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会話が禁じられた謎のメタバース空間「ぷらっとば~す」なぜ炎上? 内閣府の孤独・孤立対策強化月間企画だが……
2024年5月30日(木)12時0分 ITmedia PC USER
5月26日午後から28日にかけて、X(旧Twitter)で「メタバース」がトレンドにランクインし、ネガティブな意見が多く飛び交っていました。その原因をたどっていくと、PCやスマートフォンのWebブラウザから入れる、“スーファミ”時代のRPGゲームのような雰囲気を持つ謎のコンテンツ「ぷらっとば〜す」がありました。
このぷらっとば〜す、実は内閣府が孤独・孤立対策強化月間としている2024年5月に公開したコンテンツです。一体なぜ、悪評飛び交う場となったのでしょうか。
●孤独・孤立対策を"広く知らしめるのが目的"というコンテンツ
性別や年齢問わず、誰にでも起こり得る孤独・孤立の問題。2023年6月7日に「孤独・孤立対策推進法」が公布され、孤独・孤立に悩む日本国民に向けて、国を上げて対策に取り組むようになりました。
特に2024年5月は、みんなで支え合う社会の実現に向けた孤独・孤立対策強化月間の初めての本格実施月として、孤独・孤立対策推進室が特設のメタバース空間「ぷらっとば〜す」を活用した広報・イベントなどを実施してきました。
とはいえ、行政が直接メタバースコンテンツを作ったというわけではありません。国や独立行政法人、地方公共団体などが公開している入札情報を検索するサイト「官公需情報ポータルサイト」で「孤独・孤立対策強化月間」の情報を検索すると、「『孤独・孤立対策強化月間』の周知のためのコンテンツ作成及び広告業務」において、特設Webページのデザインや広報用動画の作成、イメージキャラクター作成、広告企画をアウトソーシングしていたことが分かりました。
恐らくですが、この「コンテンツ作成・広告業務」の一環として「ぷらっとば〜す」が作られたと考えられます。
●会話が禁じられたメタバース
大型連休中の5月1日にオープンした「ぷらっとば〜す」について、内閣府は4月30日にプレスリリースで事前告知しており、5月20日にも同様の内容のプレスリリースを発信しています。
しかし、どうやら世間の反応が薄かった様子です。一部のメディアが記事を公開し、SNS上でもある程度情報が拡散されるも、実際に体験した人は少なかったようで、感想がほとんど見えてこない状況でした。そんな中、「ぷらっとば〜す」を取り巻く状況が変わったというか、取り巻く人が増えたのが、5月26日にX(Twitter)へ投稿された社会学者・古市憲寿さんの発言です。
要点を抜粋すると
・ユーザー同士のコミュニケーションが禁止
・管理人こと「けいびのひと」アバターが監視しており、コミュニケーション可能なモードにしていると寄ってきて、モードの切り替え案内方法を見せつけてくる
・アクセスできるコンテンツは政府が用意したものだけ
・営業時間は午前10時から午後6時まで
古市さんが「本当に何もできないんです。こんな孤独なメタバースって世界中探してもないんじゃないでしょうか。これを孤独・孤立対策強化月間の目玉として始める人々のことが本当に心配になってしまいます」「常時、運営の方が多いんじゃないかな。広告打ってたり、たぶん無駄に税金はかかっています」と紹介したことで、メタバースを用いた政府の取り組みに対して、ネガティブな目線で反応するSNSユーザーが増えたのではないでしょうか。
●最終的に悪ノリネット民の遊び場となってしまった
筆者は5月1日前後のプレスリリースをチェックしてはいましたが、自分ごとではないと感じてスルーしていました。あらためて古市憲寿さんの発言によって「ぷらっとば〜す」に興味を持った1人です。まずは実際に体験してみなければ判断はできないと感じて公式サイトにアクセスした瞬間、これは危うすぎるとがくぜんとしました。
ぷらっとば〜すは孤独・孤立対策強化月間を周知するためのコンテンツのはずです。しかし、サイトのタイトル名が「ぷらっとば〜す|孤独・孤立強化月間 特設メタバース」だったのです。肝心の“対策”の2文字が削られており「孤独・孤立を強化するためのメタバース」という、意味が逆転する名称となっていました(現在は修正済み)。
本来ならば、コンテンツの入口、ランディングページとなる公式サイトの名称は念入りに校正・校閲するべきです。しかし「後から見る人がチェックするはず」「先に見た人が確認したはず」と“仕事猫”が集まった現場のように、校正・校閲が機能していない。これではサイト内の他のコンテンツや、ぷらっとば〜す内で記されているであろう文言に信頼を寄せることができません。
気を取り直してぷらっとば〜すへのログイン作業を進めると、入場前の設定項目や入場後の作業の説明、BANされる条件があれもこれもとズラリ並んでいます。ログインをさせたくないのではと感じるほどです。
ログインしてからも、ワールド内に「ユーザー同士のコミュニケーション禁止」「静音モードのスイッチを設定」といった禁止事項が書かれたパネルが貼られまくっています。
設定変更をしていないユーザーのアバターには「けいびのひと」アバターが寄っていって(1人のアバターに、2人の「けいびのひと」が付きまとい続けて)、設定変更のための案内をかたくなに見せつけてきます。頻繁に「設定を変更してください」といった音声アナウンスも流れます。
これはひどい。そもそもメタバースの重要な定義の1つにコミュニケーションがあるのに初手から禁じてくるし、コミュニケーションをさせないための機能設定もユーザーに押し付けてきます。
ぷらっとば〜すは企業内で、あるいはグループ間でのリモートワーク時に、自然なオンライン通話ができるという触れ込みのバーチャルオフィス「Gather」をベースとして作られたメタバースゆえに、コミュニケーション機能が前提として備わっています。しかし今回のようなケースにおいて、これらの機能をOFFにすることはできなかったのでしょうか。いったいどのような開発の経緯となったら、ここまでユーザーにストレスを与えられるコンテンツが作れるのでしょうか。
そうこうしているうちに、ぷらっとば〜すのログインユーザー数は200人を超えました。数字だけを見れば盛況といえるでしょう。しかしテキストチャットはできなくてもユーザー名でコミュニケーションできることに気がついたユーザーが自由勝手な振る舞いを加速させていきます。
2ちゃんねる時代の匿名掲示板のノリをご存じの方は、見た覚えがあるはず。これは「VIPから来ました」のノリそのものです。ネット民の悪ノリによって、行政が伝えたかったメッセージはほぼ見えない状態となりました。
●余裕があるスケジュールならばこの事態を回避できたのでは
どうすれば、このような事態を防ぐことができたのか。筆者なりに考察してみました。そこで見えてきたのが、制作期間が極めて短かったのではという点です。
「孤独・孤立対策強化月間 企画 制作」などの文字列で検索すると、告知日が2024年1月15日、入札日が1月30日の公募と、告知日が2024年3月8日、入札日が3月26日の公募が見つかりました。
どちらがぷらっとば〜すの制作に関わる公募かは判断できません。しかし5月1日に公開するコンテンツをプラットフォームごと制作するというのは無理難題すぎます。有り物のプラットフォームを使って実装するにしても、数カ月の制作期間を必要とするでしょう。
しかも、例えば「チャット機能を使わせるとして、マルチビジネスをしているユーザーとか、未成年者につきまとうような怪しいユーザーがきたら、どうするんだ! 問題がおきたら責任はどう取るんだ!」の1点ですら、数回、数週間のミーティングを必要とするはず。
メタバースの定義が完全に定まっているわけではなく、共通の理解を周知させる時間もありませんから、クライアントが説明した要件を満たすだけで精いっぱい。制作会社が顧客が本当に必要だったものを追求したいと考えていたとしても、時間が足りなかったのではと考えられます。
つまり問題となるのは、2024年5月に孤独・孤立対策強化月間を実施すると決めた行政が早い段階で要件のイメージをまとめ、余裕を持ったスケジュールで入札告知をすることだったのではないでしょうか。またこういう公募を行うこと、その周知にコストをかけるべきだったのではないでしょうか。
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]...以下引用元参照
引用元:https://news.biglobe.ne.jp/it/0530/imp_240530_0077098915.html