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ジャニーズJr.出身のプロデューサー(31)が大炎上した、メンズ地下アイドル特有の“複雑すぎるローカルルール”とは「鍵閉めに生誕委員、最前管理も…」
2024年12月8日(日)12時0分 文春オンライン
〈 元ジャニーズJr.の“メンズ地下アイドル”Pが教える「危ないグループ」の見分け方「グレーなところではキスや性的な接触も…」 〉から続く
7年間所属したジャニーズ事務所を20歳で退所し、現在はメンズ地下アイドルのプロデューサーを務める大川慶吾さん(31)。
最もお金と時間と人数をかけて作られるジャニーズの世界から、観客がひとけたのことも珍しくない地下アイドルの世界へ。観客が使う金額やライブの苛烈なローカルルール、そして身体的な接触も……全く違うカルチャーに直面した驚きと、地下アイドルの実態について話を聞いた。
◆◆◆
——メンズ地下アイドルのライブに来るお客さんはどういった層が多いんでしょう。
大川 圧倒的に女性で、20代くらいの若い子が多いです。一口にメンズアイドルと言っても、うちみたいなアイドル色が強いグループだけじゃなくて、ビジュアル系ロックバンドのような雰囲気のグループもあれば、K−POP風のグループもあります。ビジュアル系にはやっぱりバンギャ風のファンがつきますし、界隈によってお客さんの雰囲気も違いますね。
「メンズアイドルで驚いたのは、独特のルールがとても多いんですよ」
——いろいろなジャンルのアイドルが同じイベントに出演するのは、フェスみたいですね。大川さんはガールズアイドルのプロデュースもされていましたが、違いを感じるところはありますか?
大川 ガールズアイドルの方が歴史が長いぶん、パフォーマンスの平均値が高く、運営もちゃんとしているところが多いと感じますね。あとメンズアイドルで驚いたのは、お客さんの中で決まっている独特のルールがとても多いんですよ。
——どういうことでしょう?
大川 たとえばガールズアイドルのイベントに来る男性客って、自分が応援してるグループ以外のパフォーマンスも見るし、曲に合わせてコールしたりする人が多いんです。
でもメンズアイドルファンの女性の多くは、複数のグループが出演するライブでも自分のお目当てのグループ以外のライブは見ません。自分のグループの出番が終わったら帰るのが暗黙の了解になっています。他グループを見るのは「浮気」に近い感覚なんだと思います。
——帰っちゃうのはすごいですね。「推し方」は男女で違うんですか?
大川 男性客はグループを「推す」意識が強い傾向があって、そのグループの知名度を広めたいという空気感があります。なので新しいファンがライブに来ると歓迎して前列を開けてあげたりするんですよ。
それに比べ女性客は推しに対する「独占欲」が強いのかなと感じることはありますね。同じメンバーを推しているファン同士はほぼ仲良くなりませんし、客席でも同じメンバーを好きなファンの後ろや横に立つ“縦連”“横連”という行為は露骨に嫌な顔をされたりします。
「その日の『最後の女』になることに価値があるんです」
——メンバーの人気が偏ってると位置取りすら難しそうですね。
大川 あとは特典会でも、他のファンと接触する時間を減らすためにチェキを1人でたくさん買ったりすることもありますし、あとは“鍵閉め”と言ってその日の特典会の最後のお客さんになるのを狙う子も多い。「最後の女」になることに価値があるんです。
——最後の女! 自分で最後にするためにたくさん買う、ということですね。
大川 そうですね。“鍵閉め”狙いで1人あたりの積む量が増え、客単価が上がっていく傾向はあります。ちょうどオークションで値段が競り上がっていくような。
うちのように一度に購入できる枚数を10枚までに制限するグループもあるのですが、そうすると“鍵閉め”を狙う子は列の最後尾に並び直して再購入することになります。いわゆる「ループ」ですね。
——鍵閉めになりそうなタイミングを狙いすまして並ぶのではダメなんですか?
大川 ループに途中参加を認めると、最初から積んでいる子が不公平だと感じるので、横入りは認めていません。鍵閉めを狙うなら、絶え間なく並び続けるしかないんです。
——それらのルールはガールズアイドルにはないんですか。
大川 ほとんど聞いたことがないですね。メンズアイドル限定です。あとはメンバーの誕生日ライブにファンが自発的にフラワースタンドやメッセージアルバムをプレゼントする文化があって、それ自体はガールズアイドルにもありますが、その運用でも結構違いがあるようです
——どの辺りが違うんでしょう。
大川 ファンを取りまとめてお金を集めたりする代表者を“生誕委員”って言うんですけど、ジャンクロップでは生誕委員もお断りしています。というのも、同じメンバーを好きなファン同士が仲が良くないことが多いので、揉めるんですよ。かといって1人に許可すると「私も、私も」「あの子にはOKが出たのに、なんで私はダメなの?」と収拾がつかなくなるので。あとはシンプルに、フラワースタンドの代金を踏み倒す人がいるという話も聞いたことがあります。
——お誕生日を祝うのも大変です。
大川 もちろんお祝いしていただくのはありがたいのですが、トラブルを防ぐためにジャンクロップでは、「お祝いチェキ」を公式に販売して、その売上をもとに運営が生誕祭用のお花を用意するようにしたんです。
——いろいろルールづくりをしているのですね。
「あんな野蛮なグループとは対バンしてほしくない」と叩かれて大炎上
大川 本当に難しいですね。ファンの気持ちはありがたいんですが、ちゃんと平等にしようとすると全部NGになっちゃうんですよ。ルールを変えようとして炎上したこともあるので、今はより慎重になっています。
——炎上ですか?
大川 メンズアイドル界隈独特のルールに「最前管理」があります。説明が難しいんですけど、ライブ会場がオープンした時に最前列を確保した人が、その日出演する各グループの出番ごとに最前列をファンに割り振るローカルルールです。
——自由席のライブですよね……?
大川 そうです。でもほとんどのライブ会場で「最前管理」はあると思います。最前列を確保した人に「ジャンクロップの右から2番目空いてますか」みたいに交渉する必要があるので、新規のお客さんにとってはハードルが高い。ジャンクロップのファンはライブ初心者も多いので、ルールを知らずに最前列に入り込もうとしてトラブルになったらかわいそうだなと思ったんです。
——それで「最前管理」をなくそうとした?
大川 「ジャンクロップでは最前管理を禁止します」と宣言したんですけど、ほかのグループのファンから「あんな野蛮なグループとは対バンしてほしくない」と叩かれて大炎上しました。それで郷に入っては郷に従えということで、最前管理の禁止は撤回しました。
——定着したルールを変えるのは難しいですよね。
大川 そうですね。できるところからやっていくしかないと思っています。
「メンバーが5人のグループを10人のファンが支えている、という状況はやっぱり持続するのが難しい」
——大川さんはジャニーズJr.時代に嵐のバックダンサーとして全国ツアーも経験されています。落差も大きいと思うのですが、あらためて地下アイドルの魅力はどんなところにあるんでしょう。
大川 やっぱりファンとアイドルの近さだと思います。ドームやアリーナに何万人も集めるグループはチェキや接触は不可能ですし、個人がファンサをもらうのも難しい。それはメジャーシーンにはない魅力だと思います。地下アイドルでも、人気がでて会場が広くなってファンが増えればファンとアイドルの距離は離れていきます。ただ僕としては、ファンの方にもそれを「大きな会場でライブができるようになったね」と喜んでほしいんです。
——ファンが増えれば、1人の人が何万円も払わなくてもグループは十分に潤うようになりますしね。
大川 メンバーが5人のグループを10人のファンが支えている、という状況はやっぱり持続するのが難しいですからね。できるだけ薄く広く支えてもらう形にしていきたいんです。
——メンズ地下アイドルの業態は、今後変わっていくのでしょうか。
大川 メンズ地下アイドル界隈は、ガールズに比べてもまだまだ発展途上です。でも、逆に言えばブルーオーシャンとも言えますよね。ジャンクロップも最初はお客さん一桁だったところから、毎月600人キャパで主催イベントを行い、800人キャパの会場でワンマンライブができるようになりました。トップクラスのグループはメンバーの年収が1000万円を優に超えますし、この間人気グループが合同で出したCDはオリコンウィークリー1位にもなりました。僕の予想ですけど、3年以内にメン地下のグループが武道館で公演することも十分ありえると思っています。
——武道館でできたら世間の見る目も少し変わりそうですよね。
大川 今の地下アイドルのプロデューサーは、元マネージャーや元オタクなどアイドル未経験者がほとんど。僕のようなプレイヤー出身の人はほどんどいないので、そこに自分の強みがあると思っています。歌やダンスのパフォーマンスレベルは高めたいし、それが僕たちの強みだと思っています。あれだけ小さかったジャンクロップがここまで大きなグループになったよ、という成長過程をファンの方たちと共有し、応援してもらえれば、と思っています。
(加山 竜司)
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]...以下引用元参照
引用元:https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/1208/bso_241208_6171477204.html