いていたので、まだ安心はできない」
暖冬の今シーズン。例えば鹿角市の今月上旬の平均最高気温は3.3℃。平年よりも2℃以上高い状況です。
■「クマ出すぎ」住民感じた異変
近隣住民
「何十年ここにいるけど、クマも食べるものがなくて出てくるのか、雪が少ないから出てくるのか。今まではなかった」
2022年12月の映像です。雪が積もる道路を走るツキノワグマ。さらに雪深い山の斜面を雪をかき分けて登っていきます。
クマと遭遇した男性は今年の異変を口にします。
近隣住民
「ここら辺(市街地)もクマ出すぎ。よく言われている境界線がなくなっている。里の味を覚えた」
秋田県はツキノワグマ出没警報を1月末まで延長。クマの出没は1月に入ってからすでに5件に及びます。
年が明けても冬眠しないクマが相次ぐ理由について、専門家は3つのポイントを指摘します。
石川県立大学 大井徹特任教授
「冬眠がかなり遅れているクマがいるが、冬眠の条件としては、クマの生理状態。秋、十分に餌(えさ)が食べられたか。現在もクマが利用できる餌があるか。気象条件、この3つが関係しています。山の中にはほとんど餌がない状態だが、人里にはまだ取り残しの柿があったり、利用できる餌があることが冬眠を遅らせていると考えられる。人家の周りにクマが出てくると人身被害が起こるので、人家の周りにクマの餌となるものがないか、今一度点検をして、あったらそれを除去することが必要」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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