「迷惑系」から「社会の敵」に…「炎上」求め違法行為
2023年9月18日(月)11時1分 読売新聞
[情報偏食]第4部 混沌もたらす者たち<1>
いかに人々の「アテンション(関心)」をつかみ、金に換えるか——。そのルールが支配する世界では、法令を無視した過激な動画を発信して、一線を踏み外すケースは少なくない。
その一人が、迷惑系ユーチューバーとして知られた「へずまりゅう」こと原田将大氏(32)だ。「山口県から来ました!」と大声をあげ、嫌がる人気ユーチューバーに「突撃」する迷惑動画で一躍有名になった。
動機は金だった。
地元の大学を卒業した後、交際していた女性の父親の連帯保証人になり、1000万円を超える借金を負った。返済に窮し、2017年、地元の高校や大学に忍び込み、スポーツ用品を盗んだとして逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。勤務先の鉄鋼会社は解雇された。
「ユーチューブで稼ぐしかない」。20年2月に上京し、再生回数が稼げる「炎上動画」に手を出した。執行猶予期間中で「何かあったら今度こそ刑務所に入る」と思っていたが、背に腹は代えられなかった。半年間で約50本の迷惑動画を投稿し、再生回数が100万回を超える「当たり」を連発した。
だが、再び転落する。愛知県岡崎市のスーパーで会計前の魚の切り身を食べる動画を撮影。被害届を受けた県警から同7月、窃盗容疑で再び逮捕された。
新型コロナウイルスにも感染しており、捜査にあたった警察官らにクラスターも発生させた。世間の目は「迷惑系」から、「社会の敵」に変わっていた。
逮捕から約2か月。留置施設に面会に来た、やつれ果てた母親を見て、これまでの行動を悔いた。「もう続けられない」
22年3月、懲役1年6月(保護観察付き執行猶予4年)の判決が確定する。改心したつもりだが、X(旧ツイッター)では今も、事故現場で悪ふざけをする動画を投稿し、世間から眉をひそめられることもある。自身については、こう分析する。「『へずまりゅう』の悪名で食べていくしかない。もはや炎上中毒です」
人々の関心を引きつけるには、誰よりも早く情報を発信することも求められる。しかし、裏付けが不十分のまま投稿し、トラブルに発展することもある。
都内に住むユーチューバーの男性(33)は、無関係の第三者をある事件の犯人と決めつけて拡散させた。普段から時事系の話題を配信しており、「いち早く取り上げなければ再生回数を稼げない。焦っていた」と振り返る。
事件は19年8月に起きた。茨城県の常磐道を車で走行していた男が、後続車を止めさせ、運転手を殴った。男の車に同乗していた女が携帯電話のカメラで撮影している様子が、被害者の車のドライブレコーダーに記録されており、その映像がネットに拡散。犯人捜しが過熱し、事件と無関係の女性を同乗者の女だと決めつけるデマが広がった。
男性はデマを信じ、無関係の女性の顔写真をさらして動画を配信。<この女が動画撮ってたんだよ><共犯、こいつ>。再生回数は3万回を超え、女性のSNSアカウントには「早く自首しろ」などと
男性は後日、事実誤認を認めて謝罪動画を配信したが、女性から名誉
]...以下引用元参照
引用元:https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0918/ym_230918_7042164523.html