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■出頭要請書を“受け取り拒否”
捜査機関が出頭を要請しているものの、大統領は、全く応じていません。出頭要請の書類は受け取りを拒否し、弾劾裁判に向けた書類も受け取っていないそうです。
■“表現の自由”への危機感
抗議の声をあげ続ける韓国の市民。うねりの中心となっているのが、若い世代です。
パク・ユジンさん 「私は絵を書いている人なのですが、この人(尹大統領)の政権ならば、私は自由に絵を描けないと思って、ここに来ました」
どういうことなのでしょうか。
日本人の母親を持つパク・ユジンさん(20)。夢は、アニメーター。アルバイトをしながら浪人し、来年から専門の大学に通う予定です。
「戒厳令以降、印象的な瞬間を描いてください」とお願いしました。
パク・ユジンさん 「(Q.何を表現したのか?) 応援棒が光っているのと、(弾劾訴追案が)可決された日に風船が空に飛んでいるのを見て、美しいなと思って。若い女性たちの不安が、ここで表現されたっていう感じに思った」
不安は、戒厳令の前から抱いていました。
パク・ユジンさん 「『尹錫悦列車』という絵があったんですけど…」
2年前、高校生が描いた尹大統領の風刺画。公募展の金賞に選ばれると、政府が問題視し、公募展の後援を取り消したのです。
パク・ユジンさん 「この絵みたいに、私たちの表現を止めることもあるなと思ったとき、悲しくなりましたね。裁判で弾劾を決めてほしいという気持ちがあるんで、そして、次の大統領が、もっと表現の自由を守ってくれる人が、なってほしいなっていう気持ちです」
■「就職できない」若者の悲鳴
若者の怒りの矛先は、自由への抑圧だけではありません。
抗議の輪の中には、あすの生活さえ見通せないという人もいました。
中小企業で事務職として働くキム・ハウンさん(31)。
キム・ハウンさん 「私は尹政権での経済低迷によって退職勧告されました。来月からは就職活動しなければいけません」
2年前の大統領選。
不動産価格の高騰や、就職難を背景に若い世代の支持を取り込み、当選したのがユン氏でした。
しかし、その政権下で、若者の経済状況はさらに悪化。20代の非正規労働者の割合は、今年、過去最高となっています。
キム・ハウンさん 「転職も新たな就職も難しい現実を、現政権は作ったと思う」
くしくも、今年の韓国を象徴する四字熟語に選ばれたのは『跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)』。
「悪人などが我が物顔にのさばり、はびこること」です。
株価操作や高級バッグをめぐる収賄など、夫人を含めた大統領周辺の疑惑や、国民の暮らしに対する無関心が選ばれた理由となっています。
あの日、国会や選挙管理委員会とともに、掌握しようとしていたとされる場所があります。
■戒厳令“標的”の放送局は
韓国で信頼されるメディアランキング1位の放送局・MBCです。
夜のニュース番組でキャスターを務めるチョ・ヒョンヨン氏。
チョ・ヒョンヨンキャスター 「韓国の民主主義の歴史を見ると30数年前ですら、デモの参加だけで捕まり、裁判の過程で、変な結果が出て、拷問もありました。個人としての恐怖、職務を遂行すべき責任感。この2つがぶつかり合っていました」
もし、国会議員も市民もメディアも抵抗せず、戒厳令がそのまま続いていたとしたら。
チョ・ヒョンヨンキャスター 「『政治活動の禁止』『表現の自由の侵害』『メディアへの統制』、逮捕者も出たことでしょう。韓国が40~50年前に退行する恐れもありました。これが私の職業です。視聴者が見ているのです。自分の役割を果たしただけ。“逃げない”と思っていました」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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