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“溺れる人の動作”“離岸流”を検知し警告 相次ぐ水難事故…AI活用で“ゼロ”へ【報道ステーション】(2024年7月9日) -芸能ニュース/炎上まとめ

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相次ぐ水難事故をどう防ぐのか。犠牲者を1人でも減らすため、AIを活用した新たな取り組みが始まっています。

■目に見えない“離岸流”を検知

所村武蔵アナウンサー
「海水浴を楽しむため、海に入っていく人の姿があります。ただ、その海岸線を映し出したモニターを見ると、AIにより離岸流が発生が検知され、警告が出されています」

海辺から肉眼で離岸流に気付くのは困難ですが、AIでの検知。その的中率は8割以上になるといいます。

由比ガ浜監視所 林亮太マネージャー
「今までは人の経験によって、どこで流れが発生しているか、どこが一番危険度が高いか判断していた。このAIカメラは蓄積された離岸流のデータを基に、発生している可能性が高い所を出すので、我々も早期に発見しやすくなって非常に役立っている」

あっという間に沖へと流される離岸流に逆らって泳ぐのは、オリンピックのメダリストでも難しいとされています。海水浴場での溺死事故で最も多い自然要因は、離岸流によるものです。

AIで検知した後は人の力が頼りです。

由比ガ浜監視所 林亮太マネージャー
「連動してアップルウオッチに通知が来る」

離岸流に立ち入っている人がいれば、状況を見定めて離れるよう促しに行くこともあります。

実際、沖まで流されたことがある人は…。

男性
「気付いたら何十メートルも離されていた。(Q.離岸流をAIで感知するシステムは)知らなかった。分かりやすい。浅瀬で遊ぼうとなる」

由比ガ浜では、このシステムを導入する前と比べて、離岸流による事故が半分以下に減ったといいます。

膨大な海のデータは中央大学に送られ続けています。システムの開発に携わった、中央大学の石川教授です。

中央大学研究開発機構 石川仁憲教授
「現地で離岸流が発生して、それをリアルタイムで解析。AI自体は1秒間に1回解析をしているので、何かあればスマートウォッチかアプリの方に通知できる」

このシステムはすでに全国5カ所の海水浴場で稼働していて、アプリを使えば一般の人も離岸流が発生しているかどうか確認できます。

中央大学研究開発機構 石川仁憲教授
「『監視員減らせますか』という相談も受けるが、そうではなくて。むしろ監視員や救助員の方、ライフセーバーは今以上に必要で。そこをこのAIのシステムがサポートする。そういう位置付け」

■“溺れる人の動作”検知し警告

水難事故による去年の死者と行方不明者は743人。海での事故が最も多いですが、プールでも毎年のように亡くなっています。今月5日にも、小学4年生の男の子が水泳の授業中に亡くなったばかり。プールでも国内初となる、AIカメラを活用した取り組みが進んでいます。

原田学園スイミングスクール 齋藤大さん
「頭の浮き沈みを検知しました。(Q.浮いたり沈んだりしているから溺れているかもしれない)そうですね。AIがそのように判断しました」

重要なのは溺れる前の特徴的な動作を検知すること。例えば「水面をたたく」「頭の浮き沈み」といった動作は海や川でも共通する動きですが、「赤台の下に潜る」「コースロープに掴まりながら溺れる」といった動きはプールならでは。スイミングスクール側から依頼して検知できるようにしてもらいました。人の感性だけに頼らないチェックが可能になったといいます。

原田学園スイミングスクール 商崎淳一さん
「いわゆるダブルチェックができるというのが良い点。実際、検知率は90%以上。十分効果はあると思う」

このシステムの構築にも石川教授が携わっています。

中央大学研究開発機構 石川仁憲教授
「1つのプールで必要な動作をしっかりデータとして取って。そのデータを基にAI学習をそれぞれのプールでやっていかないといけない段階。ある程度(データが)蓄積されていけば汎用性が高まるので、比較的様々な場所で導入しやすい条件になってくる」

■「子どもと常に一緒に行動」

最新技術を使った対策が進められていますが、導入できない場所での対策も必要となります。

AIを使った水難事故防止システムの開発を行い、ライフセイバーでもある石川仁憲教授によりますと、水難事故を回避するため、特に気を付けるポイントは、大きく5つあるといいます。

(1)情報を得る
天気予報などで波や風がどのくらいあるか確認する。危険なら行かない。1つの目安としては風速2~4メートル以下が望ましい。沖に向かって吹く風は、流されると追い付けないのでより注意が必要。

(2)周知する
「誰とどこに行くのか」家族や友達に伝える。

(3)装備
ライフジャケットは必須。なおかつ、きちんと着用することが重要。サイズが合っていないと、ライフジャケットだけが浮いて危険。ずり上がらないよう『股ひも』をつけることも徹底する。海の家でレンタルしているところもある。また、この季節、熱中症になり溺れるケースもあるため、熱中症対策も忘れずに。

(4)状況を観察
現場についたら、すぐに水に入らない。海ではライフセーバーに聞いたり、川では急に流れが速くなったり、深くなっている場所がないか5~10分ほど観察する。

(5)常に複数人で行動
常に複数人で行動して、お互いに見守る。家族で行った時は、常に子どもと一緒に。親が岸・浜にいて、子どもだけで水に入る状況は作らない。海では『沖側』川では『下流側』に常に大人がいることも重要。

さらに、石川教授は自身のライフセーバーとしての経験から、気をつけるべき具体例を挙げてくれました。石川教授が実際に救助した例だということです。

中央大学研究開発機構 石川仁憲教授
「フロート(生き物型のいかだ・浮き輪)を子ども2人で使用していて、1人がフロートから落ちた。足がつかない場所で、落ちた子どもの浮き具がなく危険だった。ライフジャケット着用のうえ、1人に1つ浮き具を用意する。子どもと行く場合は常に一緒に行動する」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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