文化庁が29日に公表した2022年度の「国語に関する世論調査」で、「推し」や「盛る」といった新しい言葉の使用について「気にならない」と答えた人が8割に上ることが、分かった。SNSなどの普及で新しい言葉が社会に広く浸透する一方、言葉の使い方に気を使う傾向が強まっていた。
調査は今年1~3月、16歳以上の6000人を対象に、新しい言葉の使用や慣用句の意味などを尋ね、約3600人から回答を得た。
新しい言葉では、「気に入って応援している人や物」を指す「推し」は49・8%が「使うことがある」と回答。より良く見せようとする行為を表す「盛る」についても、53・3%が使用すると答えた。他人が使うことが気にならないとしたのは、それぞれ82・1%、80・6%だった。担当者は「SNSの普及もあり、新しい表現が早く広まったのではないか」と分析する。
一方、「AED(自動体外式除細動器)」や「DX(デジタルトランスフォーメーション)」などのアルファベットの略語について、「意味がわからず困ることがある」とした人は85・1%だった。70歳代は9割以上、10歳代も7割以上を占めた。
本来と異なる意味で使われている慣用句なども調べた。「涼しい顔をする」について、本来の意味である「関係があるのに知らんぷりをする」を知っていたのは22・9%にとどまり、61・0%は「大変な状況でも平気そうにする」と捉えていた。
■言葉の使い方「気を使う」8割…SNS「炎上」背景
言葉の使い方については、約8割の人が「気を使っている」と回答した。近年ハラスメントへの意識が高まったり、SNSなどの書き込みを巡って一斉に批判を浴びる「炎上」が相次いだりしていることなどが背景にあるとみられる。
「気を使っている」としたのは80・4%に上り、調査を始めた1997年度以降、最多となった。具体的な行動としては、「差別や嫌がらせ(ハラスメント)と受け取られかねない発言をしない」(62・7%)、「インターネットで感情的な発言・反応をしない」(37・1%)などの回答がみられた。
文化庁の担当者は「スマートフォンなどから誰でも情報を発信できるようになったことで、言葉遣いを気にしたり、他人の発言を踏まえて自身の言葉遣いを省みたりする人が増えたのではないか」とみている。
]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/domestic/society/12213-2580836/