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■救助・医療…震災後の変化は
【ライフライン】
水道レバーも変化しました。震災前、レバーを下げると水が出る、上げると止まる『上げ止め式』が普及していました。しかし、地震でレバー周辺の物が落下して、水が出しっぱなしになる事例が多発したため、震災後はレバーを下げると水が止まる『下げ止め式』が普及しました。
【救助】
1995年に緊急消防援助隊が創設されました。被災地からの要請で駆け付ける、各都道府県の消防本部や航空隊からなる応援部隊です。
【医療】
2005年にDMAT(災害派遣医療チーム)が発足しました。阪神淡路大震災の時、平時と同じレベルの医療が提供されていれば救えた“避けられた災害死”が500人程度存在したのではないかとみられています。『災害関連死』という言葉も、この震災を機に広く知られるようになりました。こうした人を1人でも多く救えるよう、DMATが発足しました。
能登半島地震においては、発災から17日までで、延べ650チームが石川で活動しています。しかし、現場の担当者からは「人手不足で疲弊している」といった声も聞こえています。
【支援】
阪神淡路大震災では、全国各地から延べ130万人以上の人々がボランティアに参加し『ボランティア元年』とも言われました。能登半島地震では、17日から金沢市で、一般の災害ボランティアの活動が始まりましたが、それ以外の被災自治体では、受け入れ準備が整っていないため、活動できていない状況です。
■能登半島地震から見えた課題
様々な変化で、救われた命がたくさんある一方で、29年前と大きく違うのは、社会の高齢化が進んだことです。今回地震が起きた能登地方は、高齢化や過疎化が著しい地域。こうした面での課題もあります。
その点について、阪神淡路大震災の際は行政側として支援にあたり、今は防災の研究を進めている、静岡大学防災総合センターの岩田孝仁特任教授に話を聞きました。
岩田孝仁特任教授
「今回、断水が長引いているが、水道は自治体が管理している。水道管の耐震化には、管の入れ替えが必要だが、過疎化で収入が減るので、水道管の耐震化が進まない。建物に関しても、高齢化が進むと、自分の年齢を考えて耐震工事をためらう人も多い。耐震化が手薄になると、被害の拡大につながる」
また、高齢者や障害のある人など『災害弱者』をどう救うのかについては…。
岩田孝仁特任教授
「障害者も含め、要支援者のケアが一番の問題。避難時、彼らの環境を変えるのは大変なので、スタッフも一緒に移動できるようにしたいが、多くの人を同時に受け入れる施設がない。あらかじめ“受け皿”となる施設と連携を取っておくことも必要」
阪神淡路大震災を経て、様々な仕組みが定着しましたが、その後も長期にわたって残った問題もありました。深刻な例として、被災者が仮設住宅、恒久的な災害公営住宅へと移っていくなかで、コミュニティーを失って孤立し、孤独死に至ってしまう事例が多発しました。
また、地震によって身体に重い障害が残りながら、その存在自体が埋もれてしまい、支援が行き届かないという事例もあります。そうした悲劇が繰り返されないよう、長期的な支援のあり方が検討されなければなりません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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