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■音楽でファンを被災地に
結成30周年を迎えたロックバンド『BRAHMAN』のボーカル、TOSHI-LOWさん(49)。金沢市のホールで音楽ファンを魅了したライブの翌日、その姿は輪島市門前町にありました。被災地のボランティア活動で、ビーチクリーンを行っていたのです。
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「まだガレキの山を片付けるのが先決なのは分かっているけど。どうせ残されちゃうところだから、端からやっていっても真ん中からやっていっても結局一緒」
TOSHI-LOWさんのもう一つの顔。復興支援を行うNPO団体『幡ケ谷再生大学【復興再生部】』の代表です。東日本大震災の時、支援物資を届けたことから社会とのつながりを感じ、この活動を始めました。
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「自分の地元・茨城も被災地というか“隠れ被災地”みたいになって。自分で動いた時に当事者というか、近くになってみないと分からないなと。自分の大きさ・本質みたいなものが自分でも透けて見える。だって、かっこつけたって何したって通用しないし」
以降、熊本地震、西日本豪雨など、日本を自然災害が襲うたびに支援活動を行っています。これまで活動に参加したのは13年で1万人以上。参加者の多くは…。
名古屋から前日のライブに参加した人
「(Q.昨日のライブは)行きました。大好きな音楽をしている人たちがやっていることが身近に感じる」
石川・津幡町から前日のライブに参加した人
「こうやって人が集まってくれるのは助かる。うれしい」
音楽ファンと被災地をつなぐ取り組みに、この日は全国から40人が集まりました。訪れた先に「自主練」と呼ばれる支部を作り、被災地とつながり続けることも特徴の1つです。
約2時間の作業で、ゴミは3トントラックいっぱいに。作業の後は参加者“全員”で食事。
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「自分たちができることって、場を作ることだと常々思っている。同じ釜の飯を食う仲間の意識があった方が張り合いも出るし楽しくなる」
■“息の長い支援”支える言葉は
居合わせた被災者と“つながり”が生まれることも。
クリーニング店を営む 高峯朗さん(65)
「世間話で(再建は)どうする?と聞くと『絶対やるわ』という人は4~5軒」
輪島市でクリーニング店を営んでいる高峯さん。店舗は輪島朝市のすぐ側にありました。
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「どうするんですか?お店は」
クリーニング店を営む 高峯朗さん
「外壁直して住もうかなと思っている」
人口流出が急速に進む輪島市。“故郷に残る”か、“離れて”新しい場所で生活を再建するか、多くの人が選択を迫られています。
クリーニング店を営む 高峯朗さん
「ここ来ると何か時が止まったような感じだけど、何かきれいになってきたし、動かなくちゃって」
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「お手伝いできることあったらさせてください」
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「東日本大震災の津波の街も見てきたので、復興が思っていたよりは早くないというのは分かるんですけどね。それにしてもちょっと、その時とは違う。こんなに忘れるのが早いんだと思って」
市の社会福祉協議会によると、震災から8カ月たった今でもボランティアの依頼は1日15~20件に上ります。求められるのは息の長い“つながり続ける支援”。専門技術を持つ別の団体と連携した活動も行っています。
活動を始めて10年以上。被災した人から何度もかけられた言葉がありました。
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「大変な目にあった人たちが一番言うのが『また来てね』なんですよ。自分たちもそれが『また来ていいんだ』ってなって。それがやっぱ1個のつながり。(被災した人が)『今こうして街がグチャグチャなのが悲しいんじゃない。それを忘れられることが一番悲しい。自分たちの存在がもうなかったように思われる』」
■観光業「絶やさないように」
心に残る「また来てね」。この能登にも再び会いに行った人がいました。能登島で民宿を営む、石田直人さん(40)。今年1月、子どもたちに向けて支援物資を届けた時に出会いました。
7月末、約半年ぶりに観光客の受け入れができるようになったといいます。しかし、島の宿泊施設26軒中17軒が、夏の観光シーズンまでにそれを叶えることができませんでした。復興事業者とボランティアだけでなく、一般観光客を受け入ることが課題の1つです。
民宿『山水荘』石田直人さん
「みんながみんな(営業を)まだやらなかったら、地域として終わってしまう。人も減るし、観光客も来なくなったら地域が死んでしまうので、僕らはそれを絶やさないように頑張っていこうと思います」
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「前に能登島でやってた音楽フェスやるって言ってたじゃん」
民宿『山水荘』石田直人さん
「やりたいんですけど」
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「やってよ。呼んでよ」
民宿『山水荘』石田直人さん
「この間も企画したんですけど、予算が通らなくて」
■“できることをできるだけ”
“つながり”を生むTOSHI-LOWさんの支援。
BRAHMAN TOSHI-LOWさん
「俺たちみたいに街を回る旅人みたいな職業の中でもできることもある。ライブに来たその足でちょっと参加できることがあってもいい。観光とかもそうじゃないですか。やっぱり足を運ぶとか。全部“たまたま”でいいと思う。たまたま近くにいたんで、たまたま大変だと思うんで『大丈夫ですか?』っていったら、大変なら『じゃあ手伝います』みたいに、ちょっと手を出してみるとか。それぐらいでいいと思うんですよね」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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