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絶品ご当地グルメもあれば、近年は住みたい街ランキングに大宮と浦和がトップ10に入る大躍進ぶり。そもそもの「ダさいたま」の始まり、そして埼玉県は「ダサい」のか「ダサくない」のか徹底追跡します。
■埼玉はダサいのか?“隠れダさいたま派”も
埼玉県は「ダサい」のか「ダサくない」のか。まずは、それぞれの主張をご覧ください。
千葉県民(ダサい派)
「ダサいですね」
千葉県民(ダサい派)
「東京だったら東京タワー、スカイツリーとかある。目立つものがない」
千葉県民(ダサい派)
「分かる、マジ分かる」
千葉県民(ダサい派)
「パッとしないじゃないですか。千葉、海あるし、観光スポットいっぱいあるし。埼玉…何があったっけ?って感じ」
「海や有名な観光名所がないからダサい」との主張に、埼玉県民は、次のように反論します。
埼玉県民(ダサくない派)
「海もなければ山もないから、災害がない」
埼玉県民(ダサくない派)
「魅力的な場所は、あまりない…かもしれない。心はダサくない」
さいたま市民のお父さんは、なんとも謙虚に否定してくれました。
埼玉県民(ダサくない派)
「ここには海がないけど、行こうと思えば茨城も行けるし、千葉も行ける。すごくアクセスが良い。東京にデパートがある。そこを埼玉が使わせてもらっている。茨城の海も埼玉が使わせてもらっている、千葉も。全部の県に奉仕している。いろいろ使って、お金を落としている。(奉仕している)と思えばいいんじゃない」
また、この女性は、都会にはない良さを見付けてくれました。
埼玉県民(ダサくない派)
「西川口のパスポートセンター、待たない。待ち時間、都内とかは2時間かかるじゃないですか。西川口のパスポートセンター、待ち時間0分。パスポートすぐ作れます」
ただ埼玉県民の中にも、“隠れダさいたま派”は少なくありません…。
埼玉県民(ダサい派)
「ずっと埼玉に住んでいるけど、何もない」
埼玉県民(ダサくない派)
「誇りを持とうよ」
「新幹線通っているんですよ、ウチ。ね?」
「群馬も、高崎だけ通っているよ」
「あっ、そうなんだ…」
■誕生のきっかけは「竹の子族」だという説も
そもそも広辞苑で「ダサい」を引くと「野暮ったい」「洗礼されていない」とあります。「ダサい」と「埼玉」を掛け合わせて“ダさいたま”。その誕生のきっかけは、あの竹の子族だという説があるそうです。
取材班が話を聞いたのは、埼玉県上尾市出身の鷺谷政明さん。埼玉を代表する46の企業や団体などと協力し、観光PR動画を作るなど、埼玉の活性化に力を入れています。
そうだ埼玉.com編集長 鷺谷さん
「竹の子族がはやっていたじゃないですか。(竹の子族の)ほとんど埼玉県民だった。東京に行って、ちょっと東京人ヅラしちゃう。それが“ダさいたま”って言われた一番の要因だと思う」
竹の子族
「(Q.どこから?)埼玉。楽しいですよ」
発見した文献には「『竹の子族』のファッションが、必ずしも垢抜けた印象でなく、『ダサい』ことに目をつけ、タモリが番組の中で『ダサイ玉』と言い出した」と書かれていました。
埼玉県民
「東京ぶっているイメージがあるから。ダサいと言われちゃう」
東京都民ぶった経験はあるか、埼玉県民に聞いてみました。
埼玉県民
「“バナナ”買ってっちゃうよね、東京のね」
埼玉県民
「(手土産に)『東京ばな奈』買ってくとかね。埼玉なのに東京のお土産かい!みたいに」
埼玉県民なのに県外へのお土産は、なぜか「東京ばな奈」。
1980年代前半、「ダさいたま」と言う言葉は各メディアで取り上げられ、全国区になりました。
当時の新聞は、埼玉県議会でも論争が起きたと報じています。
埼玉新聞(1984年3月13日付)
「ダサイ、ダサイタマ、ダカラサイタマなど、本県や県民を嘲笑(ちょうしょう)したことばが全国的に広まっている」
危機感を覚えた埼玉県は、40年以上前に特別調査チームを結成したこともありました。
埼玉県 広報課
桜田詩織さん
「昭和58年(1983年)に県の広報誌『県民だより』で『なぜ“ダさいたま”なのか』というのを紙上討論会という形で。全部で67人の方からご意見が寄せられた。その中で『確かにダサいね』という意見が60件、90%も占めていたという記録が残っています」
越谷市民(22)
「終バスの時刻が早い。ハンバーガーの店が駅前にない。なんといってもダサイ」
当時13歳の少年からは、こんな切実な声も上がっていました。
川口市民(13)
「ぼくは埼玉が大好きです。埼玉がおイモの形をしているからって、ダサいからって、バカにしないでください」
45年前、地方から埼玉県のすぐ隣の東京・赤羽に越してきたという女性。埼玉に、かつては強烈な拒否反応があったといいます。
赤羽在住
「赤羽、絶対イヤだって。埼玉に近いから」
友達
「埼玉に間違えられている」
赤羽在住
「埼玉に近いから絶対イヤだって。だって、田舎から東京に上京してきたのに、埼玉寄りはイヤだなって」
とはいえ、現在は買い物にも訪れ、ダサくない派になったそう。
赤羽在住(今はダサくない派)
「結構(埼玉)オシャレですよ。何がオシャレか聞かれたら分からないけど」
■「ダさいたま」実はありがたい? 逆手にとった自虐PRも
それから40年。埼玉は発展を遂げ、最新の住みたい町ランキングでトップ10に大宮と浦和が入る大躍進。
外国人観光客
「I feel happy」
江戸の情緒を残すレトロな街並みが人気の川越には、去年60万人以上の外国人客が押し寄せ、行田市の壮大なスケールの田んぼアートはギネス記録を誇り、世界にも認められているのです。
栃木出身(ダサくない派)
「埼玉にダサいイメージはない、北関東民からすると。自然の景色は都内より強みがある」
埼玉県民(ダサくない派)
「ゴロが良いから、ダさいたまになった。ダさいたまは昔の話、今はダサくない」
実際、去年に埼玉県が行った「ダさいたま調査」では、「ダサい」が29%、「ダサくない」が27%とほぼ拮抗(きっこう)する結果に。
一方で、聞き込みを続けるうちに、予想もしなかったある興味深い意見が聞こえてきたのです。
埼玉県民(ダサくない派)
「褒め言葉ですよ。“ダさいたま”って。嫌われた言葉じゃない」
埼玉県民(ダサい派)
「『ダさいたまって呼ばれている埼玉県民ですよ』みたいに、自分からネタにしちゃう。抵抗はない。むしろ、それで有名になってうれしいぐらい」
「ダさいたま、実はありがたい説」を裏付けるかのように、旬を迎えた久喜市の梨園では、堂々と“ダさいたま”を冠した梨サイダーが売られていました。
「ダサい玉サイダー」販売者
渡邉雅弘さん
「最初は梨サイダーって感じで作っていた。やっぱりインパクト弱くて、ダメだなって」
聞けば、「ダサい玉サイダー」と名前を変えてから、なんと売り上げが年間2倍近くになったと言います。
渡邉さん
「ようやく“ダさいたま”に辿り着いた。これは良いと思って、“ダさいたま”最高なんで、これからもゴリゴリ推します」
さらに、関東三大梅林・越生(おごせ)の梅にも「ダさいたま」。
「ださいたま梅酒」販売会社
オンライン酒屋「クランド」
遠山彩華さん
「素材の本来の味を生かした商品だからこそ『ださいたま』って名前が合うんじゃないかって。洗練されすぎていない親しみやすさみたいな」
さらに調べてみると、「ダサい」を逆手にとったいわば自虐PRをする自治体も発見。それは、東京に隣接する川口市の移住促進PR動画、その名も「お願い 住んで 川口市」です。
川口市 広報課
齊藤貴聖さん
「他との差別化を図るためのインパクトとして(自虐的な)セリフを盛り込んだ。自虐のお力を少しお借りした」
さらに、同じく東京と隣り合わせの新座市に、なんとなく自虐的な「東京都に半分食い込むまち新座市」というキャッチコピーがありました。
埼玉県民(ダサくない派)
「埼玉県民はディスられて、めっちゃ喜んでいる。笑いに変えられる私たちは、ダサくないと思います!」
埼玉県知事も“ダさいたま”について、こう発言しています。
埼玉県 大野元裕知事
「ダさいたまと呼ばれて、気持ちが良いことはない。仮に“ダさいたま”のダサいのゆえんが、埼玉県の寛容さゆえだとすれば、ダさいたま上等だと思います」
■日本一カッコイイと選ばれた「あるランキング」も
そんななか、取材班は埼玉県のホームページで目を疑うものを発見しました。
新1万円札に採用された渋沢栄一が深谷市出身であるとPRするため、埼玉県が作ったロゴマーク。ついに埼玉県も「ダさいたま」ブランドに乗っかったということなのでしょうか?
埼玉県 広報課
敷根章裕さん
「(Q.響き的に『ダさいたま』狙っている?)いえ、それは狙っていないです」
敷根さん
「レオナルド・ダ・ヴィンチ。ヴィンチ村のレオナルドさんという意味を知りまして、あっ、これだと思って『ダ』をここにつけました。シブサワ・ダ・サイタマ」
「(Q.“渋沢ダさいたま”ではなく?)いえ、違いますね」
「(Q.シブサワ・ダ・フカヤでも良いのかなって。やっぱり狙っている?)いえ…狙ってはないです…」
「頑なに狙ってはいない」とする県ですが…。
埼玉県民
「狙っていると思います」
群馬県民
「はい、思います」
埼玉県民
「狙いに行っている感が強い。結局“ダさいたま”なんじゃん」
埼玉県民
「埼玉県らしい。自虐を逆手に取って、良いと思います」
埼玉県はダサいのか?取材を続けるなかで、番組は埼玉が自虐でなく、紛れもなく「日本一カッコいい」と選ばれた“あるランキング”を発見しました。
東京都民
「こういうの良いじゃん、埼玉の。良いじゃん、これこれ」
愛媛県民
「埼玉が一番かっこいい」
千葉県民
「ジャパニーズっぽさ。火の玉っぽい感じ。マンガっぽいかっこよさ」
私たちの街頭調査でも、埼玉が最もカッコイイと支持を集めたランキングは、都道府県章ランキングです。
発展や、力強さを表していると言うデザイン。たくましく“ダさいたま”を利用し発展する埼玉県に、ピッタリと言えるかもしれませんね。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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