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【報ステ解説】「プーチン権威失墜に成果」ウクライナ“越境攻撃”拡大の狙いは【報道ステーション】(2024年8月19日) -芸能ニュース/炎上まとめ

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ロシアによるウクライナへの全面侵攻からまもなく2年半。

ウクライナは、今月上旬からロシア西部の州に越境攻撃を続けています。

ウクライナ軍同行のもと、ロシア・クルスク州に入ったCNNの取材班。軍事的な理由から映像のチェックは受けたものの、編集に対する指示はなかったそうです。

路上には、ロシア兵の遺体が放置されていました。

CNN・ウォルシュ主任特派員
「レーニン像も無傷では済まず、ウクライナ軍による執拗な攻勢を前に、敵兵を押し戻すことなく、難攻不落を誇ったロシア領が陥落しました。激しい戦闘で被害を受けた道路です。いまも戦闘が続いているのは明らかです」

地元住民の多くは避難しましたが、やはり残る人もいます。

長く暮らした土地を離れるわけにはいかない。ロシア軍の攻撃にさらされたウクライナの人々と同じ声がここでも聞こえてきました。

街に残る住民
「どうなるのか、わからない。平和な生活に戻る以外に望むものはない」
街に残る住民
「避難したかったらしている。なぜ避難しなければ?50年、住んでいるのに。娘や母の墓が、ここにある。私は私の土地に住んでいる

アメリカにも秘密裏に行なわれたとされる越境作戦。ロシアが外国軍に本格的な進軍を受けるのは、第二次世界大戦後、初めてのことです。

ウクライナ軍ドローン部隊の兵士は、こう語りました。

ウクライナ兵
「ロシア人は戦争を望んでいたので、戦争を食らった」

ウクライナ軍は、支配を確実なものにしようとしています。川にかかる橋を次々と破壊しているのです。

この地域には、ロシア軍の補給路となっている橋が3カ所あるとされています。

ウクライナ空軍・オレシュチュク司令官
「橋がさらに1本減った。空軍は精密爆撃で敵の兵站(へいたん)能力を奪い、戦闘の行方に大きな影響を与えている」

総司令官によりますと、ウクライナ軍が掌握したロシア領は、東京23区の倍近くにあたる1150平方キロメートル。

3本目の補給路の橋が破壊されたとの情報もあり、そうなればウクライナが進軍する地域の拡大につながり得る事態です。

狙いは一体何なのか。ゼレンスキー大統領が、狙いについて、初めて言及しました。

ウクライナ・ゼレンスキー大統領
「ロシアの戦争を続ける能力を可能な限り破壊し、最大限の反撃活動を行う任務です。侵略者のクルスク州に緩衝地帯をつくる作戦も含まれます」

大統領の側近からは、ロシアを和平交渉のテーブルにつかせるためとの声も出ていて、目的は一つとは限りません。

一方、予想外の越境攻撃を受け、面子丸つぶれのプーチン大統領。戦力を結集して、撃退に当たってもおかしくない事態ですが、いまはただ“対テロ作戦”として、対応しているにすぎません。

住民からは、こんな声が上がっています。

「我々は見捨てられた」
「何の説明も受けていない。“特別軍事作戦中”だと。よくわからない。我々は誰にも必要とされていない」

◆ロシア情勢に詳しい防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。

Q.越境攻撃から約2週間が経って、見えてきたことは何でしょうか。
 
ウクライナ側の狙いは2つあります。軍事面では、ロシア優勢の東部戦線からロシアの兵力を引き離す。これは、いまのところ、一部戦力が転戦したようですが、戦況に大きな影響は出ていないようです。もう一つの狙いは、政治面で、プーチン大統領の権威を失墜させるということ。第二次世界大戦後、初の外国軍によるロシア領内への越境攻撃ですので、ここに関しては、すでに一定程度の成果を上げているのではないかと思います。

Q.権威の失墜ということですが、具体的には、どういうことでしょうか。
これまでにプーチン大統領は、国内の安定を掲げて、国民から強い人気を博してきましたが、今回、第二次世界大戦以来、初めて、ロシア領内への地上侵攻を許したことで、プーチン大統領のメンツがつぶれてしまったといえます。
戦争が2年半、経とうとしていますが、ロシア国内の厭戦機運の高まりを恐れて、追加の強制動員に踏み切ることができなかったわけです。戦場に送るのは、あくまで志願兵だけであって、今回、“徴集兵”、兵役での義務で防衛に就いていた人たちが、ロシア国内で戦火に巻き込まれてしまって、犠牲者が出てしまっている。ロシア国内が、一気に戦場になってしまって、徴集兵が犠牲になりつつある。ロシア国民が、戦争をより実感する状況になってきました。このなかで、反戦機運が高まることをプーチン政権は、かなり警戒しているのではないかと思います。

政府系機関の世論調査財団が公表したクルスク州への攻撃後の調査で、「ロシア当局に憤りを感じた」と回答した人が25%いました。1週間前から急増しています。

Q.この数字をどう評価しますか。
数字に変化が見られ始められているということです。昨年6月にロシア国内でプリゴジンの反乱がありました。あのときも数字の変化がみられましたが、今回は、それに次ぐような形で政権に対する不信感が高まる兆しが、すでに見え始めているということです。プーチン大統領としても、状況を放置しておくと、危険な状況、ギリギリの状況に追い込まれる可能性があるので、何か、次の手を打って出る必要があるということだと思います。

Q.打つべき手とは、どういうことでしょうか。
プリゴジンの反乱はすぐにおさまりましたが、何とかして、ウクライナ軍の越境攻撃を直ちに解消しなければならない。しかしながら、そのためには、東部などに進軍している精鋭部隊を転戦させて、国内の防衛に集中させる必要があるということだと思います。

Q.プーチン政権が倒れるところまでいく可能性はありますか。        
プーチン大統領は難しいジレンマに直面していると思います。東部から兵力を引き離したとしても、今度は、東部での戦争目的が達成されなくて、こちらでも、これまでの戦争は何だったのかと、政権への批判が高まる可能性もあるので、どちらをとったとしても、これまで以上に国民が戦争をより肌身で実感しながら、厭戦機運が高まる危険は、これまで以上にリスクが出てきた可能性があります。だから、これまで同様にどこまで強権統治で、それを抑え込むことができるのかも、今後のウクライナ軍の越境攻撃の行く末にかかっていると思われます。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2024
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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