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■献金1億円超“念書が阻む”救済
母親が旧統一教会の信者だった、中野容子さん(仮名)。7年前、母親がした1億円以上の献金の返還を求め裁判を起こしましたが認められず、最高裁に上告。10日に双方が意見を述べる弁論が開かれました。
弁論は、これまでの判断を変えるのに必要な手続き。中野さんの訴えを退けた判決が見直される可能性があります。裁判前日、心境を明かしてくれました。
中野容子さん(仮名)
「弁論が開かれることになったのは、うれしい気持ちはあります。今までもあまりにも長い、本当に時間がかかったので」
中野さんが献金を知ったのは2015年のこと。80歳を超えた母親のこんな一言でした。
中野容子さん(仮名)(2022年11月)
「『全部お金とられた』と『もう嫌だ』とぼそっと」
調べると、父親の株や果樹園までも売却して1億円以上もの献金をしていました。中野さんは母親とともに教団側に返金を求めます。すると、教団側から示されたのが母親の署名が入った念書でした。
「返還請求などを一切行わないことを、ここにお約束します」
さらに、教団はこんな動画まで撮影していました。
旧統一教会が撮影した動画(2015年)
中野さん(仮名)の母親
(Q. 書類はどちらもご自身の認識に一致するということで手続きしたのですか)
「はい」
(Q.家庭連合に返金請求をすることになっては断じて嫌だということで、本日手続きされたということですね)
「はい」
この約半年後、母親は認知症と診断されました。
中野容子さん(仮名)
「よく物の分かってない母親に平気でああいうことをして、しかもそれを動画に撮る。まともじゃないと思います」
■岸田総理 「念書は違法性の要素」
1審・2審では、この念書が有効と認められ敗訴。しかしその後、状況が大きく変わります。敗訴の翌日に起きた、安倍元総理の銃撃事件をきっかけに、国会でも被害者の救済を阻む“念書”が大きな問題となります。その審議のなかで、岸田総理が踏み込んだのが…。
岸田総理
「念書を作成させる、ビデオ撮影をしているということ自体が、法人等の勧誘の違法性を基礎づける要素の1つとなり、損害賠償請求が認められやすくなる可能性がある」
念書は献金を正当化するものではなく、むしろ違法性を示すものとの見解を示しました。
10日の裁判を前に、中野さんは改めて教団への怒りを口にしました。
中野容子さん(仮名)
「信者だった人ですよね。被害者って。誠実さのかけらもない」
10日の最高裁。母親が行った多額の献金の返還を求める中野さんはこう訴えました。
中野容子さん(仮名)
「統一教会が極めて悪質なやり方で母から取り付けた念書をたてに、返金請求に応じる姿勢が全くなかったために、司法に訴えるしかなかった」
中野さん側が念書の無効を主張する一方、教団側は有効だと主張しました。
旧統一教会側
「念書は、著しく過当な利益を獲得することを目的として作成したものではない」
国が求める解散命令の裁判手続きも行われている教団側。これまでのメディアや世論、政権の動きを引き合いに、裁判所に釘を刺すような主張もしました。
旧統一教会側
「家庭連合を一方的にたたくメディア報道、誘導された世論、世論を恐れた現政権による解散命令申し立てをはじめとする政治的動きが影響を与えたのではないかと危惧している。中立公正の立場から、適正な判断が下されることを願う」
判決は来月11日。中野さんが期待することとは…。
中野容子さん(仮名)
「(Q.同様の被害を受けた方に、今回の裁判どんな影響があると思うか)おそらく念書を取られた人は本当に多いのではないか。ぜひ念書については、きちんとした、こういうものは無効であるという判断を出していただきたいと思っていますし(念書を)取られた方が諦めないで、被害回復をできるようになってほしい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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