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■孤立状態解消も…住民が半数以下にまで減少
8日、番組が石川県穴水町の海岸沿いにある麦ケ浦地区を訪れると、集落へ向かう道が崩壊し、重機を使った補修作業が行われていました。
18日、道路の補修が終わり、孤立状態は解消されました。5日前に電気は復旧しましたが、依然として、断水は続いたままです。家屋は軒並み倒壊し、手つかずのまま残されています。
住民の細川次郎さん(70)は自宅の倉庫を支援物資の保管場所にしているため、住民たちが集まる場所になっていました。孤立状態が解消されたことで、仕事に出る人もいます。
細川さん
「少しずつみなさん仕事に出るようになって、開いてる店なんかに行って。各自、食料品とかを少しずつ調達している」
集落の中での生活が徐々に日常を取り戻す一方、ふるさとを離れる決断をする人もいます。元々、40人近くいた住民は半分以下に減ってしまいました。
細川さん
「今、ここの家は避難して夜はいない。こちらの家はお年寄り2人だったが、こんな状況なので神戸の方へ」
■住民同士の絆…今も集落に住み続ける人も
馬道百合子さん(82)は、孤立状態が解消した今も、集落に住み続けています。
馬道さん
「愛着もあるしね。やっぱり色々な思いがこもっておるからね。親先祖・ご先祖様に感謝しながらね」
電気が通るようになった自宅ですが、倒壊の危険があることを示す赤色の紙が貼られています。
馬道さん
「(Q.この家に住み続けるのは危険?)危険には間違いない。また揺れがあるか分からないからね。私は完全に大丈夫やと。ばーっと揺れても、ギシギシ言わないから」
住民が次々と避難していくなか、思い出の詰まった土地を離れることはできませんでした。
馬道さん
「残ろうと思ったのは、一時の揺れと建物の状況と。長年80年の住まいということになれば、一揺れには負けられんという気持ちがあるんですわ」
住民同士の絆も、ここを離れられない理由の一つです。
細川さん
「(おにぎりを)朝作ってくれて」
馬道さん
「かあちゃん、ありがとう。おにぎり食わせてくれて。この方もね、ちょいちょい私らが困っている時に、おつゆやらご飯炊いて持ってきて。あれ、うれしかったわ」
顔なじみが集まり、おにぎりを分け合うなど、笑顔でお互いを励ましあいます。
■カキ漁師の声…港の再建が集落存続の鍵
一方、生活の再建は先が見通せない状況です。
馬道さん
「ここに桟橋が、船着き場というのがあるでしょう。これは津波にやられたけど」
馬道さんは、この場所で60年以上カキの養殖を行う現役のカキ漁師です。
馬道さん
「できる限り、体に病気でも出れば別やけど、このままなら3年くらいは大丈夫かなと日頃思っておったんです」
この地方のカキは「能登かき」として地元の名産品になっています。本格的な収穫シーズンを直前に控えていました。
馬道さん
「少ないのを寄せ集めて、出荷しだしたところやったんよ。だから、これから身入りも入ってくるから。2月・3月・4月まではね、本当にプリプリの大きなカキ貝がとれるんです」
養殖場の状況を確認するための船を出そうにも桟橋が壊れ、船が出せません。集落の半数はカキの養殖を営んでいるという麦ケ浦地区。港の再建に、集落の存続がかかっているのです。
馬道さん
「(Q.)カキの仕事をもう一度やりたい?)そうです。(思いが)強いです。体が元気でこのままなら」
「(Q.カキをもう一度全国に?)また、相変わらず元気になったよという証しのためにも届けたいなと思います。全国の皆さんに心配かけてもらって」
(「グッド!モーニング」2024年1月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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