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■通勤ラッシュ時に…“殺人未遂”で逮捕
事件は一日の中でも最も混雑する朝の通勤ラッシュの時間帯に起きました。男は男性2人を線路に突き落とした後、周囲にいた乗客らによって取り押さえられました。
目撃した人
「突き落とした人だと思うが、その人が何人かに押さえつけられている状態で。『押された』と向こうのホームから聞こえていた」
殺人未遂の疑いで逮捕された男は容疑を認めています。
目撃した人
「被害者が線路の真ん中で四つんばい状態になっていて。女性とか怖がっている人も何人かいた」
現場は川崎市多摩区のJR登戸駅。JR南武線と小田急線が交わり、乗り換えのための利用客が多い駅です。
線路に落ちた男性2人は、骨折の疑いなどで病院に搬送。電車は来ていませんでしたが、状況によっては命に関わる事態になった可能性もあります。
午前7時半ごろ、登戸駅から川崎駅方面へ向かう2番線ホーム。電車を待つ50代の男性と40代の男性の後ろに、男は並んでいました。すると、男が目の前の男性の背中を両手で押し、押された男性は前にいた男性に接触。2人は線路に転落したということです。
JR登戸駅は、1番線と3番線にホームドアが設置されていますが、現場となった2番線にはホームドアが設置されていませんでした。このホームで男と被害者は、約10分おきに出発する始発電車を待っていたとみられます。
目撃した人
「後ろから急に落とされたら踏みとどまれるかと思うと、なかなか難しいと思う。恐怖心は身近に感じた」
警察によると、背中を押された男性は男と面識はなく、事件前に会話やトラブルもなかったと話しているといいます。一方、男は動機について「分かりません」と供述しています。
■ホームドア設置進めるも…コストと時間の“壁”
JR登戸駅では平日、下りの1番線は160本、上りの3番線は144本、今回事件が起きた上りの2番線は35本の電車が発着する。この本数が関係しているのか、1番線と3番線にはホームドアが設置されていますが、2番線はまだ設置されていませんでした。
JR東日本では、2031年度末頃までに東京圏在来線の主要路線にホームドアを設置することを目標にしていて、JR登戸駅の2番線もそのなかに入っていますが、工事の時期は未定となっています。
国土交通省は、全ての駅利用者のホームからの転落を防止するための設備として、ホームドアは非常に効果が高いことから、整備を推進しています。
実際にどの程度普及しているのでしょうか。特に利用者が多い駅のホームドアの設置状況を見ていきます。
列車に乗る降りする場所を「番線」という単位で数えます。全国で1日あたり平均10万人以上が利用する駅の乗り降りする場所の数は1056番線(地下鉄、路面電車などを含む)。そのうち、ホームドアがすでに設置されているのは、493番線と全体の半分に留まっています。
設置が進まない主な理由として、国交省の担当者は、駅の構造上、ホームドアの重さに耐えられるつくりになっておらず、ホーム自体の補強工事も必要になるため、コストがかかること。また、工事は列車が動いていない夜間の時間帯で行うが、終電から始発までの時間が短く、工事時間の確保が難しい点を挙げています。
国土交通省は、来年度末までに利用者10万人以上の駅で、現状493番線に設置されているホームドアを800番線まで増やすことを目標にしています。ただ、ホームドアを設置する主体は各鉄道会社なので、コスト面などのことを考えると、どこまで進むかは不透明です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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