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【ガザ越境作戦の拡大表明】ハマス拠点“集中空爆”地上侵攻の開始は◆日曜スクープ◆(2023年10月29日)

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イスラエル軍は27日、イスラム組織「ハマス」が実効支配するガザ地区で、過去最大規模となる空爆を実施し、ガザ北部に位置する約150の地下施設の破壊を狙った攻撃を行ったことを発表した。大量の爆弾投下に加え、戦車などによる地上での軍事行動を拡大したイスラエル軍は、巨大トンネル網と戦闘空間への攻撃で、ハマスの工作員数人を殺害した。米CNNは28日、イスラエル国防省はハマスの空中部隊の責任者・アセム・アブ・ラカバ氏を殺害したことを報じた。同国防省は、アセム・アブ・ラカバ氏が、7日にイスラエルをパラグライダーで襲撃したテロリストを指揮し、イスラエル軍の拠点に対するドローン攻撃にも関与したと指摘した。イスラエル軍のハガリ報道官は28日、「イスラエル軍はまだ現場にいる」と述べたことから、秒読み段階と言われた地上侵攻は、イスラエル軍がガザ地区に入ったまま、既に限定的な作戦に着手した可能性があると見られる。

イスラエルのネタニヤフ首相は28日に記者会見し、「ハマスとの戦闘が第2段階に入った」と述べ、陸・海・空のあらゆる方向からガザ地区への攻撃を強化すると表明した。ネタニヤフ首相は、「戦闘は困難なものになるだろう」と語った。本格的な地上侵攻の開始については、明言を避けた。イスラエル軍はこれまでで最大規模の空爆を実施したほか、地上作戦を拡大すると表明してた。ガザ地区での死者は7650人に上り、イスラエルと合わせて9000人を超えた。

イスラエル政府は25日、ハマスに拉致された人質220人のうち138人が外国人で、二重国籍を含む25カ国のパスポートを所持していることを明らかにした。また、人質解放の交渉が継続されており、数日以内に人質が解放される可能性があることを現地メディアが報じた。人質解放を巡っては、ハマスは20日にカタールの仲介により、米国籍の親子2人を解放、また、23日には、エジプトの仲介によりイスラエル人2人を解放した。ガザ地区の保健省は25日、今月7日にイスラエル軍の空爆が始まって以来、7326人のパレスチナ人が死亡したと発表した。半数に近い3500人以上の子どもたちが犠牲となった。

ガザ地区で最大規模の病院「シファ病院」について、イスラエル軍のハガリ報道官は、「ハマスが病院の地下にある地下壕からロケット攻撃を指示したり、作戦の指揮を執ったりしている」と指摘したうえで、同病院とガザ市の地下トンネル網は繋がっているとの見解を示した。ガザ地区の地下に張り巡らされている巨大トンネル網の総延長は約500キロ、深さは地下30~40メートルの部分もあると推定され、地下トンネルの入り口は、民間の住宅や、モスク、学校などの公共施設の中に隠されているといわれる。イスラエル軍は、正規軍16万人と予備役36万人で構成され、軍事力の比較で、兵力約4万人のハマス・反イスラエル勢力を圧倒する。「シファ病院」には約4000人の職員が従業しており、ハマスが病院の職員と患者を「人間の盾」に使っている見方もあり、イスラエル軍は人道的な大惨事の可能性を危惧し、作戦を遂行する上で大きな懸念材料となっている。

イスラエル軍によるガザ地区への地上侵攻に関する世論調査を実施したイスラエル紙「マーリブ」は27日、約半数の国民がガザ侵攻を遅らせることを支持している調査結果を明らかにした。同紙の世論調査によると、イスラエル軍の地上侵攻に対する「賛成」は29%で、「待った方が良い」と回答したのは49%、22%が「どちらとも言えない」と回答した。ガザへの攻撃が開始されて約3週間が経過し、イスラエルが人道危機の問題に直面する中で、ガザ地区への地上侵攻に対する国民の意識が消極的に変化したものと見られる。

★ゲスト:高橋和夫(放送大学名誉教授)、山添博史(防衛省防衛研究所)
★アンカー:橋本大二郎
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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