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■おいしいカツオ 見極めのポイントは?
次々と水揚げされるカツオ。先週、宮城県の気仙沼漁港では、青森沖などで取れたカツオ63トンが水揚げされました。
仲買人
「(Q.今季は量的にどうか?)いいと思います。非常にいい状況です」
例年のこの時期、気仙沼漁港でとれるカツオは身が締まっていて、あっさりとした味わいが特徴です。しかし、今年のカツオは…。
第18清福丸 水谷数也漁労長
「秋にとれるような脂の乗ったカツオ“戻りガツオ”。(それが)今とれる、脂の乗ったのが」
天龍丸 岡本茂漁労長
「この時期に、こんなに脂の乗ったカツオが釣れるのは、今まではあまりない」
秋にとれる「戻りガツオ」のように脂の乗ったカツオが水揚げされているというのです。
都内の鮮魚店でも、気仙沼港で水揚げされた脂の乗ったカツオが並んでいました。
カツオを購入した客
「おいしい。特に腹の方。脂の乗りがいい。いつも今ごろだと。(脂は)あんまりないからね」
カツオを購入した客
「きょうは、とてもおいしそうなので、買ってみようかなと。普段とどう違うのか気になります」
身の質が良いことに加え、値段も例年より200円近く安いといいます。
魚河岸 中與商店 武蔵小山店
山崎進一チーフ
「まさに今年のカツオは『とろがつお』と言っても間違いないくらい、脂乗りの強いカツオ。脂乗りが非常に良くて、かつ値段もそこそこ安いというのは記憶にないですね」
おいしいカツオの見極めのポイントは、身に白い部分が多いものが脂が乗ったカツオなのだそうです。
■脂乗った理由…青森沖「暖流の渦」成長か
おいしいうえに、家計にも優しい季節外れの「戻りガツオ」。提供している居酒屋で食べてみると、脂の甘味もあり、カツオの旨味をしっかり味わえる絶妙のバランスです。
産地にこだわらず、その時にいいものを仕入れるようにしているというオーナーはこう話します。
三田魚介センター 山下公美雄オーナー
「ここのところずっと気仙沼(のカツオ)がいいですね」
本格的な夏の到来を前に、なぜ「戻りガツオ」のような脂の乗ったカツオが水揚げされているのでしょうか?専門家はこう話します。
水産資源研究所 青木良徳主任研究員
「黒潮から温かい水が北に行って、(カツオも)その温かい水に乗って、そのまま北に行く」
日本列島の沿岸を流れる暖流「黒潮」に乗ってやってくるカツオ。ところが、この海流が今年は例年と比べて北上し、青森沖で「暖流の渦」が発生しているといいます。
青森沖は餌(えさ)が豊富な海域で、そこにできた「暖流の渦」の中に、カツオが閉じ込められているというのです。
青木主任研究員
「カツオは冷たい所が苦手。結果的にカツオが生息できる分布・深度がどうしても表層に限られる。餌がたくさん食べられる。運動量も比較的抑えられる。脂が乗っているということ。“メタボ”みたいな感じで脂が乗りやすいと」
■カツオ乱獲で「成長サイクル変化」
一方で、この時期の「戻りガツオ」の発生について別の専門家はこう話します。
日本カツオ文化研究所 二平章代表
「この現象は、カツオの資源が全体的に少なくなってくる状況と同時に起こった。生活サイクルを早めに産卵に向けようという個体が増えてきている」
近年、乱獲が進んでいるカツオ。その影響で一部のカツオの成長サイクルが変化し、早めに産卵に備え、栄養を蓄えたカツオが現れ出しているといいます。
二平代表
「おいしいカツオが食べられる現象はあるが、資源がそういう状況になっていることは、決して喜ばしいことではない」
(「グッド!モーニング」2024年7月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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