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■土砂崩れ被災者の証言「家が吹っ飛ばされた」
仁科健吾アナウンサー
「山肌が崩れ落ちて土砂崩れが起きました。その木々と土砂が住宅地へと押し寄せました。1週間経った今もこのままの状態となっています」
予想をはるかに上回る雨量で甚大な被害をもたらした能登豪雨から一週間。今日捜索現場では、新たに2人の遺体が見つかりました。
豪雨は、27の河川を氾濫させ、多くの土砂崩れを引き起こしました。
土石流の脅威は、どれほどのものだったのでしょうか。私たちは、まさに土砂災害に巻き込まれ、救助された被災者に話を聞くことができました。
土砂崩れに巻き込まれた一二三秀仁さん(55)
「吹っ飛ばされた。ゴーと言ったときにやばいと思ったら吹っ飛ばされて。家がドーンって向こうにいったんです。」
土砂崩れによって家ごと吹き飛ばされてしまった一二三さん。母親は、身動きが取れなくなったと言います。24時間もの間生き埋めになっていたところ救助隊員が住宅の床の下から3人がかりで引き上げ救助しました。母親は土砂により床の隙間に押し込まれていたとみられます。
その後、母親は搬送され、命に別状はありませんでした。
一二三さんは、土砂崩れまでの一部始終を撮影していました。
■”生き埋め”24時間「プレスされる寸前」
土砂崩れに巻き込まれた一二三秀仁さん(55)
「朝6時くらいは、そんなに雨が降っていなかったんですけど、8時くらいから雨が強くなってきた」
9時ごろの映像では、一二三さんの自宅のすぐ裏にある斜面から大量の泥水が流れ出ているのがわかります。
土砂崩れに巻き込まれた一二三秀仁さん(55)
「なんでこんな水あるのというぐらい溜まっている、水が。ゴーッていう音がしていた」
9時30分頃に撮影された映像では、流れがさらに強くなり、大量の水が庭一面を覆っていました。
土砂崩れに巻き込まれた一二三秀仁さん(55)
「車で脱出できないと分かってたから、家の中に留まった方がいいと思って。とにかく崖から離れたところに居れば大丈夫だろうと思って。母親も一番崖から離れたところに居てもらって」
外に出るよりも、垂直避難が安全だと判断。母親を2階に移動させることに。しかし…。
土砂崩れに巻き込まれた一二三秀仁さん(55)
「家がドーンって向こうに行ったんですよ。1階がなくなってて、2階だけ斜めになった状況で。あんまり怖かったので、全身が一回震えておさった時に顔から血が出てたのをタオルで拭いて、母親を見に行こうと思って」
一二三さんは倒壊した家から自力で出ることができましたが、母親は床下の隙間に埋もれてしまっていたといいます。
土砂崩れに巻き込まれた一二三秀仁さん(55)
「家が重いんです。最後の方はうつ伏せになったまま、本当にプレスされる寸前みたいな感じでした」
土砂崩れに巻き込まれた一二三さんが今感じているのは、大雨が斜面づたいに流れ出る状況になってからでは遅いということでした。
土砂崩れに巻き込まれた一二三秀仁さん(55)
「(予報で)前日の夜にも言っていた。災害級の雨という話を聞いていたから、下に降りておけばよかったと思った。平地に下りて土砂崩れのないところに行くのが大事」
■「毎日山を下り充電に」土砂が復旧阻む
亡くなった人は28日までに10人。さらに、まだ安否や行方が分かっていない人が5人いて、警察や消防による捜索が続けられています。
至る所に残る土砂が今、インフラ復旧の妨げになっていると言います。27日まで一部孤立していた輪島市鵠巣地区でも。
被災した橋本幸子さん(68)
「この間の雨で道が塞がれてしまった。電線が切れとるし電気がこない」
停電と断水の状態がおよそ1週間続いています。橋本さんは、スマホの充電などのため、毎日山を下りなくてはなりません。
被災した橋本幸子さん(68)
「わからんね、本当に日常に戻るかは。今度雨が降った時また怖いね」
さらに、豪雨から一週間経って浮かび上がってきた課題が「乾いた土」。
仮設住宅が床上浸水した被災者
「ここまで来たんだよ。床上は」
床の泥は固まってしまい、取り除くのが大変な状態でした。
仮設住宅が床上浸水した被災者
「アルバムも濡れてしまったし。この辺りとかどうすればいいのかな。まためくっておけば乾くのかな。とにかく毎日毎日を乗り越えるしかないんだってことで、今も小学校の避難所にいるんですけども。とにかく前に進まないと」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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