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■尹大統領はなぜ“戒厳令”を?
背景にあるのは、検事としての、彼のキャリアです。
9度目の挑戦で司法試験に合格すると、政界関係の捜査に力を入れました。
尹錫悦大統領
「私は人には忠誠を尽くしませんので」
人ではなく、法律に忠実であることを信条とし、2016年、朴槿恵(パク・クネ)政権の不正を捜査。のちの朴氏の逮捕につながりました。
文在寅(ムン・ジェイン)政権では、李明博(イ・ミョンバク)元大統領の逮捕も指揮し、検事総長に抜擢。その文政権の不正疑惑にもメスを入れたことで、政権と対立し、自ら辞任しました。
尹錫悦大統領(2021年)
「わが社会が長年築いてきた常識と正義が崩れるのを、これ以上は見ていられません」
これが、政界進出の転機となりました。
権力に忖度しない姿勢が人気を集め、2022年、大統領に就任。そして、検事時代に培った“決断力”をさっそく発揮します。
元徴用工訴訟の解決策を発表し、冷え込んでいた日韓関係を劇的に改善。
執務室には、彼の政治スタイルを表すこんなプレートが置かれています。『責任は私がとる』。検事時代さながら、強いリーダーシップのもと、政策を推し進めることにこだわりました。
一方で、自分の考えを信じて疑わない“独善”も指摘され始めます。
絶大な権力を握ってきた検事出身の強みが裏目に出たと、専門家は指摘します。
ソウル大学 パク・ウォンホ教授
「韓国の検事には、皆が一つだという原則があります。2000人の検事が『ワンボディー』なんです。検察のトップに上り詰め、そこから大統領になったため、検察と政治が一体化したような形となりました」
そして、支持率の低迷に、さらなる逆風を吹かせたのが、妻の存在です。
キム・ゴンヒ夫人は、ファーストレディーとして積極的に活動し、実業家としての顔も持つなど、当初は人気も集めました。しかし、知人の会社の株価操作に関与した疑惑や、不法に高級ブランドバッグを受け取った疑惑など、スキャンダルが相次ぎました。
妻の不正疑惑を追及する法案の採決が予定されていたなかでの戒厳令発令。尹大統領の中に、焦りがあったのでしょうか。
ソウル大学 パク・ウォンホ教授
「独断で進めたり、よく怒ったりと、衝動的な性格が知られています。そういった部分がスパークしたんだと思います。取り返しのつかない『最悪の大統領』となったわけです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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