２０日、イラン北西部の墜落現場で捜索活動を行う救助隊＝ＡＰ

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　【テヘラン＝吉形祐司】イランのエブラヒム・ライシ大統領らが乗ったヘリコプター墜落に関して、軍参謀本部の調査委員会は２３日、１次報告書を公表した。ヘリの残骸に弾痕はなく、墜落後に炎上したと指摘した。イスラエルとの間で報復攻撃が続いた直後の事故だったことから、攻撃された可能性をまず否定したとみられる。

　国営通信などが伝えた報告書によると、ヘリは事前の計画通りに飛行し、ルートからも外れていなかった。大統領の搭乗機は事故の約１分３０秒前、他の２機のヘリと交信があったという。

　報告書は、▽ヘリは（山の）高い位置に衝突した後に炎上した▽管制塔と乗組員の会話に不審点はない——とも指摘した。調査委は結論を公表する方針だが、確定に時間がかかるという。

　地元メディアは、墜落したヘリが１９６０年代後半に開発された米国製「ベル２１２」と伝えている。米国の制裁下のイランでは部品調達が困難で、維持管理の問題を指摘する声もある。