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■生産地表記を見ないと見抜くの難しい
カナダ・バンクーバーにあるスーパーのコメ売り場の写真です。「こしひかり」「健やか玄米」「雪花」など、日本語で書かれたパッケージが並んでいます。
なかには、「職人もうなる旬の味」と品質に自信を見せるキャッチコピーもあります。しかし、これらのコメ…。
日本農業新聞 報道部 宗和知克次長
「漢字・ひらがな・カタカナ表記を多く使っていて“日本産”風を演じていた。表面だけ見ても、コメの専門だが、(外国産と)分からない」
中身はアメリカ産や中国産など外国産のコメなのです。実は今、日本産を装ったコメが海外で出回っています。
カナダで市場調査を行った専門紙の記者は次のように話します。
宗和次長
「高品質な日本ブランドのイメージに便乗するテクニック。トレンドになっていると聞いている。私が見たところ、米国、特にカリフォルニア産が多かった。日本と同じジャポニカ米が多いのが印象的でした」
こうした“日本産”風の外国産のコメ。パッケージの裏側にある生産地の表記を見ないと、なかなか外国産とは見抜けません。実際、日本人ながら勘違いしていたという人もいます。
■友人に指摘され…「ずっと日本産だと思って買っていた」
去年までアメリカ・ボストンに在住し、現地の情報を発信していたウェザーマップの気象予報士の関口奈美さん。アメリカのスーパーでも“日本産”風のコメがたくさん並んでいたといいます。
関口さん
「ずっと日本産だと思ってコメを買っていたが、いつも買っていた『玉錦』というパッケージのコメをカゴに入れたところ、『カリフォルニア産のコメ食べているんだ?味はどう?』と聞かれて、『え?カリフォルニア産なんだ、このコメ』と」
友人に指摘されるまで日本産のコメと思い込んでいたという関口さん。パッケージをよく見てみると…。
関口さん
「日本語のおかしいところを発見することもあって、多分『ピカピカ仕上げ』と書きたかったと思うが最初の『ピ』が抜けていて、『カピカ仕上げ』になっていて、よく見たら日本産じゃないと分かる」
では、味の違いはあるのでしょうか。
関口さん
「気付かなかったぐらいなので、不満なく食べていた。炊飯器の関係で、日本で食べていた時よりもみずみずしさがないと思っていた。日本産のほうがおいしいとは思う」
■商標上は問題なし 日本側対応できず
こうしたなか、コメの輸出拡大に意欲を見せるのが…。
石破茂総理大臣
「日本のコメを食べたい人は世界にいくらでもいる。世界と交渉して、もっと日本のコメを世界の人に食べてもらおう」
海外の日本食ブームを追い風に、日本政府もコメを輸出の重点品目に位置付けています。コメの輸出量は着実に増え4年間で倍増。しかし、国外のコメ市場の中では、まだまだ微々たるものです。
カナダのスーパーにずらりと並んでいた価格の安い“日本産”風のコメとの競合も今後の課題となります。
宗和次長
「外国産は日本産の半分から三分の一の値段で出回っていた。数量と価格で優位に立つカリフォルニア産などが、表示でも“日本産”風を取り入れると。これは脅威的な存在と見ている」
ただ、産地を偽装しているわけではなく、商標上は問題ないため日本側は対応できないということです。
(「グッド!モーニング」2024年12月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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