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Their Majesties the Emperor and Empress Visit the Land of Memories: The UK.
■「歓迎ムード」 イギリス訪問
車を降り手を振られる陛下に、集まった人々がスマホのカメラを向けます。イギリス到着後、陛下は日本文化を発信する施設を最初の視察先として訪問されました。建物の外には、陛下を歓迎する多くの人が集まりました。
陛下は、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県の輪島塗などをご覧になられます。その後、陛下は様々な分野で活躍するイギリスに住む日本人と懇談されました。
イギリスの人々も、陛下の訪問を喜びます。
イギリス人
「ようやく国賓として来られ、滞在中に多くの人と会われることはとても良いことです」
日本時間23日、およそ14時間半のフライトを経て、天皇・皇后両陛下がイギリスに到着されました。
天皇陛下は白いシャツに水色のネクタイ、皇后・雅子さまは天皇陛下のネクタイとおそろいの色の洋服に身を包み、タラップを降りていきます。体調を考慮しながらのご訪問となった雅子さまも、出迎えに笑顔で応えられます。
両陛下が宿泊されるホテルの前では、多くの人が到着を一目見ようと待ち構えています。国旗を手にしている人や、現地の人の姿も。100人以上が集まる「歓迎ムード」。そして…。
沿道に集まった人に笑顔を見せて手を振られる雅子さま。陛下も合わせて、手を振られます。
関係者によると、両陛下を乗せた車は、25日に晩餐(ばんさん)会が行われるバッキンガム宮殿の前を通るなど、予定よりも時間をかけてホテルに到着したといいます。
観光客
「日本国旗を見てインターネットで調べて、両陛下の訪問を知りました。日本のロイヤルファミリーを見られるなんて興味深いです」
天皇陛下
「現在、英国とは経済、文化、科学、技術、教育など幅広い分野において緊密な協力関係を構築するに至っていますが、その影には戦争の傷を癒やすために両国の人々が地道に積み重ねた努力があったことを忘れることはできません。今回の訪問を契機として、日英両国がこれまでに重ねてきた交流の歴史を踏まえながら、友好親善がさらに深まることを願っております」
今回の訪問に先立ち、「日本とイギリスの戦争の歴史に触れ、友好関係を深めたい」と語られた天皇陛下。実はそれだけではなく…。
天皇陛下
「今回の訪問で初めて雅子と一緒に、オックスフォードのマートンコレッジやベイリオルコレッジなど、市内を散策することを心待ちにしております」
両陛下にとってイギリスは、それぞれが留学生活を送った思い出深い場所なのです。
■両陛下“思い出の地”
天皇陛下がイギリスのオックスフォード大学に留学していた当時の映像です。陛下は23歳から25歳まで、2年4カ月にわたってイギリスに留学されました。
天皇陛下
「広く世界に学ぶということに大きな意義を見い出しています。英国修学中は英国はもとより、ヨーロッパの各地を旅行して、多くの方々と多くの場を通して接触して、ヨーロッパの歴史それから文化に触れ、あわせてヨーロッパという離れたところから日本を見つめてみたいと思っています」
皇后・雅子さまも外務省時代にオックスフォード大学に留学され、2年間国際関係論を学ばれました。
留学中の天皇陛下は、他の多くの学生と同じように自転車で移動されることもありました。オックスフォードの街は一方通行の道や、駐車禁止の場所が多いため、自動車よりも自転車の方が便利だといいます。
陛下が初めて自転車に乗られた時には、ある学生から「ああ、君もこれで本当のオックスフォードの学生になったね」と言葉を掛けられました。
■身の回りのことはすべて自分で…
留学中、陛下の生活の場は、8畳ほどの書斎と、寝室、専用の浴室がついた大学の寮です。
机の上には本棚。資料を書き写した大量のカードを使い、テムズ川の水運についての研究を進めます。一方、部屋には当時20代、等身大の陛下が感じられる部分も。
自分の部屋について
「テムズとともに 英国の二年間」
徳仁親王・紀伊國屋書店刊
「まったく自分の意志のまま使えるのはいいものである」
自分の思うように装飾されたという部屋。壁には、大量のスプーンが飾られています。実はこれは留学中陛下が旅行された各地のお土産。
他にも日本とイギリスの地図や、女優ブルック・シールズのポスターも貼ってありました。ちなみに、陛下は後にご学友らの計らいでブルック・シールズ本人と対面。短い間ですが、握手を交わし談笑されました。
天皇陛下
「やっぱりきれいな方ですね。とても。まさか会えるとは思わなかったですから」
寮生活の取材中にはこんなシーンも。3階の自室の窓から顔を出される陛下。すると、報道陣から「椅子を持ってきて、上に立っていただけませんか」とお願いが…。
陛下は快く応じられ、上半身が見えるようにカメラサービス。洋服店では、買い物をされる場面も。
店員
「サイズは42です」
天皇陛下
「42だと私には大きすぎますね。私のサイズは36です」
店員と英語でやりとりしながらご自分で服を選び、ポケットから財布を取り出して、支払いもご自分でされます。留学中はシャツにアイロンをかけるなど、身の回りのことをすべて自分で行われていました。
■“思い出の味”も…
一方、留学中の皇后・雅子さまの様子は…。当時を知る女性が取材に応えてくれました。
雅子さまのご学友
土地陽子さん
「お会いした雅子さまは、とてもよく日に焼けていらっしゃって。お元気そうで、とても楽しそうだったんです」
ご学友の土地さんは、自身がオックスフォード留学を考えていた時、先に留学していた雅子さまに現地を案内してもらったといいます。しかし、実は雅子さまは試験を控えた大事な時期。
土地さん
「『中華料理はどう』ということになって、楽しく一緒に食事をした後、二次会に行きましょうかという感じではあったんですけれども、雅子さまは『私は勉強があるのでごめんなさいね』と言って一足先に寮に引きあげられた。本当に試験勉強の真っ最中でもあったので、わざわざ出てきてくださって、色々と案内してくださって、本当にありがたかったと思います」
雅子さまが連れて行ってくれたという中華料理店の店主はこのように話します。
中華料理店 店主
シェーマン・チェさん
「雅子さまには何度かお目にかかりました。友達と北京ダックなどを食べられていました」
実は、この店主の店に通われたのは雅子さまだけではありません。
チェさん
「ああ、天皇陛下だよ。麻婆豆腐とライスがお好みでした」
両陛下ともに通われた“思い出の味”。
土地さん
「日本のいろいろな制約から離れて、自分自身のアイデンティティにつながるような原体験を持たれたのではないか」
■「人生の糧」
天皇陛下は「食事の場は貴重な交流の機会だった」と会見でも触れられています。
天皇陛下
「当時、私が弦楽四重奏のグループを作ることができたのも、朝の食堂での一学生との出会いがきっかけでした」
ご学友のフィリップ・ウィットモアさん。陛下の留学が終わった後も、手紙をやりとりする仲です。
ウィットモアさん
「彼が室内楽を演奏したいと熱望し、すぐにそれが実現したのです」
天皇陛下
「イギリスとヨーロッパでの経験は、私にとって人生の糧になると確信しています。特に滞在中にできた多くの友人たちに感謝します」
両陛下のイギリス訪問。公式訪問は8日間の日程で、歓迎式典やバッキンガム宮殿での晩餐会のほか、オックスフォードも訪れる予定です。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月24日放送分より)
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