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「入ってくる前提の対抗策が重要」護衛艦ドローン映像“フェイク”の見解から一転【報道ステーション】(2024年5月9日) -芸能ニュース/炎上まとめ

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海上自衛隊の護衛艦『いずも』をドローンで撮影したとみられる動画がSNS上で投稿されました。防衛省は、当初、“フェイク動画”の可能性を示唆していましたが、9日になり一転、本物の映像である可能性が高いと認めました。映像と実際の艦船や周囲の環境を比較した結果だとしています。

防衛省は「極めて深刻に受け止めている」としていて、自民党の部会で報告しました。
自民党・小野寺五典元防衛大臣:「安全保障上の重要な問題だと、ぜひ重く受け止めて、しっかり対処していただきたいと思います」

全長248メートルの海上自衛隊最大の護衛艦『いずも』。事実上の空母にするための改修が行われていて、F35B戦闘機の離着艦が可能となります。自衛隊にとって特別な艦船です。

映像がネットで拡散したのは、3月下旬。当初はフェイクではないかとの声が上がっていました。
木原稔防衛大臣(先月2日):「この映像ですが、悪意を持って加工・ねつ造されたものである可能性を含めて、現在、分析中であります」
海上自衛隊・酒井良海上幕僚長(先月2日):「通常であれば、ドローンを操縦する電波等が探知されれば、それなりの対応ができると考えております。(Q.対応ができないということは、通常あってはならない)通常では、あってはならないと思っております」

戦争のかたちを変えたといわれるドローン。偵察から攻撃に至るまで、実際の戦場に投入されてきました。大型のものだけではありません。ロシアのウクライナ侵攻では、爆弾を搭載した小型の民生用ドローンによる攻撃を頻繁に目にするようになりました。

ウクライナにとっては、弾薬や兵士の数が圧倒的に劣るなか、ロシア軍に対抗できているのは、安価なドローンを有効活用していることが1つの要因でもあります。

今回の映像が、実際どんなドローンで撮影されたのかは不明ですが、小さいサイズのドローンで撮影可能なクオリティだそうです。
ドローンパイロット・嶺隼樹さん:「数万円とか10万円とか、プロ用のドローンというよりも、民生用のドローンでも、十分こういった撮影はできるんじゃないかなとは思います。高度も50~70メートルくらいありそうなので、海という環境を考えると、地上にいても(音は)聞こえないんじゃないかなと。機密情報をしっかりと撮影したいっていう意図だったら、もうちょっと構造がわかるように、違う撮り方をしてると思うので、悪意のあるいたずらという心理で撮っているのかな」

小さなドローンであっても兵器になり得る時代。懸念されるのはテロです。この夏、オリンピックを控えるフランスでは、こんな訓練が行われていました。
テロリストが放った想定のドローンが飛来します。ドローンに対抗するのが、高出力マイクロ波を照射する装置です。高出力のマイクロ波が照射され、ドローンが無力化されます。

制御不能にするには、まずドローンを検知しなければなりません。

自衛隊の基地は、許可なしでドローンを飛ばすことは禁止されていて、横須賀基地の敷地内には、ドローンの検知機が設置されています。しかし、今回の映像に該当するドローンの飛行は検知されませんでした。

今回の問題で気になるのは、映像が投稿されたのが、中国のサイトだったということです。
以前、中国のSNSに投稿された映像。映っているのは、台湾軍の兵士です。場所は、中国本土と数キロしか離れていない台湾の金門島。近づいてきたドローンに、兵士が石を投げる様子が映されています。

護衛艦『いずも』とされる映像について、中国当局に聞いてみました。
中国外務省・林剣副報道局長:「あなたが言っている動画が、どこからのものかは知りません」

今回の映像を誰が何のために撮影したのかはわかっていません。ただ、日本の安全保障の“穴”が一つ見つかったとはいえそうです。

自民党・中谷元元防衛大臣:「安全に関わるような非常に重大なこと。特に、護衛艦は、わが国を守る装備なので、ああいうのがSNSに載るようでは、非常に意識が低い」
自民党・長島昭久衆院議員:「探知能力の欠如、その一点に尽きる。センサー網をきちんと整備していく必要があるし、場合によっては、撃ち落とす必要があるわけだから、対処についても、しっかりやっていく」

今回は攻撃されたわけわけではありませんが、ドローンの存在は安全保障上、重要な問題になってきています。

世界に目を向けてもドローンの存在感は増しています。
ロシアによるウクライナの侵攻。戦地や発電所などの民間インフラの偵察・攻撃などでドローンが使われています。去年ウクライナでは、10万機以上のドローンが前線に送られました。去年の国内の生産体制は前の年と比べて、120倍以上となっています。

今回、自衛隊の対応について、防衛省は「あくまで一般論として」次のように話しています。
違法ドローンには、探知・識別・対処をします。“探知”とは「レーダーや光学センサーを用いるほか操縦者とドローンの間の電波を検知」。そして、違法だと識別した場合は、電波妨害での強制着陸や、捕獲網の投射などがあるとしています。ただ、今回は探知していたかは、基地警備に関わるということで答えませんでしたが、対処はしなかったとしています。

元陸上自衛隊東部方面総監部情報部長の嶋本学さんは「プログラミングで自律飛行するドローンも存在し、電波妨害だけではドローンの侵入を防げないのが現状。これは日本だけでなく世界でも共通している」と指摘しています。

そのうえで、どんな対応ができるのでしょうか。
嶋本さんは「“入ってくる前提での対抗策“が重要。例えば、艦載機は甲板下に置く、通信装置やアンテナはドームの中に格納するなど、『見られて困るモノを置かない』『爆撃の対象物を置かない』などの消極的防御策が重要」だとしています。ただ、「ドローンは新しい装備品で、各国が対処している状況。空の軍事利用・商業利用の“しきい値”が低くなった今、常に対策を考えてアップデートしていくことが必要」と話します。

今回の件を受け、防衛省は「今後、より能力の高いドローン対処機材の早期導入に取り組む」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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