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■総勢41人…冬だけ集められる「特殊部隊」
午前4時、除雪隊は空港が開く前から動き始めます。
北海道エアポート 施設管理課 酒井栄太さん
「これから空港制限区域内に進入します。航空機の走行時にタイヤのパンクやエンジンに吸い込まれる可能性があるので、必ず落とし物をしないように注意、よろしくお願いします」
少しでも気を抜けば、大事故につながりかねない緊張感のなか、取材が始まりました。
空港の一角に、除雪隊の基地があります。彼らこそ、旭川空港の除雪隊「ワックスウイングス」です。
除雪隊「ワックスウイングス」 中司敦大さん
「風が強いので、結構まばらな状況になっています」
22歳から66歳まで総勢41人。冬の間だけ集められる特殊部隊です。
除雪隊「ワックスウイングス」 千葉直弘さん
「除雪しなければ、パイロットは滑走路が分からないと思う。(路面が)黒くなっていないので、周りの景色と同じ白に見えてしまう」
旭川市は、過去10年の年間平均降雪量が4メートル以上に達する豪雪地帯です。除雪が欠かせません。
除雪隊に与えられた作業時間は、空港が開く午前8時までの3時間半。その間に、東京ドームおよそ11個分におよぶ広大な滑走路などを除雪しなければなりません。
中司さん
「“ブラックトップ”と言う。雪がなく路面が出て真っ黒になる状態を目指している」
黒い路面“ブラックトップ”を目指し、作業を開始します。
■最も難しい作業「達成感はどの機械よりも」
この日は、6種類の作業車が出動。連係プレーで作業します。
まず活躍するのは、大きな除雪板を備えた「スノープラウ」。滑走路に積もった雪を両サイドに寄せるのが任務です。
続いて活躍するのが、回転式の羽を持つ「ロータリー除雪車」。滑走路の端に集めた雪を巻き上げ、遠くに吹き飛ばします。
ここから、最も難しい作業が始まります。
運転席の下に除雪板がある「除雪グレーダー」です。「航空灯火」と呼ばれるライト周辺の雪を器用にかき出していきます。除雪するのは、実に300本以上。それを、たった2台で除雪するのです。
除雪隊「ワックスウイングス」 宮島翔真さん
「ひとつも傷つけてはいけない。ひとつでも傷つけたら、飛行機からの視界が悪くなるので」
航空灯火と除雪板の間は、数十センチしかありません。細心の注意が必要です。
前輪が傾くのは、雪を押す力の反動で車体が滑らないようにバランスをとるためです。ハンドルを握りながら、両サイドにある10本のレバーで除雪板やタイヤの傾きも操作します。41人いる隊員の中でも、この作業ができるのは限られた隊員だけだといいます。
300本以上の航空灯火の周りを時間内に除雪。スピーディーな作業が求められます。
宮島翔真さん
「終わった後の疲労感はすごいですね。ただ、終わって無事に帰った時の達成感は、どの機械よりも感じます」
■9割の隊員が農家…普段から大型農機具扱う
ここで、除雪隊「ワックスウイングス」隊員の意外な素顔をお教えしましょう。除雪隊に入って27年のベテラン・千葉直弘さん(50)です。
千葉さん
「稲ですね。コメの苗。苗を育てています」
実は、千葉さんの本業は農業。お米の他にも、小麦と大豆を作っています。「ワックスウイングス」は、9割の隊員が農家だといいます。
千葉さん
「みんなこういう機械は、日頃慣れている」
除雪車を巧みに操れるのは、普段から大型農機具を扱っているためです。
千葉さん
「使命感はみんな持っている。(午前)8時リミットだと、みんな分かっているので、(空港を)何がなんでも8時に開けようという一心で、朝早くから闘っています」
■チームワークの良さ…農家の結束力があればこそ
再び旭川空港。作業開始からおよそ2時間半が経過。午前8時に空港が開くまで、あと1時間しかありません。
大きなブラシを備えた「スノースイーパー」です。金属製のブラシで路面を仕上げていきます。
除雪隊「ワックスウイングス」 金田耕平さん
「滑走路上の雪をブラシで掃いて、(飛行機が)滑らないようにする」
これは「グルービング」と呼ばれる滑走路に彫られた細かい溝です。飛行機が着陸する際に、タイヤのグリップ力を高めるなどの目的で設けられています。
この溝に雪がつまったままだと、スリップして大事故につながる可能性があるのです。そこで、「スノースイーパー」のブラシで掻き出すというわけです。
金田さん
「この機械は単独で動くものではない。基本5台から7台が連続して動く。個々の動きではなく、チーム単位で考えて動かなくてはならない」
この斜めに隊列を組むフォーメーションには、重要な意味があります。
実は、一列でまっすぐ除雪をすると、間からはき残しが出る可能性があります。そこで、斜めに隊列を組み除雪幅を重ねることで、掃き残しが出ないようにしているのです。
さらに「湿地ブルドーザー」と「ホイールローダー」が、滑走路以外の部分を除雪します。
時間内に作業を成し遂げるチームワークの良さは、農家の結束力があればこそ。
千葉さん
「夏場は農家やっていますので。みんな意識も大体同じなので。『絶対1便も欠航させないぞ』という気持ちは、みんな持っている」
■「強烈エピソード」空港関係者が来られない時でさえ…
「ワックスウイングス」が旭川空港の就航率99%を達成している、強烈なエピソードがあります。
それは数年前、猛吹雪が襲った日のことでした。
千葉さん
「空港関係者が『道も空いてない…吹雪でどこ走っているのか分からない、(空港に)来られない』と。でも、我々はそろっているので、ずっと(滑走路を)開け続けていました。いつ、どうなってもいいように」
除雪隊は、空港関係者が来られない時でさえ、滑走路の準備を整えたといいます。
地元を知り尽くした彼らだからこそ、集まることができたのです。
■除雪隊の名前は「キレンジャク」の英語名から
作業開始から3時間半。ついに、滑走路が“ブラックトップ”の状態になりました。
午前8時半すぎ、この日の1番機が旭川空港に到着しました。
「ワックスウイングス」は11月から4月まで、期間限定で活動している特殊部隊。農家である9割の隊員たちは、農業ができない冬の間だけ空港の除雪隊として働いているのです。
除雪隊「ワックスウイングス」 佐渡大知さん
「小麦とか作っています」
除雪隊「ワックスウイングス」 家政賢一さん
「野菜ですね。ブロッコリーとかカボチャとか」
除雪隊「ワックスウイングス」 古本純平さん
「僕は、コメとムギとスイートコーンです」
彼らは、春が来ると農業に戻ります。
実は、除雪隊の名前「ワックスウイングス」は、旭川市の鳥「キレンジャク」の英語名から取られました。
この鳥は、冬になると繁殖地から旭川市にやってきます。除雪隊も「キレンジャク」のように、冬になると旭川空港に集結することから「ワックスウイングス」と名付けられたのです。
千葉さん
「キレンジャクが、冬になったら集まってくる。もう冬が終わるので、離れていくと」
旭川空港の就航率99%を守る除雪隊。春まで空港を守り続けます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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