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TBS系で毎週日曜日のお昼に放送している『アッコにおまかせ!』に、番組終了の報道が出た。
『WEB女性自身』(9月6日)によれば、2025年春で番組が終了予定であり、8月11日の放送でパリ五輪女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花選手に、MCの和田アキ子が「トドみたい」と発言して大炎上したことが大きな原因だと報じられている。
この報道に対して、X(旧Twitter)を中心としたSNSでは悲しむ声は少なく、当然だという冷めた意見が多数。それどころか、現在も放送があるたびに和田をはじめとする出演者の発言が切り取られ、批判の対象となっている。
今年の秋で40周年を迎える長寿バラエティとなるが、長寿番組といえば、『笑点』(日本テレビ系)や『徹子の部屋』(テレビ朝日系)のように国民に愛されている番組が多いが、なぜ『アッコにおまかせ!』だけが嫌われているのだろうか?
◆『アッコにおまかせ!』現在は時事ネタ企画がメインに
まず、『アッコにおまかせ!』はどんな番組なのか、改めて振り返ってみよう。1985年にスタートした『アッコにおまかせ!』は、情報バラエティ番組として原則は生放送のスタイルを取っている。
冠番組なので和田はMCとして放送開始時から出演し、サポートする形で司会として松尾貴史、生島ヒロシ、田中義剛がこれまで出演。現在は、峰竜太が4代目として長く司会を務めている。
さらに、番組進行役としてTBSのアナウンサーが加わり、「準レギュラー」というポジションで和田と仲の良い勝俣州和や竹山隆範、出川哲朗などが出演する布陣となる。
番組企画としてはゲストトークや生中継などさまざまなコーナーがあったが、ここ数年では「おまかせ!ニュースランキング」をはじめ時事ネタを取り扱う企画がメインに。番組名物と言われる超巨大パネルを使ってニュースを取り扱い、出演者が意見をぶつけ合うのが番組の定番スタイルとなっている。
◆和田アキ子のご意見番としての求心力が下がって番組も炎上しがちに
ワイドショーの色が濃くなって長い『アッコにおまかせ!』だが、何はなくても和田の発言がメインとして番組は展開していく。そのため、ネットでも失言として取り上げられるのが和田ばかりで、今回のトド発言のようなトラブルも引き起こしている。
では、そもそも和田はここ最近になって発言が過激になり、偉そうになったのだろうか?筆者は全ての放送回を見ているわけではないが、和田のスタンスはかなり前から変わっていないように思う。思ったことを口走ってしまうスタンスは定番だったし、昔は和田の過激で無責任な発言を、正直言えば視聴者が喜んでいたように感じる。
では、なぜここに来てネットで叩かれる番組になったのか? 大きな原因としては、ネットニュースとSNSの影響力が強くなったからだと考える。
『アッコにおまかせ!』は、和田の知名度の高さもありネットニュースは逐一発言を記事化する。主にスポーツ新聞のネット版が、和田や出演者の発言を切り取りして記事として配信。このニュースを見たネットユーザーが、番組を確認しないで脊髄(せきずい)反射で批判をSNSにアップするというのが定番となっている。
このサイクルが何年間も毎週続いたことで、ネットユーザーに取っては、和田は偉そうな発言をする老害というイメージが付き、番組自体もネットで嫌われるハメになってしまっているのではないか? ネットニュースを書く記者も、PVが取れるように炎上しそうな和田の発言を拾うことが多いように感じる。
そう考えると、『アッコにおまかせ!』はネットニュースとSNSが情報源になる国民も多い現在で、親和性の悪い番組だと言える。
◆若い世代が和田アキ子という存在にご意見番の説得力を感じない
さらに、番組の焦点となるのがMCである和田の存在だ。放送開始時点では、和田は歌手としてもバリバリとヒット曲を発表し、『NHK紅白歌合戦』でもおなじみの歌手だった。司会者としても各局でレギュラー番組を持ち、まさに芸能界を代表する存在の歌手・タレントとして活躍していた。
その勢いは年々衰え、現在ではタレントとして『アッコにおまかせ!』とラジオ番組『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』(ニッポン放送)がメインとなる。つまり、若い世代にとっては、テレビでは『アッコにおまかせ!』くらいでしか見かけず、歌手活動も以前ほど活発ではないので何をしている人なのかわからない大御所タレントなのだ。
そうなると、これまでは圧倒的な知名度と好感度で見過ごされてきた暴言も、許せないという声が大きくなってしまう。和田が言うなら納得できる…そんなご意見番としての説得力が一気に落ちてしまい、『アッコにおまかせ!』の発言が何かと叩かれるようになってしまったのではないだろうか。
ちなみに、芸人が和田の横暴さを語る飲み会や誕生会の被害も、いまエピソードとして番組で明かされたら炎上して叩かれる可能性がある。それだけ、和田に対して世間の目は厳しくなり、誰もが納得するご意見番としての力を失った。その結果、『アッコにおまかせ!』も問題が多くなってしまったのではないだろうか。
◆心機一転、YouTubeやネット番組に出演すべきでは
さて、何とも寂しい最後を迎える可能性が高くなってきたが、『アッコにおまかせ!』が本当に終了するなら、和田アキ子は今後はもっとYouTubeや配信番組に出演すべきだと思う。
これまで芸能界のご意見番として君臨した和田だが、もはや何をやってもネットで叩かれる存在。しかし、意外にもここ最近で好評になった仕事がある。それが、見取り図・盛山晋太郎とさらば青春の光がMCを務めるパチンコ番組『パーラーカチ盛り ABEMA店』(ABEMA)だ。
今年9月6日、9月13日に配信したこの番組へ、和田はスペシャルゲストとして出演。大興奮しながらパチンコをプレイし、その模様が面白すぎるとネットで話題を集めた。
そこには『アッコにおまかせ!』で見るような威圧感ある和田はいなく、かわいらしく出演者とはしゃぐ姿ばかり。正直、『アッコにおまかせ!』で見る和田より、何倍も輝いていたのは言うまでも無い。
一貫して歌手であることに誇りを持つ和田は、もうテレビはコリゴリだと考えているかもしれない。しかし、タレントとして活動を続けるのなら、地上波よりも気軽なネット配信番組やYouTubeに活路を見出すのが正解だと考える。
何にせよ、『アッコにおまかせ!』が報道通りに終了すれば、ほとんどのテレビ仕事を失うことになる和田。心機一転、新しいメディアに74歳で挑戦したら、下がり続けた好感度も大復活するのではないだろうか?
<文/ゆるま小林>
『WEB女性自身』(9月6日)によれば、2025年春で番組が終了予定であり、8月11日の放送でパリ五輪女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花選手に、MCの和田アキ子が「トドみたい」と発言して大炎上したことが大きな原因だと報じられている。
この報道に対して、X(旧Twitter)を中心としたSNSでは悲しむ声は少なく、当然だという冷めた意見が多数。それどころか、現在も放送があるたびに和田をはじめとする出演者の発言が切り取られ、批判の対象となっている。
今年の秋で40周年を迎える長寿バラエティとなるが、長寿番組といえば、『笑点』(日本テレビ系)や『徹子の部屋』(テレビ朝日系)のように国民に愛されている番組が多いが、なぜ『アッコにおまかせ!』だけが嫌われているのだろうか?
◆『アッコにおまかせ!』現在は時事ネタ企画がメインに
まず、『アッコにおまかせ!』はどんな番組なのか、改めて振り返ってみよう。1985年にスタートした『アッコにおまかせ!』は、情報バラエティ番組として原則は生放送のスタイルを取っている。
冠番組なので和田はMCとして放送開始時から出演し、サポートする形で司会として松尾貴史、生島ヒロシ、田中義剛がこれまで出演。現在は、峰竜太が4代目として長く司会を務めている。
さらに、番組進行役としてTBSのアナウンサーが加わり、「準レギュラー」というポジションで和田と仲の良い勝俣州和や竹山隆範、出川哲朗などが出演する布陣となる。
番組企画としてはゲストトークや生中継などさまざまなコーナーがあったが、ここ数年では「おまかせ!ニュースランキング」をはじめ時事ネタを取り扱う企画がメインに。番組名物と言われる超巨大パネルを使ってニュースを取り扱い、出演者が意見をぶつけ合うのが番組の定番スタイルとなっている。
◆和田アキ子のご意見番としての求心力が下がって番組も炎上しがちに
ワイドショーの色が濃くなって長い『アッコにおまかせ!』だが、何はなくても和田の発言がメインとして番組は展開していく。そのため、ネットでも失言として取り上げられるのが和田ばかりで、今回のトド発言のようなトラブルも引き起こしている。
では、そもそも和田はここ最近になって発言が過激になり、偉そうになったのだろうか?筆者は全ての放送回を見ているわけではないが、和田のスタンスはかなり前から変わっていないように思う。思ったことを口走ってしまうスタンスは定番だったし、昔は和田の過激で無責任な発言を、正直言えば視聴者が喜んでいたように感じる。
では、なぜここに来てネットで叩かれる番組になったのか? 大きな原因としては、ネットニュースとSNSの影響力が強くなったからだと考える。
『アッコにおまかせ!』は、和田の知名度の高さもありネットニュースは逐一発言を記事化する。主にスポーツ新聞のネット版が、和田や出演者の発言を切り取りして記事として配信。このニュースを見たネットユーザーが、番組を確認しないで脊髄(せきずい)反射で批判をSNSにアップするというのが定番となっている。
このサイクルが何年間も毎週続いたことで、ネットユーザーに取っては、和田は偉そうな発言をする老害というイメージが付き、番組自体もネットで嫌われるハメになってしまっているのではないか? ネットニュースを書く記者も、PVが取れるように炎上しそうな和田の発言を拾うことが多いように感じる。
そう考えると、『アッコにおまかせ!』はネットニュースとSNSが情報源になる国民も多い現在で、親和性の悪い番組だと言える。
◆若い世代が和田アキ子という存在にご意見番の説得力を感じない
さらに、番組の焦点となるのがMCである和田の存在だ。放送開始時点では、和田は歌手としてもバリバリとヒット曲を発表し、『NHK紅白歌合戦』でもおなじみの歌手だった。司会者としても各局でレギュラー番組を持ち、まさに芸能界を代表する存在の歌手・タレントとして活躍していた。
その勢いは年々衰え、現在ではタレントとして『アッコにおまかせ!』とラジオ番組『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』(ニッポン放送)がメインとなる。つまり、若い世代にとっては、テレビでは『アッコにおまかせ!』くらいでしか見かけず、歌手活動も以前ほど活発ではないので何をしている人なのかわからない大御所タレントなのだ。
そうなると、これまでは圧倒的な知名度と好感度で見過ごされてきた暴言も、許せないという声が大きくなってしまう。和田が言うなら納得できる…そんなご意見番としての説得力が一気に落ちてしまい、『アッコにおまかせ!』の発言が何かと叩かれるようになってしまったのではないだろうか。
ちなみに、芸人が和田の横暴さを語る飲み会や誕生会の被害も、いまエピソードとして番組で明かされたら炎上して叩かれる可能性がある。それだけ、和田に対して世間の目は厳しくなり、誰もが納得するご意見番としての力を失った。その結果、『アッコにおまかせ!』も問題が多くなってしまったのではないだろうか。
◆心機一転、YouTubeやネット番組に出演すべきでは
さて、何とも寂しい最後を迎える可能性が高くなってきたが、『アッコにおまかせ!』が本当に終了するなら、和田アキ子は今後はもっとYouTubeや配信番組に出演すべきだと思う。
これまで芸能界のご意見番として君臨した和田だが、もはや何をやってもネットで叩かれる存在。しかし、意外にもここ最近で好評になった仕事がある。それが、見取り図・盛山晋太郎とさらば青春の光がMCを務めるパチンコ番組『パーラーカチ盛り ABEMA店』(ABEMA)だ。
今年9月6日、9月13日に配信したこの番組へ、和田はスペシャルゲストとして出演。大興奮しながらパチンコをプレイし、その模様が面白すぎるとネットで話題を集めた。
そこには『アッコにおまかせ!』で見るような威圧感ある和田はいなく、かわいらしく出演者とはしゃぐ姿ばかり。正直、『アッコにおまかせ!』で見る和田より、何倍も輝いていたのは言うまでも無い。
一貫して歌手であることに誇りを持つ和田は、もうテレビはコリゴリだと考えているかもしれない。しかし、タレントとして活動を続けるのなら、地上波よりも気軽なネット配信番組やYouTubeに活路を見出すのが正解だと考える。
何にせよ、『アッコにおまかせ!』が報道通りに終了すれば、ほとんどのテレビ仕事を失うことになる和田。心機一転、新しいメディアに74歳で挑戦したら、下がり続けた好感度も大復活するのではないだろうか?
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/item/neta/12194-3403830/