糸が消える!?　裾上げの裏技（？）

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　SNSで紹介されているでたらめな“洋裁の裏技”をプロがぶった切る動画が、YouTubeチャンネル「Senjyu工房」に投稿されました。記事執筆時点で動画は34万再生を超え、1万2000件以上の高評価を獲得するなど注目を集めています。
　投稿者はレディースアイテムを中心にサンプル縫製をしている経験を生かし、縫製技術のアイデアやコツを発信しているSenjyuさん。今回は、プロ目線で最近SNSで話題になっているでたらめな“洋裁の裏技”をぶった切っていきます！
　皆さんは“糸が消える裾上げの裏技”といった内容の動画を見たことはあるでしょうか？　内容は裾を上げたい箇所に線を引き、糸を渡して引っ張ると糸が消え、簡単に裾上げができるというものです。

　洋裁初心者さんにとっては素晴らしいアイデアで、思わず挑戦したくなりますが、裏を見てみると実はこれ……ただのなみ縫い！　わざと内側からゆるゆるのなみ縫いをして引っ張って糸を消しているように見せているのだそうです。
　実際に裏返してなみ縫いをしていくと、同じように裾上げができるだけではなく、裏技とされるものよりも簡単でスピーディー。裏技を試したことがある人からしたら、少々ショッキングな事実かもしれません……。
　続いてもう1つ、裏技とされる話題のテクニックも検証。こちらは裾を織り込んで、刺繍のチェーンステッチの要領で縫い、最後にひと針だけ抜いて糸を引っ張ると糸が消えて裾上げができるというもの。
　もちろんこちらもでたらめな裏技で、糸のすぐ隣に針を刺し、1センチ先に針を出して引っ張るだけで星止めという同じ縫い目ができます。チェーンステッチのように糸をわざわざ引っ掛ける必要はありません。
　Senjyuさんからすると、ムダな手間を加え、後から引っ張るこのやり方は洋裁において阻害要因でしかなく、あくまで“あっと驚く娯楽動画”の一部であると感じるとのこと。これらの情報を真に受けて、大事なお洋服のお直しを台無しにしてもらいたくないという思いから、この動画を投稿したそうです。
　コメント欄には「私の言いたいこと言って下さってありがとうございます」「スカッとした」「知識って大事ですよね」「正論！　どんな分野においても基礎知識が大切」「このやり方に飛びつくところでした」「さすがプロ」といった声が寄せられています。
　SenjyuさんさんはYouTubeチャンネル「Senjyu工房」のほか、Instagram（@senjyu_koubou）でも洋裁に関する情報を公開しています。
画像提供：「Senjyu工房」さん