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ABCテレビ 増田紗織アナウンサー
「お台場の日本科学未来館に来ています。今日これからここで自ら定めた疑問の探究に青春の全てを捧げる高校生たちのナンバーワンを決める大会が行われます」
緊張感のなか真剣な表情の高校生。彼らはこれから始まるQ-1決勝大会に出場するイノベーター(変革者)たち。
自分たちで見つけた疑問を探究しその結果をプレゼンして日本一を決める大会「Q-1」。
3回目を迎える、今年は全国120チームが参加し決勝に残ったのは4チーム。それぞれ研究分野は違いますが、どれも時間と情熱をかけて研究してきました
安田学園 山下慶乃さん(3年)
「緊張してますよ。でもここまできたらやるしかないので」
高崎高校 黒沢駿さん(3年)
「どんな質問がとんでくるのか飛んでくるのかっていうのがちょっと怖い。知識が足りない部分とか質問されるとちょっと答えられない」
年を追うごとに高度になるイノベーターの探究。それを審査するのは各分野のトップクラスの研究者。さらに経済産業省や文部科学省も参加。Googleの日本法人もこれに加わります。
京都府立桃山高校 今野瑛太さん(2年)
「(Q.東京観光しましたか?)気象庁に、原宿とかじゃなくて」
■休み時間に雲を観測…巨大積乱雲 解明への想いとは?
今回、関西から唯一決勝に残ったのは京都府立桃山高校。今野瑛太さんは高校入学前から準備を始めていたと言います。京都の南部に位置する府立桃山高校。自然科学全般について班ごとに分かれて研究をするグローバルサイエンス部があり、その中の気象班が今回Q-1決勝進出を果たしました。
京都府立桃山高校 今野瑛太さん(2年)
「太平洋高気圧の勢力圏に入ってる。暑いぞ」
大同健心さん(2年)
「前線が近づいている?」
授業が始まる8時前。気象班は毎日部室に集まり、学校がある京都南部の天気予報をピンポイントで行い校内で発表しています。
京都府立桃山高校 今野瑛太さん(2年)
「自分たちが実際に感じている状況を踏まえて予報に加味しているので、より詳しいというか正確なものになっていると思います」
気象班の中心は2年生の今野瑛太さん。小学生で気象に興味を持ち、桃山高校に進学したのも気象の研究の為だと言います。
京都府立桃山高校 今野瑛太さん(2年)
「気象班があるからこの学校に入っているので」
今野さんの気象愛は桃山高校では有名で、ついた愛称は…。
クラスメイト
「気象“長”、庁じゃなくて長(おさ)」
とにかく、気象への興味が尽きない今野さん。休み時間も空を見上げていました。
京都府立桃山高校 今野瑛太さん(2年)
「日常のありふれた雲っていうのを一杯撮りためている感じです。好きなので。今撮ったのはこんな感じです。同じのは1回きりなのでほぼ毎日空見てますね。休み時間になると」
気象研究への熱い思いでつながる4人の仲間がテーマに選んだのが京田辺市で発生し、時に水害をもたらす巨大な積乱雲。名付けて“田辺五郎”の発生メカニズムとその予報です。
京都府立桃山高校 今野瑛太さん(2年)
「田辺五郎の1時間前の予報を出来るようになれば、豪雨災害で大切な人たちと別れなきゃいけないとかが少なくなるんではないかと」
今は不可能と言われている局地的な積乱雲の発生予報に情熱を注ぐ気象班の4人。巨大ジオラマ模型での実験や、集めたデータの解析を重ね一つの結果に到達、それを決勝大会にぶつけます。
■“知の甲子園”で本気の研究発表。
自信をもって乗り込んだ決勝大会。桃山高校の発表順は1番目です。
京都府立桃山高校 今野瑛太さん(2年)
「同じ一つの事に情熱燃やしてきた人間なんで、競い合うというよりは一緒に頑張ろうって思います」
「楽しむぞ オー!」
練習のかいあって淀みなくプレゼンを進める4人、審査員も真剣なまなざしで聞いています。
熱い思いのこもったプレゼンをやり切った桃山高校。しかし、ここからが出場者皆が口をそろえて1番不安と言っていた専門家による質疑応答です。
「台風」研究の第一人者 筆保弘徳教授
「みなさんがやっている研究は博士の研究と同じことやっていると思っていい。せっかく模型使っているのだったら、その地形で強化されるところをもうちょっと突き詰めてほしいと思いました」
専門家による質疑応答は審査のためというより研究者同士の議論のレベルに達していました。
「台風」研究の第一人者 筆保弘徳教授
「(発生の)一つは生駒山だと思っていて、あそこの生駒山がどのくらい影響するのかを例えば地形なので本当の山を削ることはできないけれど地形の模型を削ることは出来るので」
実は筆保教授は台風研究の第1人者で今野さんが気象に興味を持つきっかけになった“憧れの人”です。
京都府立桃山高校 今野瑛太さん(2年)
「ジオラマはパーツで出来ているので生駒山をごそっと取ることは非常に簡単なんです」
「できます。ドライアイスさえそろえば」
専門家による高度な質疑応答も研究によって得た深い理解とチームワークで堂々と対応しました。
京都府立桃山高校の学生
「充実した発表だった。充実してたやってきてよかった。200点」
不安だった質疑応答で手応えを感じたという桃山高校。一方で終始リラックスして専門家と渡り合ったのが準絶滅危惧種のクロマルハナバチ幼虫の飼育法を研究した安田学園でした。
安田学園 山下慶乃さん(3年)
「そうなんですよ。わたしたちもそれやりたかったんですけど(みたいな)」
解明されていないハチの生態に挑んだ山下さんと山岡さんが、この大会で密かに狙っていたのが副賞の「Google for Education賞」。
安田学園 山下慶乃さん(3年)
「最先端の企業がどのようにイノベーションを起こす上でどういう風な会社を作っているのか」
安田学園 山岡小己呂(2年)
「(Googleに)行ってみたいと思っています」
後日グーグル日本法人のオフィスに招待された安田学園の二人。ここでもグーグル社員有志の前で堂々と研究成果を発表しました。
Google for Education スチュアート・ミラー氏
「うちではムーンショットシンキングという概念があって、手が届かないところだからこそあえて挑戦しようというぜっていう精神が凄くグーグリーだと思って評価しました」
なぜみんなここまで情熱を注いで探究に没頭できるのでしょうか。
安田学園 山下慶乃さん(3年)
「これをやれとか公式はこうだとか風に教えるのではなくて、誰も分からないことに対して自分はこうだからこうやってみようと仮説を立てて実験をして結果からまた仮説を立てて、このサイクルが永遠に続くのが学校の勉強と違って面白い」
(2024年9月15日「サンデーLIVE!!」)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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