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「石丸構文」は典型的な「京大話法」である…京大卒社会学者が石丸氏の「質問返し」になつかしさを覚えるワケ|ニフティニュース -芸能ニュース/炎上まとめ

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東京都知事選挙で2位に躍進した前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の言動が「石丸構文」としてネット上で話題になっている。神戸学院大学の鈴木洋仁准教授は「石丸氏はネットを中心に支持を広げてきた。もともと『援軍』であったはずのネットで早々に『おもちゃ』にされている背景には、石丸氏に対するネットユーザーの『悔しさ』があるのではないか」という――。■「石丸さん、サブウェイ注文できるかな」

東京都知事選挙で165万8363票(得票率24.3%)を獲得し、2位に入った前安芸高田市長の石丸伸二氏が、「ネットのおもちゃ」にされている。

都知事選開票特別番組での質問に質問で返すなどの「かみ合わない」やりとりが「石丸話法」と呼ばれ、タレントのふかわりょう氏の「【心配】石丸さん、サブウェイ注文できるかな。」というポスト(投稿)をきっかけにX(旧ツイッター)上で「石丸構文」として、大喜利状態が続いている。

「SNS戦略」の操り手と称され、都知事選ではSNSを中心に支持を集めてきた。そんなネット上の「勝者」であるはずの石丸氏が、遊ばれているのは、なぜか。

石丸氏は、都知事選で多くの票を獲得した理由について、みずから「ネットを駆使したという評価もわからなくはないが、ネットに頼ったつもりは全くなく、街頭演説228回はどの候補よりも多かった」と振り返っている。

実際、石丸氏の公式YouTubeチャンネルにアップされている動画の再生回数は、飛び抜けて多いわけではない。6月12日の30秒ほどの動画が206万回再生(2024年7月11日時点)で目立つぐらいで、街頭演説は最多でも17万回再生である。少ないとは言えないものの、この数字だけを見れば「ネットを駆使した」とされるほどではないだろう。では、なぜ、「戦略」とまで言われるのだろうか。

■なぜ「無党派層」から支持を集めたのか

周知の通り、石丸氏の演説などを切り抜いて、再編集した動画が、かなり見られているからである。たとえば、YouTubeチャンネル「ReHacQ リハック」でのインタビューを抜粋した58秒ほどの動画の視聴回数は、196万回を超えている。元の動画も61万回を超えているとはいえ、47分52秒もの動画を真剣に、最初から最後まで見られる人は、珍しい。

「戦略」と言えるとしたら、石丸氏やその陣営が、動画の切り抜きや共有を促したところにあるのではないか。ただ、LINEで友だちに広めてほしい、とか、ハッシュタグをつけてXで拡散させてもらいたいなどと呼びかけるだけなら、支持は広がらなかっただろう。

石丸氏が支持を集めた理由は、彼が「政治屋」と定義する既存の権力に対するアンチテーゼをはっきりさせていたからである。安芸高田市時代には、議会出席中の議員に対し「居眠りしている」と指摘、「恥を知れ」と怒鳴りつけ、今回の選挙でも自分は政治家の地位にこだわっているわけではない、と強調したからである。これまでの勢力とは違う、それが彼のアイデンティティーであり、「切り抜き動画」を見る人たちのフックとなってきた。

かつて小泉純一郎氏が「小泉内閣の方針に反対する勢力は、すべて抵抗勢力」と名指ししたように、石丸氏以外はすべて「政治屋」であるかのように見えたから、無党派層から多くの票を呼び寄せたのである。

■援軍から早々に「おもちゃ」にされている

これだけなら、そう珍しい話ではない。半世紀近く前には、河野太郎・デジタル大臣の父・河野洋平氏らの「新自由クラブ」が注目を集めたし、その後も、30年ほど前には、小池百合子・東京都知事も一員だった「日本新党」が台風の目になった。1995年には、東京都知事にタレントの青島幸男氏が、大阪府知事にはお笑い芸人の横山ノック氏が、それぞれ当選している。

時代は常に「新しい」政治家を求めてきたし、石丸氏もまた、その流れに連なっているだけだと考えれば、話は簡単である。

しかし、石丸氏の「新しさ」は、援軍であったはずのネット上から早々に「おもちゃ」にされているところにある。

槍玉にあがっているのは、主に、日本テレビ系列のネット番組での社会学者・古市憲寿氏とのやりとり、そして、フジテレビ系列「Mr.サンデー」での元乃木坂46の山崎怜奈氏とのやりとりの2つである。

とりわけ前者が、X上で「石丸構文」という大喜利の元になっている。その会話、というよりも、お互いにお互いの話を聞くつもりがない(ように見える)スレ違いについて、どちらが悪いとも良いとも述べるつもりはない。

■ネットの風雲児から、パワハラをする恫喝者へ

それよりも、石丸氏の会話が「ネットミーム」になっているところに注目したい。ネットで会話がいじられる対象だった小泉進次郎氏と比べると、石丸氏の特徴が際立つからである。

すでに、X上で「石丸構文」と「進次郎構文」を並べたネタは多い。ただ、後者がバカにされたり揶揄されたりする、微苦笑を誘うのに対して、前者には怒り、あるいは恐れを感じる人が多いのではないか。

進次郎氏のテレビでのやりとりもまた、かみ合っているとは言いがたい。とはいえ、石丸氏ほどのアクの強さはない。地方の首長経験をもとに既存の政治家に向かって「No」を突きつける姿勢では、元大阪府知事・橋下徹氏や、前の兵庫県明石市長・泉房穂氏と似ているものの、石丸氏は、マスメディアの「お約束」には収まらない。

古市氏や山崎氏といった、テレビのなかでは若者代表=良識派・改革派とみなされる2人に向かって、石丸氏がケンカを売っているように見えるからである。ネットユーザーにとって、その3人は、みんな味方だと思っていたのに、石丸氏だけがパワハラをする敵、というか、宇宙人というか、部外者に映ったのではないか。

石丸氏が「おもちゃ」にされる理由は、こうしたパワハラ的な言動だけではない。もっと根本的な原因があるのではないか。

■Xユーザーが抱える「アンビバレントな感情」

それは、ネットユーザーの「悔しさ」である。ネットの王者、というイメージ(だけ)が広まり、無敵艦隊のようになった石丸氏が、縦横無尽に動き回る様子を見て、苦々しく思っていたのではないか。ネットユーザーこそ、彼の躍進を認めなければならないのに、認めたくない、そんなアンビバレントな感情を抱えているように見える。

ただ、ここで「ネットユーザー」と、ひとまとめにするのは不正確だ。JX通信社の「長い時間を使うメディア」別の支持動向の調査・分析によれば、石丸氏はYouTubeの動画視聴者では1位であるのに対して、Xユーザーでは、小池、蓮舫、両氏に次ぐ3位にとどまっている。先に述べたように、YouTube上では、石丸氏の演説などの切り抜き動画が多く拡散されているからなのか、それとも、もともと彼の言動がYouTubeユーザーに刺さっているのか、どちらにせよ、彼の支持基盤はそこにある。

■なぜXとYouTubeで反応が分かれるのか

対して、Xでは、石丸氏は、それほど人気を集めていたわけではない。いつもどこかで誰かの揚げ足をとったり(炎上)、あるいは逆に、褒め称えたり(バズる)、といった、良くも悪くも「熱い」ユーザーの多いXには、石丸氏の言動は受けていないのだろう。YouTubeは、Xと比べれば炎上もバズも起こりにくい。動画の時間の長短にかかわらず、悪く言えば第三者的に、良く言えば素直で純粋な視聴者として、見ているだけ、だからである。

石丸氏自身も、Xのアカウントでは、ほとんどリプライ(返信)をしていない。いつも「レスバ」で盛り上がっているXユーザーにとって、彼は、ネット上で絶大なる人気を誇りながらも、ほぼ相手にしてもらえない「高嶺の花」だったのではないか。そこに今回の「石丸話法」が格好のネタとしてハマったのではないか。

■「石丸構文」より「京大話法」

最後に、個人的な感想を付け加えたい。

石丸氏をめぐっては、彼の特質を生まれつきだとする議論も見られる。これまでならタブーだったはずの言い方すら許されるほど、彼には何を言っても良いかのような空気である。石丸氏が、批判を恐れずに何でも言っている(かのように見える)から、彼に対しても何でも許される、そんな雰囲気があるのではないか。

それも含めて、彼と彼の話し方が、ネット上を席巻しているのだが、個人的には、「懐かしさ」を覚える。石丸氏とほぼ同時期に京都大学に在籍していた筆者から見れば、彼の話し方はいかにも京大生らしい=「京大話法」だからである。相手の話の前提や定義を問うたり、議論の立て方そのものを議論したりする。「そもそも論」と言えば、聞こえはまだマシかもしれないものの、実態は「堂々めぐり」である。

少なくとも、私が学生だった20年ほど前の京都大学では、それを議論と言って良いのかどうかわからない、言い合いというか、ことばのスレ違いが頻発していた。

石丸氏自身も、おそらく「京大話法」の異質さに早い段階で気がついたのだろう。彼はいつもどこでも誰とでも話がかみ合わないわけではなく、たとえば、「ABEMA Prime」の番組内では、大変スムーズかつわかりやすく、会話を進めていた。Xユーザーにとっては、そうした姿もまた、「石丸構文」で盛り上がる材料になっているのかもしれない。

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鈴木 洋仁(すずき・ひろひと)
神戸学院大学現代社会学部 准教授
1980年東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。京都大学総合人間学部卒業後、関西テレビ放送、ドワンゴ、国際交流基金、東京大学等を経て現職。専門は、歴史社会学。著書に『「元号」と戦後日本』(青土社)、『「平成」論』(青弓社)、『「三代目」スタディーズ 世代と系図から読む近代日本』(青弓社)など。共著(分担執筆)として、『運動としての大衆文化:協働・ファン・文化工作』(大塚英志編、水声社)、『「明治日本と革命中国」の思想史 近代東アジアにおける「知」とナショナリズムの相互還流』(楊際開、伊東貴之編著、ミネルヴァ書房)などがある。
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(神戸学院大学現代社会学部 准教授 鈴木 洋仁)

]...以下引用元参照
引用元:https://news.nifty.com//article/magazine/12179-3198858/

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