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日朝関係、そして拉致問題に進展はあるのか。
番組は22年前に帰国した蓮池薫さんを取材。
横田めぐみさんなど「死亡」とされた拉致被害者の安否について初めて詳しく証言しました。
■初証言 横田めぐみさん“死亡”のウソ
先月、講演のために大阪を訪れた拉致被害者の蓮池薫さん。
(拉致被害者 蓮池薫さん(66))「(講演は)小中学校、高校までもけっこうありますので、そういうの合わせれば年間40回くらい」
拉致問題の現状に強い危機感を抱いています。
(拉致被害者 蓮池薫さん)「拉致問題は私は今の問題だと。拉致被害者を今のまんま『解決済み』だって言って無視されたら、それはできませんよと」
新潟県柏崎市の海岸から1978年、妻の祐木子さんと共に北朝鮮に拉致された蓮池さん。
2002年、24年ぶりに日本に帰国しましたが、横田めぐみさんら他の拉致被害者の安否については「政府の交渉に悪影響を与えたくない」とほとんど語ってきませんでした。
テレビのインタビューで具体的に証言するのは今回が初めてです。
Q.インタビューに応じた理由は?
(拉致被害者 蓮池薫さん)「なかなか事態が動かないというのもありますけども、この辺でしっかりと国民に知っていただくと同時に、北朝鮮にとってもですね、こういうごまかしきれないというところを知らせたい。」
安否不明の拉致被害者12人のうち8人は、ほとんどが若くして交通事故や心臓麻痺、ガス中毒などで「死亡」したと北朝鮮は主張していますが客観的な証拠はいまだに提示されていません。また4人については「未入境」としていて拉致そのものを認めていません。
1977年、バドミントンの部活の帰り道に13歳で拉致された横田めぐみさん。北朝鮮は「うつ病で入院中に自殺」したと主張していますが…
(拉致被害者 蓮池薫さん)「北の言ってること、自分で命を絶った、あれは考えられないですね。だって日本に帰らなきゃって強い思いを持っていらっしゃる。そういう方が簡単に諦めて、嘘ですよ」
■蓮池氏 拉致被害者の“現地生活”明かす
北朝鮮で、めぐみさんと同じ区域に住んでいた蓮池さん。
(拉致被害者 蓮池薫さん)「あっこれだ!ここです。私の家ですこれ。元々ここにめぐみさんたちが住んでたんですが、ちょっと火事起きちゃって、引っ越して、こっちの家に行ったのかな。移ったんです」
1987年から暮らしたという平壌市内の大陽里(テヤンリ)招待所。めぐみさんはこの頃、韓国人拉致被害者の金英男(キムヨンナム)氏と結婚し、娘のウンギョンさんを産みました。蓮池さんや地村さんはめぐみさんと家族ぐるみの交流をしていたといいます。
(拉致被害者 蓮池薫さん)「誕生日に一緒に遊んだり、祝日の時は幹部が来てショーパーティーみたいなのをやるんですよ。その時は1軒1軒じゃなくてみんな集まって今日は私の家でやります。今度は地村さんの家でやります、というような感じでやっていたし、その頃はもう会っても良いっていう話、自由に行ったり来たりして。ヘギョン(ウンギョン)ちゃんも家に来て泊まったり。日本の普通の隣近所の付き合いのような感じで、味噌がなきゃ『味噌貸してよ』みたいな感じの生活をしていたと」
「めぐみさんはとても頭は良い方で、韓国語も我々なんかよりかなりうまい。ネイティブのように話されていたし、完璧なバイリンガル。」
■横田めぐみさん“遺骨”「部屋に行った」
これは北朝鮮がめぐみさん「死亡」の根拠として日本側に提出した「死亡確認書」。死亡日は1993年3月となっていましたが…
(拉致被害者 蓮池薫さん)「いつまで一緒に暮らしたかというと94年の3月なんですね。見送りまでしたんですよ、うちの家内。病院に行くよという時に。だからこれ93年(に死亡)は嘘だと」
さらに、めぐみさんのものとして提出した遺骨について北朝鮮は「夫の金英男氏が97年から保管していた」と説明していますが…
(拉致被害者 蓮池薫さん)「少なくても97、98、99年くらいまでは、我々はその部屋にしょっちゅう行っているのに遺骨がなんでないのって話ですよ、見たこともないし。めぐみさんがもし亡くなったということを知ったら我々に言うわけじゃないですか。それから遺骨の相談もするでしょうし、一切ない。あり得ないんですよ。だから彼の言っていることは、作られた話を言わされている。」
■横田めぐみさん“死亡”とされたワケ
めぐみさんは拉致された時に持っていたバドミントンのラケットを、大事に持っていたといいます。
(拉致被害者 蓮池薫さん)「やっぱりふるさとへの思い、やっぱり切れないというか なかなか断ち切れない。当然だと思うんですけれどもね、幼くして来られて。そういったところからすごく思い悩むような時もありました。家に帰りたいという思いでフラフラっと出たことは(何度か)あるんですよ。途中で検問所かなんかで呼び止められて連れ戻されたことはあります。もう日本に帰りたいという思いは強かったし、それを北の幹部にね、伝える。はっきりと、ような場面はありましたね。これは北朝鮮側とすると、自分たちの思う通りにはならないんじゃないかというふうに考えたと思うんですね。そういう中で5人、8人というふうに分けた」
蓮池さんら5人の帰国は、当初、2週間ほどで北朝鮮に戻ることが前提の“一時帰国”でした。蓮池さんは、北朝鮮が従順だとみた5人だけが日本に帰され、思い通りにならず、不都合なことをしゃべるかもしれない8人が「死亡」とされた可能性があるとみています。
(拉致被害者 蓮池薫さん)「(めぐみさんが)日本人に会ってですね、『(日本に)帰りたくない』と言ってくれるかというと、それは違う。だから出せない。だから(めぐみさんは)生きていると考えられるということなんですよ」
「ご協力お願いします」
めぐみさんの生存を信じ、救出活動を続けてきた横田さん夫妻。しかし滋さんは4年前、再会することなく亡くなりました。早紀江さんは去年2月、自宅で倒れて入院しています。
(めぐみさんの母 横田早紀江さん(87))「神様お願いですからもうせめて2年だけでも命を下さいって、まだ頑張れる力を下さいって不思議に口から出て」
拉致被害者の親の世代は、今では95歳の有本明弘さんと87歳の横田早紀江さんの2人だけです。岸田総理大臣は去年5月、日朝首脳会談を実現するため「総理直轄のハイレベル協議を行いたい」と表明していますが…
Q.この間の日本政府の動きは?
(拉致被害者 蓮池薫さん)「非常に残念、不満に思っていますね。つまり展開が遅すぎると。最後なんですよ、親御さんの世代としては早紀江さんと有本明弘さん、これを今までと同じようにやるのって話ですよ、そうはいかないでしょう」
(姉が拉致された可能性がある女性)「きっと早く帰ってきてくださいね、お願いだから」
北朝鮮に向けて、拉致された可能性が排除できない特定失踪者や拉致被害者の家族のメッセージを届けている短波ラジオ「しおかぜ」。
(短波ラジオ「しおかぜ」 村尾建兒さん)「1日3時間半、毎日放送しています。これを聞くことによって(拉致被害者に)生きる希望を持ってほしいと」
横田滋さんが生前収録した音声が今も放送されています。
(声 横田滋さん(2015年収録))「めぐみちゃんお父さんです。めぐみちゃんは元気にしてますか?またこちらに来たら、十分昔のままの生活ができると思いますから、早くそういった日が来るのを楽しみに待っております。今年こそこちらの方に帰ってくるきっかけができるんじゃないかと思いますんで本当に楽しみにしておいてください。じゃあ元気で」
(声 横田早紀江さん(2005年収録))「北朝鮮にいる横田めぐみちゃん 元気にしていますか?お母さんですよ。めぐみちゃん、明るいあのめぐみちゃんが、あのころのめぐみちゃんが元気で帰ってくることを毎日毎日たくさんの人と一緒に神様にお祈りしていますよ。必ずそのことが実現することを、もうすぐだとお母さんは確信しています。頑張ってね。元気でいてくださいよ。お願いします」
1月7日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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