中国女子飛び込み競技で「最強の師弟」とも言える全紅嬋(チュエン・ホンチャン)選手と、そのコーチの陳若琳(チェン・ルオリン)さんがヘルメットを着用せずにバイクで二人乗り走行する画像がソーシャルメディアに投稿されたことで、中国では大きな物議が湧き上がった。
全選手は2007年生まれで、まだ14歳だった21年に初めての海外遠征試合だった東京五輪大会の10メートル高飛び込みで優勝した。しかも決勝では466.20点の過去最高得点をたたきだした。陳コーチも現役時代には08年の五輪北京大会で金メダル2個、12年のロンドン大会でも金メダル2個、16年のリオデジャネイロ大会では金メダル1個を獲得するなど、素晴らしい成績を上げた名選手だった。全選手が東京五輪で10メートル高飛び込みの過去最高得点を達成するまでは、陳コーチによる08年の北京大会での447.70点が同種目の最高得点だった。
さまざまな大きな競技会で中国社会を熱狂させ、人気も絶大なだけに、二人の「ノーヘル走行」は問題視された。寄せられた批判の多くは、ヘルメット無着用でバイクに乗れば、安全上のリスクが生じるため、多くの国で走行時の着用が義務付けられていると指摘。全選手と陳コーチは社会で大きく注目されるだけに「公人」としての立場があると論じた上で、ヘルメット無着用でバイク走行したのでは、若者に対する悪影響がある恐れがあると懸念を示す投稿が寄せられた。
一方で、ソーシャルメディアの「炎上」現象を問題視する意見も寄せられた。画像が投稿されるとたちまちにして、インターネットで拡散して「全・陳たたき」が始まった。すると「五輪の金メダリストである以上、交通ルールの順守や社会の模範となるべき」ではあるが、「二人の落ち度は軽微なものであり、大騒ぎする必要はない」として、炎上現象の異常さを指摘し、二人を弁護する投稿も寄せられるようになった。
中国のポータル/情報サイトが掲載した同件を扱った記事は、「ソーシャルメディア時代における公人の課題を浮き彫りにした」と指摘した。まず、有名人については「慎重に行動し、自分の行動が社会に及ぼす影響を十分に認識する必要がある。特に倫理や安全関連の問題に関わる場合にはそうだ」と主張。一方で、一般大衆としては、「熱狂的にあこがれる存在であっても、公人としての行動は冷静に判断する必要がある」と指摘。安全や社会の規範について問題ある行動の場合には、やみくもに追随してはならないと釘を刺した。(翻訳・編集/如月隼人)
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引用元:https://news.nifty.com//article/world/china/12181-2641356/