「ファイヤーばい!」「アルコールでビシャビシャにせやんけん!」“福岡バーベキュー炎上18歳死亡”「ハリビ」理事長の死を招く「ビシャビシャBBQ計画」とは…
2023年6月15日(木)18時0分 文春オンライン
「短時間で火ばおこさやんけん! “ビシャビシャ”にせやんけん!」
火のついたバーベキューコンロにアルコールをぶち込む——18歳の命を奪った非常識極まる行動の発端は、「ハリビ」の理事長の鶴の一声だった。
手指消毒用のアルコールをコンロに直接注いで事故に
事故があったのは福岡県柳川市にある「ハリウッドワールド美容専門学校」。恒例イベントのバーベキュー大会で、3人の男子学生がやけどの重傷を負い、1人がやけどによる敗血性症ショックで死亡した。福岡県警はすでに学校を家宅捜索しており、業務上過失致死傷容疑を視野に捜査を進めている。学校は第三者委員会を設置して事故の原因を詳しく調べていく予定だ。
「事故は5月24日午後0時55分ごろに起きました。バーベキューは学生と教員を含めた約480人で行われ、まず理事長らが12台のコンロにアルコールを染み込ませた新聞紙などにライターで点火しました。そのうち、火の弱かった1台のコンロに20代男性教員が手指消毒用のアルコールを直接注いだことで火が爆発的に燃え上がり事故に繋がったとみられています。バーベキューが開始されてから約10分後の出来事で、18歳の学生は6月6日に亡くなっています」(全国紙記者)
この悲惨な事故について、学校側が保護者に報告しているメールを文春オンラインは入手した。
事故について公言しないように書面でほのめかす
〈職員の安全ミスで生徒4名が火傷をする事故を発生させました〉
〈多大なるご心配をお掛け致しましたことを重ねてお詫び申し上げます〉
事故当日の24日のメールを振り出しに、計6通のメールが送られている。神妙に謝罪の意を示しつつ、25日付の一通を境に文面のトーンが変わり始める。
〈この度の事故により怪我をした生徒とその家族に関わるお話でございますので、不用意なSNS等への発信などがありませんようにご理解の程宜しくお願い申し上げます〉
同内容のものを生徒にも送付していることを付言して、暗に事故について公言しないようほのめかしているように読める。
理事長みずからアルコールで“ビシャビシャ”を実演
マスコミの取材に〈熱中症を防ぐため、短時間で焼こうとした〉とコメントした通り、学校は事故の責任を認めてはいる。だが同校の内部事情を知るAさんは、責任はもっと重いのではないかと語る。
「事故当日朝の職員ミーティングで、理事長が急に『こげんすっけん、ちゃんと見よかんばい!』と宣言し、着火剤とアルコールを手にして『短時間で火ばおこさやんけん、着火剤を“ビシャビシャ”にせやんけん!』と校長の席のあたりでデモンストレーションを始めました。机も床もアルコールでビシャビシャになった異様な光景を、職員室にいた全員が見ていたようです」
さらに、着火剤として消毒用アルコールを用いていたと報道されているが、使用されたのはアルコール濃度ほぼ100%の「無水エタノール」だということも分かった。
『ファイヤーばい!』危険な“火おこし”
コロナウイルスの消毒・除菌について厚生労働省は「濃度70%以上95%以下のエタノール」の使用を勧めているが、市販されている手指用の消毒液のアルコール濃度は概ね80%前後。着火剤として使われた消毒液はそれらをはるかに上回り、可燃性もまた高かった可能性がある。
「コロナ対策で購入していた一斗缶に入った工業用無水エタノールを小さな容器に移し替えて使用していたみたいです。“火おこし隊”としてバーベキューの下準備を担当するのは理事長、副理事長、女性副校長の3人。新聞紙にアルコールを染み込ませたものと市販の着火剤を併用して火おこしをしていました。理事長の思し召し通り、女性副校長もアルコールビシャビシャを実践していた。一方の理事長は、バーベキューが盛り上がった暁にはさらにバーベキューコンロにアルコールを注ぎ、『ファイヤーばい!』と火柱を立てる演出で周囲を沸かせようと考えていたようです」(同前)
理事長らが危険な“火おこし”の準備を終えると、生徒や教職員らが会場に集まり、いよいよイベントが始まった。
事故を招いたのは「職員の安全ミス」と報告しているが…
「『理事長先生、ありがとうございます』と、生徒に挨拶させてからバーベキューを始めるのがハリビのルール。理事長が何週間も前から仕込んでいた自家製のタレもいつものように振る舞われました。アルコールでビシャビシャなんてまともじゃない火おこしだから当然なんですが、火の弱いバーベキューコンロが数台ありました。理事長が火の勢いを強めようと、各コンロにアルコールを注いで回る中、手伝いをしていた20代の男性教員がアルコールを注いだコンロから大きな火が噴き出てしまったんです」(同前)
学校は保護者宛のメールで事故を招いたのは「職員の安全ミス」と報告している。だが、理事長自ら旗振り役になり“着火剤ビシャビシャ”なる珍妙な火おこし方法を取り入れていたことにはいまだ言及していない。
バーベキュー開始の前に危険の兆候はすでに芽吹いていた。疑問符だらけの下準備は事実なのか。ハリウッドワールド美容専門学校に取材を申し込んだところ、学園長の古賀郁(ふみ)氏が電話で対応した。
“ビシャビシャ”なんてありえない!
——バーベキューの火起こしにアルコールを用いることは事前に決まっていたことなのでしょうか。
「そうです。その代わり、理事長だけが着火作業を行うことにしていました。これまでは生徒にも手伝ってもらっていましたが、今回はアルコールを使用するので、生徒の力を借りず、理事長自身が各コンロに着火して回りました」
——着火作業は理事長の他に、副理事長と女性副校長も携わったと聞いていますが。
「いえ、着火を行ったのは理事長だけです」
——そこで着火剤や炭をアルコールで“ビシャビシャ”になさった?
「アルコールはあくまで着火目的です。ですので、様子を見ながら少量ずつです。ビシャビシャなんてありえない」
——イベントに先立つ職員のミーティングで、理事長が自ら“ビシャビシャ”を実演なさったそうですが。
「実演はありました。ですが、ビシャビシャになるほどアルコールを撒いて、それがこぼれて机や床がアルコールまみれになったということはありません」
——アルコールは理事長だけが使用するはずだったのに、事故を起こしてしまった男性教員は許可もとらず勝手にアルコールを吹きかけてしまったということですか。
「捜査中のことでもありお答えはできません」
——着火時だけでなく、バーベキューが始まってからも理事長がコンロを巡回してアルコールを投入していたのを目撃している参加者がいます。
「あくまで着火のみです。そこはお間違いのないようお願いします。他のメディアの報道で、アルコール投入は理事長の指示だったとありましたが、防犯カメラを確認すると、事故時点で理事長は事故のあったコンロに背を向けていたし、指示している様子もありません」
——問題のアルコールは「無水エタノール」だったんですか?
「我々はその原液を水で薄めて、コロナ対策の消毒液として使っていました。スプレーできる容器に移し替えて、各教室に置いていました。それを更に薄めたものをコンロの着火に用いました」
火おこしにアルコールを使ったことは、常識外れの誹りを免れない。ハリビの危機管理の甘さが問われている。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
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]...以下引用元参照
引用元:https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0615/bso_230615_7673898218.html