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真夏に急増“レジャー密漁”あきれた言い訳も 闇に紛れ何が? 海産物を守る最後の砦【Jの追跡】【スーパーJチャンネル】(2024年9月7日) -芸能ニュース/炎上まとめ

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日本の海産物を守る最後の砦。海上保安庁。密漁者たちのあきれた言い訳。真夏に急増する「悪質な密漁」を追います。

■行楽シーズン レジャー密漁が急増

 高級食材のイセエビや肉厚で歯ごたえ抜群旬のアワビなど、海の幸の宝庫、房総半島のとある海水浴場。

保安官
「銚子海上保安部です。これは何の貝ですか?」

男性
「…アサリかな」

保安官
「アサリじゃないと思いますけど」

 この海岸ではとることが禁止されているハマグリとコタマガイが合計6キロもありました。

保安官
「違反ですね」

男性
「これが違反だというのは、申し訳なかったと思うけど、全然分からないので」

保安官
「そう思うならやらなきゃいいんじゃないですかね」

 とることが禁止とは知らなかったといいますが、検挙され、海上保安部で話を聞くことになりました。

 日本のほとんどの海岸では漁業権が設定され、対象の貝や海藻、イセエビなどの密漁は100万円以下の罰金が科されます。

 しかし、行楽シーズンの夏にはレジャー感覚でついついとってしまう、いわゆる「レジャー密漁」が急増するといいます。さらに、大量な密漁や組織的な悪質なケースも後を絶ちません。

■密漁多発地帯 勝浦エリア

 なかでも、千葉県内で検挙数が多く“密漁多発地帯”ともいえるのが勝浦エリア。

 この日、保安官たちが向かったのは海が一望できる高台。指揮を執る田代班長の下、違反者を発見する担当、証拠をカメラで抑える担当など分担し監視します。

 勝浦エリアで密漁が多い理由の一つが、数十キロにわたり高い崖や深い入江などが続く死角が多いためだといいます。

 潮が引く時間に密漁者が現れるといいますが、崖下の岩場に若い男性3人組と、麦わら帽子を被った高齢の男性の姿があります。

取材スタッフ
「(岩を)ひっくり返してる」

 すると、なんとウニをその場で食べたのです。

取材スタッフ
「食べてるんじゃないですか。ウニを割ってなめてるんじゃないですか」

 一方、高齢の男性は。

保安官
「トコブシみたいなの左のポケットに入れたね。よし、じゃあ行こうか」

 しかし、崖下に降りるための階段がありません。見ると、鉄柵に取り付けたロープがあります。ここから崖下に降りたようです。保安官もそのロープを使って、けもの道のような急な坂を下りていきます。崖下に降りて声を掛けます。

保安官
「こんにちは、すみません。海上…。どうした?どうした?」

男性
「いやいや、違います」

 声を掛けた瞬間、突然、踵を返す男性。

男性
「いやいや、違います」

保安官
「まぁ落ち着きましょう」

 男性3人組は地元の友達同士で20代。

保安官
「何に使うつもりでとったんですか?」

男性
「今から勝浦の海に釣りに行こうと思って、貝を餌(えさ)にしようと思って」

保安官
「とったのは何ですか?」

男性
「この貝は『トコブシ』です」

保安官
「知ってるでしょ?地元の人なんだから」

男性
「すぐに逃がします。本当にすみません」

 とっていたのは、ウニ4個とトコブシ8個。

保安官
「バレなかったら持って帰ろうとしていたんでしょ?バレたから返しますって言っているんでしょ?」

男性
「いや本当に、砂浜で成果として写真を撮って逃がそうと本当に思ってました」

保安官
「お兄さん、それやめよう。だって今『釣りの餌にする』って。さすがにそれを信じるほど馬鹿じゃないから」

男性
「今すぐこれは逃がして元に戻すので、今回は許してほしいです」

 何とか「許してほしい」と訴える男性ですが…。

保安官
「私たちも見た以上はこのまま良いですと言って終われません。協力して下さい」

 3人は密漁を認め、検挙。さらに先ほど崖下にいた高齢の男性が、あのロープを使って上がってきたところで声を掛けます。

保安官
「かばんとか見させてもらってもいいですか?」

70代男性
「ダメだよ」

保安官
「何でですか?持ってるからでしょう?」

 ようやくかばんを開けると、中からは高級食材のトコブシやサザエが次々と出てきました。

保安官
「うわ。いっぱい入ってるよ」

 トコブシ45個にサザエ2個など1万5000円相当。千葉県では使用禁止の特殊な器具も使っていました。

男性
「酒のつまみ。それが大好きなの。これ持っていけないの?なんで?いっぱいとっちゃったのに」

保安官
「これは全部海に返します」

 「密漁だとは思わなかった」と言いますが、すぐ後ろには密漁を警告する看板もあります。

男性
「すごいな、俺こんなにとったんだ」

保安官
「大変なことになっちゃうから」

 この男性と、先ほどの20代の3人組とも漁業法違反として検挙。この後取調べを受けますが、100万円以下の罰金の可能性があります。

■アワビ密漁、罰則強化「3000万円以下の罰金」

 そして今、深刻なのが“黒いダイヤ”高級食材「アワビ」の密漁。暖かくなると大量にとられるケースも増えます。実はこの周辺では温暖化の影響か、アワビの漁獲量が減っています。

アワビ漁師 鈴木良太郎さん
「ここ10~15年で漁獲量は3分の1。その中でさらに密漁されてしまうと生活も苦しくなる」

 そのため漁協では毎年、アワビの稚貝を海に放流。海の中で数年間をかけて育てているのです。

勝浦漁業協同組合 渡辺和明さん
「お金をかけて育てているものだから、密漁されるのが一番悔しい」

 アワビが狙われるのが、勝浦に多い岩場のある小さな海岸。この時期はレジャー客が多く紛れやすいといいます。

 この日「怪しい男性がいる」と通報を受け、監視する保安官。

保安官
「いま潜った」
「同じ所で何かを狙っている」

 30分近く何度も海に潜る男性。

保安官
「上がってきますよ。何か抱えてますね。怪しいですね」
「すいません、海上保安庁なんですけども。とったもの見せてもらえる?」
「正直に認めてもらえる?見てるんだよ」
「分かる?自分で言ってくれる?」

40代男性
「海に潜って…」

 口ごもる男性。

男性
「無意味なことは分かっているんですけど、1分か2分時間ください」

 長い沈黙の理由には男性の過去が関係していました。

男性
「実は前に1回検挙されたことがあるんですよ」

 男性は9年前、同じ海岸で密漁し10万円の罰金刑が課せられていました。

保安官
「アワビね」

 大きなアワビが2個、14センチと12センチのアワビは合わせて1万円相当。検挙され、取り調べを受けることになりました。

 特にアワビやナマコなどの密漁は、3年以下の懲役または3000万円以下の罰金と、罰則強化されています。

■禁漁期間の「イセエビ」密漁

 さらに今、漁師が憤っているのが、産卵期で禁漁期間中の「イセエビ」の密漁です。

イセエビ漁師
「全部イセエビがいるんだからこの中。今は禁漁だからとっちゃいけない期間」

 資源保護のための禁漁期間、密漁は大きなダメージになります。

イセエビ漁師
「漁師も命かけてやってるから」

 イセエビの密漁が多いのは夜間です。銚子海上保安部の保安官がこの日も取り締まりに行きます。

 昼間と変わり、暗闇に包まれた漁港。立ち入り禁止エリアに光が見えました。

保安官
「こんばんは。海上保安庁。エビはとってないですね?」

女性
「とってない」

保安官
「クーラーボックス拝見していいですか?」

 そこにいたのは30代の男性と母親、そして親戚の3人組。「イセエビはとっていない」と即答したのは男性の母親。ところが…。

保安官
「何ですか、これは一体?」

 中には大きなイセエビが2匹。隣のバケツにも3匹がいました。一番大きいものは27センチ、5000円以上に相当します。

保安官
「嘘ついたじゃないですか。さっき何も釣ってないって」
「お母さん嘘ダメだよ」

 すると…。

保安官
「釣ったやつ教えて下さい」

母親
「全部です。いいですよ、だから全部私で」

保安官
「そういうことじゃなくて」

母親
「全部いいですよ」

 息子をかばうためか「すべて自分で釣った」と話す母親。

母親
「私が(全部)釣りました。この人らは関係ないから帰してもいいですよね」

 しかし、保安官はこう話します。

保安官
「僕ら見てるんですよ。釣れてるのも入れてるのも見てる」

 3人は密漁を認め、検挙。取り調べのため海上保安部へ。

 密漁が横行する夏。海上保安官はきょうも取り締まりを続けています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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