果たして、那須川の言う“良い炎上”とは何か。彼は言葉を選びながら、こう続けている。
「あの発言で(試合を)見てくれる人は多くなったと思う。なので、しっかりと勝って、回収して、次の日のテレビのニュースにしてくださいって思います。やっぱやっている競技者として思うのは、自分のスポーツを誇れない奴はそのスポーツをやる必要がないということ。俺はボクシングが一番おもしろいと常に思ってる。それはどのスポーツに対しても思うんで」
自分への関心、ひいてはボクシングへの関心を高めるための一環だった。「ボクシングが一番おもしろい」と熱弁を振るった那須川は、こうも続けている。
「人と人が対峙して殴り合うっていうのが、まずおもしろいじゃないですか。それが競技になっているということが凄いこと。例えば、道具を使ってやることもおもしろいんですけど、いかに自分が強くても格闘技は負ける時がある。だから、何を用意したら絶対に勝てるというのがない。他の競技は一回のミスが許されることが多いかと思うんですけど、格闘技は一瞬のミスが命取りになる。僕はそういう意味で格闘技に勝るものはないと思います」
キックボクシングからの電撃転向から約1年。今は「ボクシングにめっちゃハマってる」と言う。那須川は先述の大谷発言など話題に事欠かないが、全ては人生を懸けて挑んできた格闘技への愛ゆえだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]