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■「オーバーツーリズム」公共交通機関が混雑
外国人観光客
「ここの自然はとても美しいです。寺も良かったし、エレガントな感じです」
「すでに東京・大阪に行って、京都が3カ所目です」
「嵐山モンキーパークもとても面白かったですし、竹林も美しかったです」
ゴールデンウィーク中も、多くの外国人観光客でにぎわった京都。この週末は30℃近い気温でしたが、人気の清水寺へ続く通りは観光客で埋め尽くされていました。
近くの商店からは、うれしい悲鳴が聞こえます。
瓢箪屋 大井秀民さん
「コロナの時は1日あけて、800円・1000円ぐらいの売り上げ。今はもう全然ケタが違う。ようこそ来ていただきました。もう、それしかない。感謝しかない」
一方、インバウンドの増加で直面しているのが「オーバーツーリズム」の問題です。京都市では増え続ける旅行者によって、バスなどの公共交通機関が大混雑し、地元住民が利用しづらくなっているのです。
京都市民
「観光客の荷物が邪魔で、なかなか1回では(バスに)乗れない。市民が乗りたいのに乗れない」
地元商店の店主
「京都は東京と違ってバス。全部移動が。特にお年寄りは、病院や買い物でバスは必須だが、それがもう乗れないですよね」
京都市ではゴールデンウィーク中、臨時ダイヤを設けてバスを増便しましたが、対策が追いつきません。
■ごみがごみを呼ぶ状況に
「オーバーツーリズム」の問題は、他にもあります。
生垣に隠すように置かれたカップや、ポールの影に置かれたペットボトル、紙パックなど、次々とごみが捨てられていました。
今、観光客によるごみの放置が問題となっているのです。
車道に人があふれ出るほど、多くの観光客でにぎわっている嵐山。人気の観光スポット・渡月橋の商店街も頭を抱えています。
嵐山商店街 石川恵介会長
「この辺りに、この通りの行政のごみ箱が最後ここだけが残っていた。周りのごみ箱がなくなったら、すぐあふれるようになってしまう」
元々、通りには市が設置した複数のごみ箱がありましたが、観光客が出す大量のごみに対して回収が間に合わず、ごみがあふれかえる状態になりました。ごみがごみを呼ぶ状況となったことから、市はごみ箱を撤去しました。
石川会長
「(観光客は)このあたりから『どこに(ごみを)捨てよう』。例えば、こういう垣根とか、こういうとこに。皆さん良心はあるんでポイッとは捨てない。隠すように、こういうところに放り込んでしまう。やっぱり住民の方は嫌な思いされますし、悲しい」
観光客が行きかう祇園。近くの鴨川の川べりにも、多くの人の姿が見られました。
ゴールデンウィーク期間中、祇園ではごみの回収を1日2回から3回に増やしました。しかし、夜には四条大橋近くのごみ箱の下にごみが散らかっている状態でした。ペットボトルは無理やり突っ込まれていました。
■観光と市民生活のバランスをどう保つ?
早朝、番組スタッフが鴨川付近を取材すると、周辺を掃除する男性に出会いました。
地元住民
「母が18年前に寝たきりになり、それからずっと私が後継いでやっている」
母親が善意で近隣のごみ掃除をしていたことから、その思いを受け継いで掃除をしているという男性は、次のように話しました。
地元住民
「(Q.朝だけで集まったごみ袋?)きのうの夕方1つと、あとはきょうの分」
男性を見て手伝いをしてくれる人もいるといいますが、それにも限界はあるといいます。
地元住民
「地域の人の善意だけ。それもいつか限界が来る。私もいつか死ぬんやから、地域の人が見るに見かねてやっているのが京都の現状。京都市はこのままの政策では、もう限界があると思う。オーバーツーリズムというんですか。これがずっと続くのは、決して京都市民は喜んでないと思う」
観光と市民生活のバランスをどう保っていくのか。観光都市・京都はこれからも、この問題と向き合っていくことになります。
(「グッド!モーニング」2024年5月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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