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■空き家が外国人に人気 秘密は?
この日、空き家ハンターのアレン・パーカーさん(34)が空き家を探しに訪れたのは、埼玉県小川町の昭和初期に建てられた一軒家。
アレンさん
「おお~!」
「(Q.初めてですか?見るの)はい!中見てるときれいじゃないですか?梁(はり)は丸太を使ってますし、この電線も古い感じがしますね。実は、これ陶器で作られてるんですよ!」
アレンさん
「この小上がりも木材が良いですね、つやがかっているというか、英語でPatina(経年変化)というんですけど。古き良き味がよく出てます」
アレンさんが空き家ハンターを始めたのは4年前。「日本の空き家が放置されているのはもったいない」と、外国人向けに空き家を紹介する会社を立ち上げました。
すでに紹介は1000件以上にも上ります。アレンさんにとって、空き家は「宝物」です。外国人に素晴らしさをもっと伝えたいといいます。
アレンさん
「これだって材木屋さんで何万円ですよ!非常にもったいないと思います」
さらに、外国人に空き家が人気の秘密が…。
アレンさん
「この床の間も色々ありますね。この黒檀(こくたん)の台がね、これあるとめちゃくちゃ飾り物に最適で」
実は、置物や家財道具などは、売り主が処分に困っていることもよくあるんだとか。しかし、外国人にとってはまさにお宝。家と一緒に引き取ることも多いといいます。
この日も掘り出し物のお宝を発見!
アレンさん
「空っぽだけど、ピアノだけある。これ日本製のピアノですね!めちゃくちゃ高級木材」
「(Q.こういうお宝もあるんですか?)これを見つけるから、空き家ハントって楽しいんですよ」
そんなアレンさんですが、なぜ日本の家が大好きに?
アレンさん
「私の母親は建築家なんです、子ども時に日本庭園の本をよく見てました。そしたら、知らないうちに日本建築が好きになって」
■雑草が生えた庭も「景観が計算され尽くしている」
この日、空き家ハンターのアレンさんが物件を紹介するのは、ノルウェー出身のジェーンさん(35)。以前日本を旅行した際に、クールな日本建築に一目ぼれ。移住を視野に入れた家探しをしているといいます。
一軒目に紹介するのは築42年、床面積101平方メートル、680万円で売られている5DKです。
アレンさん
「この家のすてきなポイントは、手彫りの欄間(らんま)があるんですよ。これはふすまで仕切られてた部屋を換気をするためのものなんですよ。これがふすまですね」
ジェーンさん
「何が違うの?」
アレンさん
「障子は紙を貼った戸で、ふすまは布地でできたパーティション」
なかでも一番気に入ったのは和室からの眺め。「日本の原風景」を感じるといいます。
ジェーンさん
「ここは美しいわね。この部屋に座ってゆっくりできるわ。本当に美しいと思う」
そして、こちらは…。
アレンさん
「タイル張りの風呂場ですね」
ジェーンさん
「最高じゃない!普段はシャワーだけど、日本で温泉を知ってしまったわ。そこからお風呂にハマっちゃったの!」
そもそもジェーンさん、なぜ日本の空き家に興味を持ったのでしょうか。
ジェーンさん
「日本は素晴らしい造りの家が、なぜか安いの。古くて和室ってだけで評価されないのはとっても不思議だわ」
海外に比べ、質のいい家でも築年数が経つとかなり割安。また、大切に使われ、すぐに住める家が多いのも魅力だといいます。
日本の若者にはあまり人気がない和風の空き家ですが、ジェーンさんは興味津々です。
アレンさん
「砂壁と呼ばれるものですね。砂のしっくいみたいなものですね」
アレンさん
「KOTATSU!」
ジェーンさん
「初めて見たわ!めちゃくちゃクールね!」
アレンさん
「この障子のスペシャルなところは…雪見障子です!」
「ここから庭園を眺めるんです」
物件を巡るなかで、外国人ならではの感動ポイントも。築39年、床面積114平方メートル、750万円で売られている5LDKの物件です。
ジェーンさんが特に気に入ったのは、広いリビングからの景色です。
ジェーンさん
「この庭ビューティフルね!草が生い茂っていて、とってもキュート」
雑草が生えっぱなしの庭のようですが、ジェーンさんはこのように話します。
ジェーンさん
「庭の景観が計算され尽くしているわ。少なくとも計算して庭造りしているように外国人には見えるわ」
さらに、2階に上がると…。
ジェーンさん
「すてきな眺めね!周りを囲まれている感じがするわ。まるでギリシャみたい!」
ジェーンさんは、年内には住む家を決めたいと言います。
ジェーンさん
「空き家を買う準備は万全よ!」
■丈夫さに信頼…柱や梁はそのまま
今、世界中から注目されている日本の空き家。なかには自らリフォームを行い、日本の空き家に新たな価値を見いだす外国人もいます。
スウェーデン出身
アントン・ウォールマンさん(32)
「こんにちは!お邪魔してください。若林パークハウスに」
リフォーム作業、真っ只中だったのは、スウェーデン出身のアントンさん。本業は、日本でのモデル活動という32歳です。
現在、東京・世田谷区若林にある築45年の空き家をリフォーム。傷んでいた部分を取り壊し、基礎となる床や壁を張り替えています。
しかし2階部分はあまり手を入れず、そのままの形を残しています。
アントンさん
「1階は結構ガッツリなリフォームやってるんですけど、こういう日本の伝統的なところを残しつつ」
日本の家の良さを生かしながら空き家を新しく生まれ変わらせたいといいます。
その中でアントンさんが驚くのは、日本の木造建築の丈夫さ。補強はしますが、ほとんどの柱や梁はそのまま生かします。
その丈夫さで、こんなリフォームも。
アントンさん
「(Q.穴は空いてたんですか?)空いてなかったですね、1階のキッチンが暗かったから、これをやって開放感を作りたかったんで」
柱や梁を生かし、吹き抜けに。こうすることで、1階が暗かった日本家屋に日当たりと開放感ある空間を作りたいといいます。
でき上がったらここに住むのかと思いきや…。
アントンさん
「実は、ここ民泊をやるつもりです」
実はアントンさんは、これまで5軒の空き家を購入。それぞれリフォームし、民泊として活用しています。
■「新築だと古いところ入れられない」
その中で自慢の一軒というのが、三軒茶屋駅から徒歩5分。建て替えができない「再建築不可物件」ということもあり、1000万円で購入できたという、築87年の空き家です。現在は外国人客向けの民泊施設にしています。
アントンさん
「天井が高いんですね。吹き抜けにしたんです。7メートルの高さがあって」
散乱した荷物、古いシンクやガス台もすべて取り除き、およそ1000枚の白いタイルを貼り続けること3日間。古い台所は、明るい雰囲気の北欧風のキッチンになりました。
さらに荒れ放題だった中庭は、雑草を取り除き、憧れだった日本の露天風呂に。
アントンさん
「実は今、露天風呂なんですね」
「ここが天井にあった梁のあまりもので、シャワーを作りました」
傷んだ部分は補修しながらも、丈夫な柱はそのまま活用。
アントンさん
「古いところも残しつつ…。だって新築だと古いところ入れられないじゃないですか。そういう歴史的なところは残しつつ」
そして一番こだわった空間は、2階にあります。元々は和室だった部屋の天井、そして床をすべて取り外し、天井部分は柱や梁などが見えるようにしました。
そして天井はキッチンからも見えるよう吹き抜けにして、開放的な空間に作り替えました。
アントンさん
「見えるのもデザインになるから、これを残しています。日本の大工さんは、ほんとに素晴らしいと思います。ほんとに器用なんですよ、みんな」
アントンさんは今後も、日本の空き家を再生させていきたいといいます。
アントンさん
「ボロ物件を見つけて、かっこよくするのが好きなんです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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