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■花火で日本船を“妨害”中国漁船の実態
きのう24日、午前5時の宮城県気仙沼漁港。
(福士昌希ディレクター)「今、こちらで水揚げ作業が行われています。うわ、デカッ」
Q.これ何ていう魚ですか?
「ビンチョウ」
「ビンチョウマグロだそうです。いやすごい数です」
水揚げされたのは、北海道の東沖で獲れたビンチョウマグロに、三陸沖で獲れたカツオ。23日、気仙沼に今年初めてサンマが水揚げされました。
福島第一原発の処理水放出から1年…今も中国政府は、日本の水産物の全面輸入禁止を続けています。その一方で、気仙沼の漁師からはこんな声が。
(サンマ漁の漁師(70))「サンマの時期になると200カイリ(排他的経済水域)の外に何百隻って。ズラーっとすごい数の中国船です。去年までサンマ漁に行っていたから、取り合いだよ、本当に」
処理水の放出後も、三陸沖の公海上で、多くの中国漁船と遭遇したと言います。
(サンマ漁の漁師(70))「そばに行くとさ、汽笛ばーっと鳴らして、そばをすれすれを通って行ったり、そういうトラブルはしょっちゅうある。花火打ち上げられたり、邪魔だっていう感じでもう大変なんですよ。日本船が邪魔される。船が大きい、相手は船がすごいんだもん、750トン。こっちはせいぜい200トンしかねえじゃん。あとは避けるしかない」
別の漁師も…
(カツオ漁船の漁労長)「中国はおかしな船はたまに見るけど、何をとっているか分からない。自分の言いたいことだけ言って、やりたいようにやっているだけ」
■“航跡分析”で浮かぶ三陸沖操業の実態
中国政府が日本の水産物の禁輸を続ける一方で、中国漁船が日本近海で活発に操業しているという矛盾。我々は実態を探るため、浙江省舟山市の漁港に向かいました。
(尾崎文康記者)「ここは浙江省にある中国有数の規模の港です。朝から漁師たちで活気づいています」
漁船から次々と運び出される籠。中にはカニがびっしりと詰まっています。港には水揚げされたばかりの様々な魚が並べられていました。港近くの飲食店はこの賑わいです。テーブルにはカニや貝を使った海鮮料理が並んでいます。
(店主)「一人前ですか?」
(客)「はい」
(海鮮料理店の店主)「海洋放出した直後はみんな緊張した。商売ができなくなるとか、海鮮を食べられなくなるとか心配していた。今、政府は特に何も言っていないし、食べる人は分かっているよ。今は夏休みなので、一番売り上げがある。商売はうまくいっている。今は競争がすごく激しい」
一時は、“海鮮離れ”が起きた中国国内も今は少し落ち着いたように見えます。
(尾崎文康記者)「この大きな港ではひっきりなしに船が行き交います。中には豊かな漁場を求めて日本の近海まで漁に出る船もあると言います」
漁港で取材を進める中で、実際に日本近海で漁をしている漁師に出会いました。
(日本近海で漁をする漁師)「私たちは日中の境界線あたりで漁をしている。公海のはずだ」
Q.何日かかるんですか?
「1日以上かかるよ、だいたい30時間」
Q.帰ってくるのは何日目?
「はっきりとは言えない。風にもよるし、船がいっぱいになるまでとるから」
Q.なぜ日本に近い「公海」へ行くのか?
「漁師によっては、(日本近海での)漁が習慣になっている。遠い漁場を好む漁師もいれば、近くを好む漁師もいる」
船舶が発信する信号から操業状況などが分かるサイトを使って舟山港を拠点とする、ある中国漁船の動きを追ってみると…。4月に舟山港を出発。韓国の釜山を経由して、日本海を北上。津軽海峡を通り抜けて、三陸沖の公海上に到着しました。この周辺は親潮と黒潮がぶつかる世界屈指の好漁場です。船の動きから、この海域で繰り返し漁をしていることが読み取れます。この中国漁船は今も海上にとどまったままです。さらに直近1カ月の中国漁船の操業エリアを見ても、中国の沿岸部だけでなく、やはり三陸沖など日本近海に多くの中国漁船が押し寄せ、漁をしていることが分かります。
Q.(中国政府は)日本の海産物を全部禁輸にしているが、日本と同じ漁場でとっていることをどう思われますか?
(漁師(70))「それは変な話だけどね、我々とすれば納得はいかないけど中国のやることだから、どうしようもないことじゃないですか。中国はやっていることが矛盾してるから、何言ったって無駄ですよと思ってみんな諦めてると思う」
■「ピンチはチャンス」“禁輸”契機に販路拡大
中国の禁輸措置で大打撃を受けた日本のホタテ。北海道では大量のホタテが行き場を失いました。函館にある水産加工会社。
(草薙和輝アナウンサー)「こちらの会社でも、中国の輸入全面停止の直後、大量の在庫を抱えていたということです」
(きゅういち中西由美子取締役)「一番上まで積みあがって、この辺くらいまで在庫がありました」
Q.量としては何トンくらい?
「数十トン」
数十トンのホタテの在庫を抱え、窮地に追い込まれたこの会社。そこで…
(きゅういち中西由美子取締役)「どうせ中国に出せないのであれば何かしらの販路を作りたいなと思って…」
すぐにネット販売に乗り出します。
(きゅういち中西由美子取締役)「販売先を見つけることも大変なので、まずはやってみようということでピンチをチャンスに変えたというか」
ネット販売は好調で、数十トンあった在庫は半年で完売。そして、次の手に打って出ます。
(きゅういち中西由美子取締役)「新しく入れ替えました“トンネルフリーザー”になります。ホタテを急速冷凍する機械」
「ホタテが冷凍されて出てきていますね」
今年1月、生のホタテを8分ほどで冷凍できる巨大なフリーザーを新設。短時間の冷凍で品質が向上しました。さらに先月には、数千万円かけて、ホタテを選別する機械も導入しました。
(きゅういち中西由美子取締役)「サイズごとにここからホタテが出てくるようになっています」
「分かりやすくMとかSとか」
Q.中国に出荷しているときは、大きさ重さを分けるということはしなかった?
(きゅういち中西由美子取締役)「全然していないですね。殻付きのままで送っているので。国外への販路拡大というのも視野に入れて、選別したホタテを望まれる機会も出てくるかと思いますので、そこも踏まえて導入しました」
今年6月には、メキシコから視察団を受け入れるなど、海外販路の拡大を目指しています。
(きゅういち中西由美子取締役)「一つの売り先に偏ってしまうと、経営リスクは上がってしまうので中国以外の海外他国に向けても是非、販路拡大していきたいなと思っています」
8月25日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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