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■大量の魚の死骸 深刻な悪臭も
この夏、大規模な山火事が発生し、甚大な被害が出たギリシャ。今、別の問題に頭を悩ませている。
中部にある人口およそ8万5000人の港町・ボロス。その町を流れる川が今、異常事態となっているのだ。
先月末から河口付近が魚の死骸で一面、白く覆われてしまっている。
地元の議員
「魚の死骸は数キロメートルにわたっています。被害の全容は分かっていません」
大量の死骸を回収することも大変だが、より深刻なのは悪臭で、地元住民は息をするのも困難だと話す。
■観光業に打撃 収益は80%減
さらに死骸は海にも流れ込んでいる。
海の近くのレストランは営業を停止するなど観光業に深刻な打撃を与えている。
海岸沿いのレストランを経営するオーナーは次のように話す。
レストランのオーナー
「私たちの町は壊滅的な被害を受けました。店の収益は去年から今年にかけて80%の減少です」
■病原体による汚染 生物への影響も
影響は町の経済だけにとどまらない。
地元の議員
「問題は病原体による広範囲にわたる汚染です。この汚染により、湾のイルカやカメなどが被害を受ける可能性があります」
海で暮らす生物たちに深刻な被害をもたらすのではと懸念されている。
1日で40トン以上の死骸を回収しているというが、作業は追い付いていない。
当局は1カ月間の非常事態宣言を出して対応にあたっている。
■魚の大量死 背景に1年前の記録的な嵐
今回ギリシャで起きた魚の大量死。その背景には1年前に起きた記録的な嵐が関係しているようだ。
魚の大量死によって被害を受けたボロスの町の北側にカルラ湖という人工の湖がある。
海外メディアによると、1年前の去年9月、ギリシャを史上最悪の地中海低気圧「ダニエル」が猛威を振るい、24時間で1年分の雨量を記録した。
その結果、多くの村や谷が水没。アテネ大学によると、増水したカルラ湖は3倍以上の大きさになってしまった。
ギリシャメディアによると、この増水で餌(えさ)が多く、天敵もいない状況が生まれて魚が大繁殖。ただその後、干ばつによって水位が下がったため、増えた魚に必要な酸素が足りなくなり、魚が一斉に死に始めたという。
さらに、カルラ湖の水門が開かれたことで生き残った魚も川に流入。淡水魚のため海に到達すると海水で死んでしまい、これだけの魚の大量死が起こった。
このため最高裁判所は「誰が水門を開く決定を下したのか」捜査を命じ、全容の解明に乗り出したという。
ボロスの街は異臭で観光業が打撃を受け、蚊が大量発生するなど生態系にも異変が起きている。
ユーロニュースによると、こうした状況を受けてギリシャ当局は、地元企業などに税金と保険料の免除や補助金支給といった支援策を取ることを発表したという。
ただ、地元の商工会議所は国や自治体に損害賠償請求の訴えをすでに起こしているということで、責任の所在を巡って騒動は長引きそうだ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年9月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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