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■箱の中から大量のぬいぐるみと箱 なぜ?
西日本最大の“空の玄関口”「関西国際空港」。税関の入国検査場では、輸入が禁止・制限されているモノが持ち込まれないように24時間、目を光らせています。
関西空港税関支署長 松田真吾さん
「麻薬を密輸したり、テロに使われる化学薬品を隠し持っていたり、それらが国内に流入することがないように手荷物検査をしています」
午前7時、カートに大きな段ボール箱を4つのせたベトナム人男性がやってきました。
税関職員
「何が入っているんですか?」
ベトナム人男性
「ほとんど…ポーチとか。安物、高いモノ持っていない」
小型のかばんなどが入っているにしては、あまりに大きい箱です。
税関職員
「内容物が分からないので、確認するために開けます」
この場の税関職員には、荷物の中を確認する権限が与えられています。
税関職員
「これは?」
箱の中から出てきたのは、ピンク色の大量のぬいぐるみでした。
税関職員
「これ何個入っています?」
ベトナム人男性
「100個ぐらい」
税関職員
「100個?だけどコレ…」
税関職員が何かに気づきました。なにやら箱が出てきました。
税関職員
「これ、たばこ?」
ベトナム人男性
「香水、香水です」
次から次へと箱が出てきます。
税関職員
「結構ある」
「コレは何?」
ベトナム人男性
「こういう…あの…えっと(身振り)」
税関職員
「あ~、シャトル」
「バドミントンのシャトルね」
実は大量の荷物にはワケがありました。
税関職員
「ベトナムのお正月いつですか?」
ベトナム人男性
「2月の6日間ぐらい」
日本在住の男性は、ベトナムの旧正月を祝うために大量のお土産を持って帰ってきたところでした。ぬいぐるみや香水などは知人に配るといいます。ちなみに、ベトナムではピンクがラッキーカラーの1つだそうです。
荷物を細かく確認して問題なしと判断。男性は無事入国できました。
■お菓子の箱に隠された“たばこ1210箱”
続いても、ベトナムから来た男性です。
税関職員
「人から預かったモノとか、中身の分からないモノはないですか?」
ベトナム人男性
「全部ワタシのです」
スーツケースを確認します。出てきたのは大量のベトナムのお菓子。しかし、税関職員は違和感を覚えました。
税関職員
「これ開きますね?」
お菓子の箱に封を開けた跡を見つけたのです。箱の中を確認させてもらうと、何やら黄色いモノが出てきました。
税関職員
「コレなんですか?」
「何なのコレは?」
税関職員の追求に、男性はフタを閉じて隠そうとします。
税関職員
「出してよ」
お菓子の箱から出てきたのは黄色い箱。実はベトナムのたばこでした。たばこは日本に入国する時に必ず申告が必要です。200本を超えて持ち込む場合は、税金がかかるためです。
ベトナム人男性
「ナンデ?」
税関職員
「ナンデじゃない。分かっていたんじゃないの?別の部屋で話聞かせてもらえるかな?」
別室で男性に詳しい話を聞きます。すると驚くべき事実が明らかになりました。なんとたばこが1210箱、合計2万4200本がお菓子の箱に隠されていたのです。課税額およそ36万円を払わなければ、日本に持ち込むことはできません。
男性は「そんな大金は払えない」と、たばこの所有権を放棄しました。
■別の男性も“密輸たばこ” 職員「大変多くなっている」
同じころ、別の検査台でも目を疑う光景を目の当たりにしました。
税関職員
「段ボールの中身はなんですか?」
アジア系男性
「えっと…服とインスタントラーメン」
税関職員
「ちょっと開けさせてもらっていいかな」
アジア系男性
「あのーインスタント、インスタント。ふぅー」
アジア系の男性は落ち着かない様子です。段ボール箱を開けてみます。すると、確かにインスタントラーメンが出てきました。ところが、その下から何やら見覚えのある黄色い箱が出てきました。
税関職員
「コレは何ですか?コレは何だと思いますか?」
アジア系男性
「たばこ…」
税関職員
「申告しましたか?しませんでしたね」
男性は、たばこ492箱、合計9840本を隠し持っていました。
関西空港税関支署 特別監視官 中谷秀一さん
「お土産の中に、たばこを紛れ込ませて密輸する事案が大変多くなっている」
■「成功報酬1万円で…」スーツケースの中身は?
午前8時、到着客が増えてきました。スーツケース2つを持ってやってきたのは、ベトナムから来た男性。
税関職員
「コレ中身、何が入っているの?」
ベトナム人男性
「あのー、お菓子」
税関職員
「ホンマにお菓子?」
ベトナム人男性
「はい」
税関職員
「じゃあ、いいんだけど」
スーツケース2つ分のお菓子。違和感を覚えた税関職員は、確認をしようとしますが…。
ベトナム人男性
「カギはええと…お兄さんしか分かる人いない」
税関職員
「あなたのですよね?中身は何か分かりますか?」
ベトナム人男性
「開けたのワタシ。チェックしました」
税関職員
「(中身を)チェックしたの?」
ベトナム人男性
「はい」
税関職員
「そうしたら開けて」
ベトナム人男性
「あの…コレ…」
税関職員
「なんで(中身を)チェックしたのに開けられへんの?」
ベトナム人男性
「チェックしたらお兄さんが(カギを)閉めた」
税関職員
「こっちは?」
ベトナム人男性
「こっちも、はい」
男性によると、ベトナムにいるお兄さんがスーツケースのカギを閉めたため、開けられないといいます。
税関職員
「どうやって開けるの?いつ開けるの?」
ベトナム人男性
「お兄さんが…えー分かるのはお兄さん」
税関職員
「開けて早く、開けられるでしょ?開けないと終わらないよ」
ベトナム人男性
「お兄さんが…」
税関職員
「もうムリやって」
この後、男性はカメラがないところで、税関職員に「見知らぬ人物から、成功報酬1万円でスーツケースを運んでほしいと依頼されました」と打ち明けたといいます。
税関職員
「じゃあ別室で。時間かかるからね」
別室でスーツケースの中身を確認することになりました。スーツケース2つの中に詰まっていたのは、またもや「たばこ」。1250箱、合計2万5000本でした。課税額はおよそ37万円です。
男性も「そんなに払えない」と、たばこの所有権を放棄しました。
■大量の野菜の種…検査証ないため放棄
関西空港の入国検査場へは、一日およそ2万9000人がやってきます。
午前7時半、アジア系の男性がやってきました。
税関職員
「開けてもいいですか?」
「これ何ですか?」
税関職員が見つけたのは小さな箱。中から出てきたのは、大量の野菜の種でした。
税関職員
「検疫が必要だ」
植物などは、病害虫が海外から侵入することを防ぐため、出国元の検査証明書を用意したうえ、日本でも輸入検査を受ける必要があります。
税関職員
「(検査証を)持っていなければ輸入できない。こちらで処分します」
男性は野菜の種を放棄することに同意しました。
■「乾燥させたナツメヤシの実」持ち込み可能?
アフリカのタンザニアから来た男性。スーツケースの中に、紙に包まれた謎の塊が入っていました。一体、何が入っているのでしょうか?
出てきたのは何かの実のようなものでした。
税関職員
「何か種かな?」
「コレね、あそこでチェック受けて、チェック」
植物の検疫所で確認をしてもらいます。
検疫職員
「デーツですね。乾燥デーツですね」
タンザニア人男性
「そうです、そうです」
実は「デーツ」と呼ばれるナツメヤシの実を高温で乾燥させた食べ物でした。
検疫職員
「検査不要品になります」
税関職員
「持って入っても問題ない?」
検疫職員
「問題ありません」
乾燥させたナツメヤシの実は、病害虫が付着する恐れがないため持ち込むことができました。
日本の安全を守る関西空港税関。24時間、気の抜けない監視を続けています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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