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《殺害・爆破予告が30万件》「恒心教を広めるためにやった」過去最悪の被害のウラにあった‟架空の団体”とは【容疑者2名逮捕】|ニフティニュース


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 過去最悪の“犯行予告”事件の容疑者が検挙された。警視庁は8月23日、威力業務妨害容疑で無職の大熊翔容疑者(26)と東京農工大大学院生の佐藤直容疑者(22)を逮捕したと発表した。

「2人はネット経由でファックスを送るサービスで嘘の殺害・爆破予告を送りつけていました。全国の学校や自治体や企業に今年5月までに寄せられた殺害・爆破予告は実に30万件。その際に『唐澤貴洋』なる実在の弁護士を名乗っていた」(警視庁担当記者)

 被害者側からは当然、弁護士宛に電話が殺到したが、この2人、個人的な恨みがあったわけではなさそうだ。実は唐澤弁護士は、10年以上前からこうした嫌がらせを受けているネット界隈の有名人なのだ。

■「恒心教」を広めるためにやったと供述

「2人は唐澤氏に嫌がらせをする同好の士が集う『恒心(こうしん)教』を広めるためにやったと供述している」(同前)

 恒心教とは聞き慣れない名前だが、由来は2012年頃まで遡るという。ネットに詳しい関係者が明かす。

「唐澤弁護士が同年に『2ちゃんねる』での炎上被害者からの依頼を受けたのがきっかけです。加害者の矛先が唐澤弁護士に向き、トラブルと無関係の人まで面白半分に参戦して弁護士への誹謗中傷が激化。加害者のいわばサークルは唐澤氏の当時の所属事務所名『恒心綜合法律事務所』をもじり、宗教団体を模して『恒心教』と名乗り、いまも嫌がらせをしています」

■警察が犯人のリアルな立ち寄り先を見つけた方法とは

 単なるいたずらと侮るわけにはいかない。2人の逮捕発表の翌日には警察庁の露木康浩長官が定例会見でわざわざこの事件について、「この種の事案が社会生活に与える影響は決して無視できない」と言及した。“犯行予告”に特化した統計はないが、30万件がいかに「天文学的数字」かは、全国の警察への相談件数が年間200万件余りなのを考えれば一目瞭然だろう。

 今回は幸いにも大事には至らなかったが、「犯行予告」は警察にとって苦い歴史でもある。08年に、当初はいたずらとして取り合わなかったが、犯行予告後に7人が殺害された「秋葉原通り魔事件」が発生。取り締まりを強化してきた。だが、12年には、他人のパソコンを遠隔操作して犯行予告が出された事件で「誤認逮捕」が続発。最後は真犯人を逮捕したものの、警察は大きな批判に晒された。捜査関係者が明かす。

「今回も遠隔操作ウイルス事件と同じ『Tor』(トーア)という発信元を匿名化するソフトが使われ、サイバー空間の捜査は難航した。結局、外部のネット関係者が特定した犯人のSNSから、リアルな立ち寄り先を割り出し、周辺の防犯カメラ映像をたどって2人の逮捕にこぎ着けた」

 サイバー犯罪の捜査はまだまだ発展途上のようだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年9月7日号)

]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/item/neta/12113-2533705/

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