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1日、サタデーステーションが訪れたのは大阪の堺市にある鮮魚店です。
(仁科健吾アナウンサー)
「たくさんのお客さんの目の前にあるのがマグロです。解体ショーが行われています」
高知県産の天然マグロが、豪快に捌かれていきます。
買い物客
「新鮮だと思います。魚の目も透き通っていて。安いし、美味しい」
産地直送の新鮮な魚が人気のこちらのお店。鮮度を保つために保存方法にもこだわっています。
水起水産まぐろパーク堺本店 水島一美店長
「ちょっとでも溶けたら鮮度が劣化するので…“鮮度”そこが命なので」
■「年間3割くらい上がる」暑さも影響
お店の人が気にしているのは、1日使用分から値上がりする「電気代」です。これまで政府が物価高対策として行ってきた補助金が5月で終了。東京電力エリアは、去年の6月使用分から1544円上がり、上昇率は20.9%。関西電力は2428円増で、上昇率は最も高い46.4%などとなっています。
取材した鮮魚店では…大型の冷蔵庫に冷凍庫、魚を並べるショーケースやレジなど、電気を使うものだけで140以上もあるといいます。1年間にかかる電気代は…
水起水産まぐろパーク堺本店 水島一美店長
「規模感で言うと(電気代は)数千万単位ですね。うちは、他にも業態がありまして、全店で大体70店舗あるんです。6月から来年5月までの1年間で(電気代が)3割くらい上がる」
電気代の負担が重くのしかかるのは「暑さ」の影響もあります。去年は“観測史上最も暑い夏”となりましたが、今年も、それに匹敵する「災害級の暑さ」となる可能性が指摘されています。
■「災害級の暑さ」を前に電気代値上がり
水起水産まぐろパーク堺本店 水島一美店長
「気温がこれから上がってくるので、(空調など)冷やしこみをしなくちゃいけなくて、電力をより使うって形にはなると思うんですよ」
魚の鮮度を維持するため、製氷機で大量の氷を作っていますが、これにも電気代がかかっています。しかも、厳しい暑さが続くと氷を作るのに3日以上かかることもあるそうです。
水起水産まぐろパーク堺本店 水島一美店長
「鮮度維持のために、氷を無償で提供しているんですよ。(製氷機を)どれだけ稼働するのか、あとは(氷が)なくなったとき、どれだけ頑張ってくれるか、そこが心配です」
■医療現場からは「節電出来ない」
電気代「値上がり」の影響は医療の現場にも…埼玉県・富士見市にあるクリニックにお邪魔しました。耳鼻咽喉科として外来診療や手術などを行っています。毎月の電気代は…
武田耳鼻咽喉科 武田桃子院長
「11~12万円、毎月かかっているみたいで。削れるところは削るけど、なかなか難しい」
治療に欠かすことの出来ない医療機器は、ほとんどが電気を使うといいます。
武田耳鼻咽喉科 武田桃子院長
「鼻の中を撮るCTの検査になります。患者さんがいつ来るかわからないので、診察終了まで電源は入れっぱなし」「ここは手術室で、鼻の手術に関しては、鼻の中の奥の方まで詳細に写すために内視鏡を使います」
手術は1時間ほどかかり、その間、医療機器は稼働し続けています。
武田耳鼻咽喉科 武田桃子院長
「手術時間を30分とか45分とか短くすることはできない。どうしてもコストは削減できないところはあるし、患者さんに請求するわけにもいかないので医療の質の高さっていうのを保ちたいから、すごくジレンマはあります」
医療費は国で定められているため、電気代が値上がりしたからといって、患者に転嫁できないといいます。
武田耳鼻咽喉科 武田桃子院長
「新しいもの(医療機器)を使えずに古いものを使っているクリニックが増えると思うし、医療全体の質が落ちていく可能性は懸念としてある」
◇◇◇
高島彩キャスター)
電気代の値上がりも気がかりですが、それ以外にも今月から値段が上がっているようです。
板倉朋希アナウンサー)
まずは都市ガスです。東京ガスや大阪ガスでは、平均的な家庭で、前の月に比べて1ケ月に121円ほど増えるということです。さらに帝国データバンクによりますと、食品では614品目が値上げされるということで、例えば値上げ品の半分を占める「加工食品」では、ペヤングソースやきそばが、5年ぶりの値上げで193円から214円に。そして「菓子類」は10円程度の値上げ。「アイス類」も、4%~10%上がるということです。こうした値上げの理由ですが、3割の企業が「円安」を理由にあげています。そして、値上げの波はこんなとろにもきています。西濃運輸は一般便や宅配便の運賃が6月から平均で10~20%引き上げると発表しています。ヤマト運輸や佐川急便では、すでに4月から値上げが行われています。さらに、医療機関の診療報酬改定に伴い、6月から窓口での支払が、3割負担の人では、初診の時に最大で219円増えるということです。
高島彩キャスター)
今年に入ってじわじわと値上がりしていましたが、6月に入ってさらにこれだけ値上がりになるということなんですね。物価高対策として、1人年間4万円を差し引く「定額減税」が今月からはじまりましたが、これだけ値上げが相次いでは、「減税の恩恵が感じられない」といった声もあります。
ジャーナリスト 柳澤秀夫氏)
焼け石に水っていう感じは否めないですよね。1回の定額減税で、その効果は限定的だと思うんですよ。さらに今回の定額減税については給与明細に明示しろというのは、どうにも恩着せがましいですよね。
高島彩キャスター)
「これやってるぞ」っていうのは、やっぱりアピールしたいと…
ジャーナリスト 柳澤秀夫氏)
政権浮揚につなげたいんでしょうけれど、今一番求められているのはやっぱり緊急の物価対策だと思うんです。円安で輸出関連企業は収益を上げてるんですよね。そういったところからの還元を政府が促すということも必要ですし、電気代ガス代の補助金を打ち切りましたけど、言ってみれば、まだ痛みや熱がある患者に解熱鎮痛剤を途中でやめてしまうと同じですからね。これはぜひ継続すべきだと思いますね。
高島彩キャスター)
まだ補助金を打ち切るタイミングではないんじゃないかなと感じますよね。そして定額減税も1年間で、一応限定ということですから、これもどこまで効果があるのか、ちょっといろいろと気がかりなところがありますね。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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