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炎上案件、めちゃくちゃ怒る上司……「そんなの知らんがな」でやり過ごしたほうが“仕事で輝ける”納得の理由
2024年5月30日(木)7時0分 文春オンライン
初の著書『 クリエイティブジャンプ 』が話題の、Z世代経営者でホテルプロデューサーの龍崎翔子さんと、『 コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル 』がロングセラーとなるメン獄さんの初対談が実現。超絶ハードワーカーの2人が語り合う「命を燃やす」働き方のすべて。
◆◆◆
「不甲斐ねー」という気持ちで泣きそうになった
龍崎 今日初めてお目にかかるのがすごく楽しみで、ここに来るまでのあいだ新幹線の中で、『コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル』を読み返していました。読むのは3度目なんですが、読み返すたびに受けとる印象がすごく違うんですね。
ちょうど、伴走していたナショクラの新規事業がローンチしてひと区切りついたタイミングだったこともあり、自分の仕事を振り返って「不甲斐ねー」という気持ちで本に共感して、本当に泣きそうになりました。メン獄さんが仕事の壁にぶつかったときの言葉がものすごく解像度高く心に刺さってきて。
メン獄 ありがとうございます。外資系の大手コンサル会社にいた12年間、まわりは優秀な人ばかりで、もうずっと不甲斐なかったんですよ。どうしたら、僕はこの状態から解放されるんだろうってずっと模索していました。龍崎さんでもそう思うことがあるんですね?
龍崎 ホテルをやっていると、自分のダメさ加減を定点観測できて、最近とくに過去の自分はクソガキだったなと思うんです。例えばマネージャーとのミーティングひとつとっても、5年前なら、アジェンダや資料に不備があったら「なんで?」って激詰めしてたと思う。
メン獄 わかります(笑)。
龍崎 でも今なら、「一緒に作業しようか。できたら教えてね」と、働く人が安心してステップアップできるようサポートすることができるようになりました。
メン獄 東大在学中に起業されてますけど、スーパーバイザーとかいたんですか?
龍崎 私よく黒幕がいるだろうって言われてきたんですが(笑)、投資家や経営のプロがバックについたことって一度もないんですよ。一緒に起業した母はホテル経験もなく、大学の教員だったのでビジネス経験すらありませんし、その後加わってくれた仲間も私同様、ホテルや経営に関しては素人で、みんなで知恵を絞ってなんとかやってきた感じです。
「必要なリスクは取れ、でも無謀はやめろ」
メン獄 コンサル会社にいる若い子たちは龍崎さんに憧れている人が多いんですよ。でも実際、自分で起業に踏み切れる人はすごく少ない。そこで、潤沢に予算のあるクライアントの新規事業案件に取り組むんだけど、「僕がやりたいのはこんなのじゃなくて」とか言う。別に退路を断てば自分で起業できるはずなのに、なかなかリスクが取れないんですよね。
新著『クリエイティブジャンプ』は、東大卒Z世代女性起業家というラベルの裏側にある泥臭いフィールドワークが詰まっててすごく面白かったし、手元のカードで勝負するしかない逆境から逃げない覚悟に敬服しました。とにかく現地に飛び込んで行動しないとダメだぜ、というのがよくわかる一冊(笑)。「必要なリスクは取れ、でも無謀はやめろ」は至言でしたね。
龍崎 すごく嬉しい感想をありがとうございます。起業に興味のある方たちからよく、飽きることは怖くなかったか?と聞かれるんです。例えばホテルなら、一度建てたら40年、50年そこに根を下ろして事業をするわけですし。コンサルタントは、3ヶ月とか半年とかひとつの業界のプロジェクトをやったら、次の業界の案件にいけるから、飽きないですよね?
メン獄 確かに、ものすごいスピードでプロジェクトに入っていくのは得意ですが、「勝てる」って思った瞬間に飽きてしまうんですよね(笑)。
龍崎 賢い人は飽きちゃうんですよ。事業で肝心なのは実は「飽きる」問題だと思っていて、私がもしホテルを「好き」で始めていたら、とっくに飽きてしまっていたかもしれない。むしろ、「ホテルってなんでこんなに面白くないんだろう」という、幼少期にアメリカ横断旅行で強く感じた渇き——自分だったらもっと面白くできるのにという課題意識がベースにあるから続けてこれたんだと思います。
「好き」だとマイブームと見分けがつかないので、それとは違う軸で「宿命めいたもの」とどう出会うかが肝心な気がしています。
コロナ禍で医療DXの世界に転職
メン獄 まさにそうで、良くも悪くも自由な環境下で、コンサルの仕事は「宿命」が定まっていない感覚が僕の中にはありました。一生かけて己が取り組むべき課題が誤魔化されてしまっている気がして。
折しもコロナ禍が席巻するタイミングで、医療というバカでかい問題に取り組んでいる同世代の仲間に会えて、医療DXの世界に転職しました。医療業界の抱える問題は、健康なときはあまり気付かないものですが、お医者さんは目の前の患者さんに集中する中で、医療の仕組みをマクロで見て、未来につながるよう変えられる人間がなかなかいない。
自分が歳をとってからでは変えられるパワーが残ってないから、そうなる前になんとかしたいという思いでスタートアップ企業に加わったんです。
龍崎 最近ちょうど『王の病室』や『ブラックジャックによろしく』など、医療業界に切り込む系の漫画を読んでて刺激を受けていました。
メン獄 面白いですよね。「コスパに合わないからやめます」と投げ出すわけにはいかない世界は。たくさんのお医者さん、看護師さんと会話する中で、自分がいかに資本主義に脳みそがやられていたかを痛感する日々です。
龍崎 私も産後ケアリゾートを運営しているので、ビジネスと医療の相容れなさを感じています。ビジネス側のスタッフも、お客さんを幸せにするために働いているけれど、実際目の前でお客さんのケアをできるわけじゃない。一方、医療職の方々は、お金の心配はしないで目の前の仕事に集中するよう育成されているので、両方のプロフェッショナルたちの視点を揃えて、働き方の環境を整えて、目指す方向をチームとしてチューニングすることがとにかく大変でした。
現場に出て、人の話を聞いてチューニングする大切さ
メン獄 それって超高齢化社会の中で一番折り合いつけなくてはいけないテーマで、本当はいろいろな場面で、みんなで時間をかけて話さないといけないこと。難しいけれど、コンサルの仕事に比べて圧倒的なリアリティがあります。現場の先生たちや地域の役所の人たちと話して、問題意識を共有し、「これなら使えるんじゃない?」と少しずつDXを進めています。やっぱりどんな新規事業も、結局は現場に出て、人の話を聞いてチューニングしないと物事は進まないですよね。
龍崎 現場で一次情報を拾いにいくって本当に大切で、何回提案しても通らなかった話が、一回一緒にご飯食べたり、一回一緒に視察に行くだけで、一気に話が進むことがよくあります。ただ身体は一つだから自分ができるキャパにも限界があって、ご著書に書いてあった「自分がちゃんと集中して考える時間を作り出すのがマネージャーの義務」という指摘は、まさに自分に必要な言葉だと感じています。
メン獄 頭を使う時間の確保は生命線ですからね。やっぱりコロナ禍のときがホテル業界的には一番きつかったですか?
一時は精神状況も悪化して、不眠と過食に悩まされて……
龍崎 意外に、緊急事態宣言が出て1年くらいは楽しんで対処できたんです、アドレナリン出まくりだったから。同世代の起業を目指す人たちが「今の日本はペイン(痛み)がない」とか言っていた世の中に急に世界的にバカでかいペインが平等に降り注いだ。売上は95%落ちたけれど、今こそ面白い挑戦ができるタイミングなんじゃないかと思いました。
ホテルを5棟見ながら、新しい事業を4つ走らせたため、毎日がミーティングでぎっしり埋まって、まとまって考える時間が全く取れてなくて、それでもクリエイティブジャンプが求められる日々。もう脳がちぎれるような感覚でしたね(笑)。
仲間たちもめちゃくちゃ頑張ってくれたので、結局売上は3割減くらいで耐え抜けました。ただ、本当の苦しさがやってきたのは、コロナ禍が終わった翌年。新しい事業が沢山できたことで、それまで活躍できていた人がそうでなくなったりして、わりとメンバーが辞めたんです。私はみんなの給料とボーナスをかき集めようと必死だったのに社内で温度差が出てしまって、一時は精神状況も悪化して不眠と過食に悩まされました。
メン獄 よくぞ生き延びましたね! そうやって考えると、サラリーマンは気楽だ(笑)。
龍崎 でもメン獄さんの本読んでると、どう見ても働き過ぎだと思いますよ。究極のハードワークでもサバイバルする極意を教えてほしいです。
「そんなの知らんがな」と割り切るからこそ、やり過ごせる
メン獄 1個ミスすると全部が崩壊するようなギリギリの状態って、不思議な脳汁出るじゃないですか。あれ、すごく好きなんですけど、長時間やってると身体がバラバラになるから、モードの切り替えがすごく大事。スイッチを切るメリハリが。
あとは「そんなの知らんがな」——それで僕は精神のバランスを保ってきましたね。炎上案件とかめちゃくちゃ怒ってる上司とか、いろいろなのが降りかかってくるけど、サラリーマンの人生の8割はそういうものとの戦いなんですよ。
組織には変な落とし穴が一杯あるから、自分がやったわけでも、聞いてもいないことで、突然叱られてしまう。内心「知らんがな」と割り切るからこそ、「いやー、すみませんね」ってやり過ごせる。経営者はそうもいかないだろうから、辛さのレベルが違うと思いますが。
龍崎 やはり、たくさんのローンも抱えていますし、多くの方が働いてくださっているので、重荷に感じている部分はとても大きくて、どうやって会社を守っていけばいいのか、自分にその役割が果たせるのか、ずっと悩んでいました。ただ、パンデミックの最中、ある会社を経営されていた方に「もしこのままコロナがおさまらなかったらどうします?」と聞いたら、「そうなったら、サーフィンして過ごすわ」と言われたんですね。そんな考え方があるのか!と目から鱗が落ちるような気がしました。
自分が築いてきたものを守る気持ちも大事だけど、「ダメになったら楽しく過ごせばいいじゃん」みたいな人格を心の中で宿しておくことがお守りになるな、と。そういうゆとりこそが、ヘルシーに働き続けるうえでも、クリエイティブジャンプを生むにも絶対に必要なこと。まさに、「そんなの知らんがな」という圧倒的無責任を根底にもつからこそ、命を燃やして働けるというパラドックスがあると思う。
どこでなら、自分の命が輝くか?
メン獄 結局のところ、働く場所も、働き方も、どの道をいくべきという正解はない。でもどこでなら、自分の命が輝くか? に尽きると思う。僕はサラリーマンとしてコンサルをやるのも楽しかったけど、人の事業のサポートで大きなお金をもらい続けるのは、魂をどこかで蝕まれる気がして、スタートアップ企業に加わった。
どんな場所でも、どんな方法でもいい。自分の魂が仕事で輝いたほうが人生面白いし、社会もハッピーになると思ってます。
龍崎 本当にそう思います。自己責任とか、責任感みたいなものは、背負い込みすぎると脳のパフォーマンスを落とすので、「知らんがな」精神もどこかに宿しながらこれからも仕事を楽しみたいと思います。今日はすごく刺激的なお話をありがとうございました!
メン獄 こちらこそ、ありがとうございました!
龍崎翔子(りゅうざき・しょうこ)
1996年生まれ。ホテルプロデューサー、株式会社水星代表取締役CEO。東京大学経済学部卒。2015年、在学中に株式会社L&Gグローバルビジネス(現・水星)を設立し、北海道・富良野でペンション運営を開始。その後、関西を中心に、ブティックホテル「HOTEL SHE,」シリーズを展開し、湯河原、層雲峡をはじめ全国各地で宿泊施設の開発・経営を行う。クリエイティブディレクションから運営まで手がける金沢のスモールラグジュアリーホテル『香林居』がGOOD DESIGN賞を受賞。ホテル予約プラットフォーム『CHILLNN』や産後ケアリゾート『HOTEL CAFUNE』など、従来の観光業の枠組みを超え、〈ホテル×クリエイティブ×テック〉の領域を横断し、独自の事業を展開する。
メン獄(めんごく)
1986年、千葉県生まれ。コンサルタント。上智大学法学部法律学科卒業後、2009年に外資系大手コンサルティング会社に入社。システム開発の管理支援からグローバル企業の新規事業案件まで幅広く手掛ける。2021年に退職後、医療業界全体のDX推進を目指すスタートアップ企業にDXコンサルタントとして就職。主に大企業のテクノロジーを用いた業務改革の実行支援・定着化、プロジェクト管理、運用設計が専門領域。コンサルティング業界の内情やDXトレンドを紹介し、仕事をよりポップな体験として提案するTwitter、noteが人気を博す。
(龍崎 翔子,メン獄/ライフスタイル出版)
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]...以下引用元参照
引用元:https://news.biglobe.ne.jp/economy/0530/bso_240530_3870263970.html