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■“引っ越し困難者”7社に断られ「寝袋で寝るしか」
長崎から上京
春から新社会人(22)
「(引っ越し業者の)日程が繁忙期だから埋まっていて」
この春、就職のため長崎から上京してきた女性。引っ越し業者に頼んだ荷物の配送が、予定を過ぎても届きませんでした。
長崎から上京
春から新社会人(22)
「電化製品が届くのは遅くなりました」
春から新社会人
「私も。冷蔵庫と洗濯機なしで生活していて」
家電や家具が一切ない“殺風景な部屋”。荷物が届くまで2人ともこの状態で暮らしていたといいます。
転勤や新社会人になる人などで、1年で最も引っ越しをする人が多いこの時期。コロナ禍が一段落したことで、今年は例年以上に“引っ越し困難者”が増えています。
北海道から上京 “引っ越し困難者”(20代)
「ありがとうございます。失礼します」
「『もう無理』って言っていましたね、3月は」
先月始めに急きょ転職が決まり、北海道から上京する男性。4月から新天地での仕事が始まるため、3月中の引っ越しを目指していましたが…。
“引っ越し困難者”
「あるとしても、40~50万円(通常の約5倍)になるので。宅配便で送った方が良いですよと言われました」
これまで7つの業者に問い合わせをしていますが、“人手不足”などを理由に断られ続けています。
見かねた不動産業者が、引っ越し業者に問い合わせをしてくれることになりました。
“引っ越し困難者”
「1社ほど2日後に見積もりの依頼をして頂けるということだったので。それが最後の望みかなと。寝袋を買って寝るしかないのかな」
しかし、スケジュールが合わず、男性はいったん荷物を実家に預けることにしました。
“引っ越し困難者”
「自分が“引っ越し困難者”なるとは思っていなかった」
4日、改めて連絡してみました。
“引っ越し困難者”
「4月以降なら大丈夫との話で、ちょうど単身分の段ボールだけだったら、他の荷物の人と一緒に詰めて行けるよという良い条件があったので、(業者の手配が)できた」
それでも引っ越し費用はおよそ20万円と、通常の2倍ほどかかったといいます。
結局、男性は荷物が届くまでホテルで生活することになりました。
“引っ越し困難者”
「出費は痛いですが、4月が始まるということで、仕方ない出費かなと思っています」
かたや業者側も、悲鳴を上げていました。
■引っ越し1日4件…「できるだけ早く」業者フル回転
関東を中心に引っ越しを請け負う「KIZUNA引越センター」です。
KIZUNA引越センター 岩崎翔さん(24)
「1年で一番忙しい時期になりまして、だいたい1チームで(1日に)4~6件回らせて頂いている状況」
この日、午前6時半ごろ会社に出勤した岩崎さんら。4件分の依頼伝票を受け取り、午前中に2件の引っ越しをこなしました。
3件目の依頼人は、春から新社会人になる女性。東京・八王子市から職場近くの千葉県船橋市に引っ越します。
依頼人 春から新社会人(22)
「(Q.引っ越し業者はすぐ見つかった?)3社ぐらい電話して、見積もりも色んなところに出したけど、いっぱいのところが多くて」
女性も引っ越し業者がなかなか決まらず、4社目でようやく決まりました。
部屋にある30箱近い段ボールの他、テレビ・冷蔵庫・洗濯機などの大型家電を手際よく運び出す引っ越し業者。この日は引っ越しを4件抱えているため、時間との勝負です。
業者
「お手伝いしてもらっても良いですか?」
依頼人の父
「はい」
業者
「これ布団を入れる袋になっているので、入れといてもらえると助かります」
依頼人
「分かりました」
わずか20分で荷物を運び出し、引っ越し先の船橋市に向けて出発します。
この日すでに3件目の引っ越し。さらに夕方にも1件、依頼が入っています。
業者
「ちょっと疲れたよね」
業者
「2時じゃん、やべぇな」
業者
「向こう着くの4時だよ。(次は)何時アポ?」
しかし、祝日のこの日、道路は混雑状態です。
業者
「腹減ったなー」
業者
「コンビニ寄れば」
繁忙期はお昼休憩を取る時間がなく、コンビニで買って済ませることも少なくないといいます。
引っ越し先のアパートに到着すると…。
業者
「段ボール、どの辺に置かれます?」
依頼人
「この辺にお願いします」
このアパートにはエレベーターがないため、大きな段ボールを抱え、3階まで何度も走って往復します。
依頼人
「どうしても3月20日(退去3日前)までに引っ越しをしなきゃいけなくて。やばいなって思っていたんですけど、(間に合って)良かったです」
岩崎さん
「日々時間に追われている形なので。次のお客様の枠がだいたい何時から何時と決められていますので。できるだけ早く」
午後5時前、荷物の搬入を終えると、足早に次の現場へと向かいました。
■「1日400~500件」問い合わせ殺到…2024年問題も
KIZUNA引越センター 遠藤充営業部長
「3月で受注させて頂いている件数が今、2000件弱ぐらいなんですけど。弊社の方で過去最高の件数になっています」
こちらの引っ越し業者は、例年に比べ見積もり件数が1.2倍に増加。依頼を断るケースもあるといいます。
遠藤営業部長
「(Q.問い合わせは1日どのくらい?)弊社の方で大体400~500件」
「(Q.1日で?)そうですね」
取材中にもお客さんからの問い合わせが入りました。
スタッフKIZUNA引越センター スタッフ
「今どこもトラックの方は、引っ越し会社は埋まっているようですが、当社の方も3月は満車のため、ご案内できないんですね。申し訳ありません」
国交省は先月半ばから今週末までが今年の“引っ越しのピーク”になると発表。4月中は混雑が続くとみられています。
しかし、今年はピークをずらしても、新たな問題が懸念されています。それが、物流の“2024年問題”です。
遠藤営業部長
「やはり人員の確保であったりですとか、あとは勤務時間の問題とかも出てくるので。引き受けするうえでも、効率を考えていかなきゃいけない」
トラック運転手の働き方改革で、時間外労働の上限が年間960時間に制限。運転手不足に拍車が掛かり、“引っ越し困難者”がさらに増えるのではと懸念されています。
遠藤営業部長
「(Q.今後も引っ越し困難者は増えていく?)増えることが予想されるじゃないかなと思っています」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年4月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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