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“獣害列島”新潟県にクマ出没特別警報、サルが児童襲う 居座りシカ 札幌駅まで300m(2023年10月26日)

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全国各地でクマなどによる被害が相次ぐなか、新潟県は最高の警戒レベルである「クマ出没特別警報」を3年ぶりに発令しました。

■「クマ出没特別警報」新潟県発令

 止まらないクマ被害。26日、秋田市でミツバチの箱がクマに襲われたのが分かりました。25日も被害に遭っています。秋田県では大仙市で1人で栗拾いをしていた60代の女性がクマに襲われました。顔を引っかかれてけがをしましたが、意識はあるといいます。

 秋田県でのクマの出没情報は、ほとんどの年が数百件だったのが今年、今月22日までですでに2543件と突出しています。また今年、クマに襲われてけがをした人は58人と過去最多を更新し続けていて、10月だけで30人にも上ります。

■専門家“クマ増加で山から人里”へ

 専門家はクマの生息範囲が広がっていると指摘します。

 石川県立大学 環境科学科 大井徹特任教授:「環境省の調査によれば、2004年から2018年にかけてクマの分布域が約40%、里側に拡大しています。原因は明確に分かっていないが、クマの個体数が増えたことで、それまですんでいた山の中が過密になり、そこから離れていく個体がいる。その一方、人里周辺の里山がクマにとって居心地の良い環境になっていて、奥山を離れたクマがそこに定着し始めたものと考えている。強いクマに排除されて、自分のすめる場所を探して里山に下りてきた個体もいると思う」

 そして注目されるのが、クマの食べ物についてです。

 石川県立大学 環境科学科 大井徹特任教授:「主食は植物です。草木の葉っぱ、木の実。そういったものが主な食べ物だが、強いクマが弱いクマを捕食したり、個体によれば家畜の鶏や羊、牛などを襲うものもいたり。野生のシカとかカモシカ、これも獲物とする個体もいます」

 ツキノワグマの生態を調査するため、野生のクマの首にカメラを設置した「クマ目線」の映像です。普段、なかなか見ることができないツキノワグマの食事の様子。果実などを食べる一方で、カモシカの肉も食べています。

 今年は全国的にみても、クマの被害が増えています。今年度の被害者数は9月末の時点で109人と、半年ですでに昨年度の75人を超えています。26日、新潟県では緊急本部会議を開き、県独自の警戒レベルとして最高の「クマ出没特別警報」を発令。2020年以来、3年ぶりです。

■“獣害列島”サルが児童2人襲う

 一方で、人里に姿を現すのはクマだけではありません。野生動物が市街地に出没する事例が全国で相次いでいるのです。福岡市ではサルが現れました。26日午前7時すぎ、福岡市の住宅街にサルが現れ、登校中の児童2人を襲いました。2人は手首や太ももをかまれるなどしましたが、軽傷です。

 地元住民:「(サルを)きょうも見ましたよ、1匹です。お尻が赤くて1匹。サルは相手次第で簡単に飛び付いてきて、かんだりします」

 現場は山が近くにある住宅街です。付近では、先月28日にも登校中の小学生らがサルにかまれる被害があったばかりでした。2人を襲ったサルは見つかっておらず、警察が周辺をパトロールし、注意を呼び掛けています。

■居座りシカ 札幌駅まで300m

 さらに、札幌市ではシカが出没しました。25日朝、札幌市の住宅街に雄のシカ1頭が現れ時折、草を食べたり周辺を歩くなどしながら居座り続けました。

 シカの目撃情報です。最初に見つかったのは札幌駅からおよそ300メートル。その後、シカは住宅街など札幌市街を移動したとみられます。札幌市はシカが飛び出してくる恐れがあるとして注意を呼び掛けています。

 専門家はこれからの時期、注意が必要だと指摘します。

 石川県立大学 環境科学科 大井徹特任教授:「クマが冬眠に入る12月初旬まで出没が続きます。出没が多いのは11月末までなので、それまで警戒が必要。サル、シカ、イノシシは冬眠しない動物。冬の間も餌(えさ)を求めて人間の生活域に入ってくる場合がある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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