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■日本に来たら「たまごサンド」
日本の空の玄関口・成田空港に、たまごサンドの人気店があります。それはコンビニです。ずらりと並んだたまごサンドコーナーには、次々と手に取る外国人観光客の姿が見られました。
シンガポールから
「けさ着いたけど、日本に来たら、まずはたまごサンドだよ」
シンガポールからのカップルも到着後すぐに…。
シンガポールから
「飛行機で日本のたまごサンドの動画を見て、どうしても食べたくなったんだ」
「日本に着いたらまずはたまごサンド」という外国人も増えているのです。
人気のきっかけの一つは、3年前の東京オリンピックでした。来日した各国の記者がコンビニのたまごサンドを絶賛し、300円程度という安さにも驚いたといいます。
さらにアメリカでも、コンビニでたまごサンドが発売され、SNSには「このたまごサンド、かなりおいしいわ」という喜びの声が続々と投稿されています。
まさに世界へ広がりつつある日本のたまごサンド人気。日本ではゆで卵を潰してマヨネーズを和えるのが定番ですが、海外では…。
アメリカから
「ロスの店では見たことないな」
ドイツから
「ドイツのたまごサンドはスクランブルエッグが挟んであって、パンも茶色で硬いわ」
ベネズエラから
「マヨネーズが入ったたまごサンドは絶対ないわ。目玉焼きをパンで挟むだけって感じよ」
実は、我々には当たり前のマヨネーズと和えたクリーミーなたまごと柔らかいパンの組み合わせは、世界でも珍しいといいます。
■「伝説のたまごサンド」高騰する卵価格
そんな外国人にとって「たまごサンドの聖地」ともいえる場所が銀座にあります。
オーストラリアから
「ワクワクするわ。日本に来るまで、ずっとたまごサンドのことを考えていたの。『たまごサンド待ちきれない』って」
創業41年、行列の絶えない喫茶アメリカンは歌舞伎座の裏にあり、外国人の間ではSNSで大注目の店だといいます。
その「伝説」と言われるたまごサンドは、パン一斤を使い、たまごが盛られた巨大な山脈が2つ。これで900円です。
オーストラリアから
「このサンドイッチよ」
「(Q.全部食べられそう?)いけるよ」
「さあ食べましょう。おいしいわ」
たまごとマヨネーズのコラボには「やっぱりマヨネーズが多くて、クリーミーなのがいいのよ。バランスよく混ざってる」との声が聞かれました。
オーナーの原口誠さん(73)は、多い日は800個の卵をゆで、1個ずつ手で全部剥いています。
具は1人前でなんと卵8個分。マヨネーズを混ぜるだけのシンプルな味付け。パンは1日に2度、ベーカリーから届けられる焼きたてです。
アツアツでふんわりモチモチのパンの食感が自慢です。そして、厚さ5センチ以上に切ったパンにたっぷりのたまごを挟み、豪快にカット。さらに、お皿に盛った後にも、たまごを追加で乗せて完成です。
オーストラリアから
「パンも温かくて、とってもフワフワ」
10年ほど前に始めた伝説のたまごサンドですが、実は今、悩みがあるそうです。
原口さん
「10年前、卵は安かった。今に比べたら半分」
当時は卵が安く、サービス精神でどんどん増やしていき現在の量に。しかし、今の卵の高値には。
原口さん
「気にしない。減らすわけにはいかない。みんなトッピング楽しみにしてるし」
オーナーの心意気が詰まった伝説のたまごサンドに、オーストラリアから来た人から「とにかく最高の体験だったわ」という声が聞かれました。
■日本のおにぎり文化が育んだサンドイッチ
サンドイッチと呼ばれる起源は18世紀のイギリスで、「サンドイッチ伯爵がカードゲーム中に食べたことから」と言われます。
日本では明治時代にパンが広まり、大正4年(1915年)の料理雑誌にはたまごサンドのレシピも登場。戦後、新鮮な卵が比較的安価だったことと、マヨネーズの普及により喫茶店などへと広まったといいます。
さらに、日本独自のサンドイッチもさまざまに生まれました。「カツサンドの発祥」といわれる東京・御徒町の老舗とんかつ店「井泉」。およそ90年前、初代女将が考案したものです。
今も当時と変わらぬ製法で、箸でも切れる柔らかい一口カツを、特製のソースを絡めて、薄いパンに挟みます。小さなサイズが食べやすく、当時は上野界隈の芸者さんの間で評判だったといいます。確かにお箸で切れました。
最近、人気のフルーツサンドは、東京・日本橋にある千疋屋総本店が明治元年に果物食堂で出していたといいます。
現在使われているのは、イチゴ・パイナップル・パパイヤ・キウイの4種類。果汁が出にくい果物を使います。
ホイップクリームは甘さ控えめ。イチゴとパイナップルの酸味、パパイヤの風味、そしてキウイの食感が加わった、日本が誇る上品なフルーツサンドです。
おにぎり文化があった日本では、手軽なパンを使ってサンドイッチを独自にアレンジしていったといいます。
■「毎日でも食べたいよ」
日本で暮らす男性は、実は外国人たまごサンドブームの火付け役の一人です。
世界に向けて、コンビニのたまごサンドを食べる動画をSNSで発信すると、「うわー、それっておいしそう」「本当に日本に行きたいです」 などのコメントが寄せられ、大きな反響を呼びました。
ニュージーランド出身のスパークスさん(27)はインターナショナルスクールの先生ですが、たまたま食べたコンビニのたまごサンドの虜(とりこ)になりました。
スパークスさん
「毎日食べてる。いただきます」
シンプルで奥深く飽きない味だといいます。
今回、スパークスさんが向かったのは、大宮駅から歩いて10分の場所にある、たまごサンド専門店「TAMASAN PARK」です。お昼前、店には多くのお客さんがいました。
スパークスさん
「進化系のたまごサンドがあるんだ。ケーキみたいな見た目だよ」
マヨネーズやからしを合わせたたまごソースをフレンチトーストに挟んだ「たまごサンドの王様」が新商品です。そして、一番人気なのが…。
スパークスさん
「うわ。これだよ!完璧な見た目だ」
え?これがたまごサンド?一見ケーキのようですが、真ん中には分厚い玉子焼きが挟まれています。その名も「太陽のたまごサンド」です。
材料は卵黄にマヨネーズ、牛乳、生クリーム、砂糖など。さらに卵白をメレンゲにして加えます。このフワフワに仕上げる秘密が、なんと炊飯器にあります。
TAMASAN PARK 西川一平さん(51)
「循環させて、むらなく焼ける」
フライパンで焼くなど試行錯誤の末に編み出したのが、炊飯器を使う方法。仕上がりはフワフワでプルプルです。
パンは甘めのブリオッシュ生地とサクサクのクロワッサン生地の重ね焼き。卵を冷ましてからパンに挟めば完成です。
スパークスさん
「卵は甘いけど、パンのしょっぱさもある。いい組み合わせだよ。パンも柔らかくて、本当においしい。毎日でも食べたいよ」
■「日本のたまごサンドは最高だよ!」
続いて向かったのは、スパークスさんが今、最も気になるたまごサンド。日本の伝統食品を使っているといいます。
スパークスさん
「どんな味か想像もつかないから、食べて確かめたいんだ」
東京・世田谷区に去年オープンしたばかりの、こだわりパンの人気店「BAKER Aoyagi」です。
袋を開けると、木の香りが漂います。日本の伝統食品が使われているといいますが、コリコリと音がしました。
スパークスさん
「いただきます。コリコリしてる。なんて言えばいいか…。木の香りみたいな、スモーキーな感じだよ」
「コリコリとしてスモーキー」。たまごサンドに加えたその秘密が…。
秋田県の郷土料理である燻製(くんせい)したたくあん漬け「いぶりがっこ」を細かく刻み、たまごとマヨネーズ、クリームチーズ、イタリアンパセリなどと合わせた具を作ったのです。
日本の伝統漬物とたまごサンドの出会いに、スパークスさんも興奮しています。
スパークスさん
「進化するたまごサンドをもっともっと開拓したいね。日本のたまごサンドは最高だよ!」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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