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■“異例”オーケストラの株式会社
“いま最もチケットが取れないピアニスト”とも呼ばれる反田さんのもう一つの顔。それが奈良県に本社がある、国内外で“異例の”オーケストラの株式会社『ジャパン・ナショナル・オーケストラ株式会社』。その代表取締役社長です。
演奏活動だけで生計を立てることができるのは一握り、とされてきた日本のクラシック業界。才能ある若手音楽家が演奏や勉強に集中できるよう経済的に支えるため、オーケストラのメンバーを社員として雇用し、活動から得た利益を給与として支給しています。設立からわずか3年、海外公演も成功させました。
そして“親しみにくい”と思われがちなクラシック音楽をより身近に感じてもらうおうと、街角での演奏会を行うなど、県や市と連携した取り組みも行っています。
「奈良県に、鹿の数より楽器を背負う子どもを増やしたい」。その思いのもと、市内の小学校での楽器指導や演奏会も行っています。準備したのは、バイオリンとチェロ、そしてフルート。
反田恭平さん
「あまり触る機会もないと思うから(フルートを)吹いてみたいと思ったら、お姉さんのところよってみて」
この日だけの特別な音楽教室が始まりました。普段触れることのない楽器に触れると…。
子ども
「すげぇ」
体育館では、集まった子どもたちと保護者約600人を前に演奏を披露。クラシック音楽が子どもたちの心をつかみました。
反田恭平さん
「子どもたちがここまで心を開いてよってくれたことが、実感としては成功。ピアノやバイオリンやチェロを『始めたい』と思う子が1人でも増えればいい。(奈良を)“音楽の都”にしますので、楽しみにしていただければ」
■子どもたちの未来に捧ぐ 反田恭平さん特別生演奏
(Q.今回、シューマン=リストの『献呈』という曲を選ばれた理由は)
反田恭平さん
「この曲は愛が詰まっていて、シューマンが奥さんのために作った作品でもあります。子どもたちと最近、接するなかで未来ということを考えると、この曲がぴったりだったかなと。あと、世の中色々なことが常日頃回っていますので、暖かい曲をお届けしたかったので選曲しました」
(Q.あふれんばかりの愛を送って、子どもたちの指導もしています。その気持ちはどこから)
反田恭平さん
「去年、子どもが生まれまして、おもちゃピアノを触らせたり、本物のピアノを触らせたりするんですけど、自分も音を出した時に『うわっ何これ』というサプライズ感、驚き、小さい頃しか思っていなかった感情は忘れてはいけないと思うんです。音楽家としてもそうですし、一人間としてもそうだし。そういったことを、これからもどんどん教えていきたいし、これからの未来のためですかね」
(Q.たくさんの小学生と触れ合ったり、会社を立ち上げたり、まだ20代でお若いのに、自分自身だけでなく、外にベクトルが向いている感じがします。それはなぜですか)
反田恭平さん
「今後の、特に日本のクラシック界がどうなっていくのかなと少しの心配もあったりするなかで、誰がやるのかなじゃなくて、僕がやるよみたいな感じで一歩。僕の背中を見て、会社立ち上げたりでも良いし、今後の音楽業界につながるような姿を見せられたら良いなと。それだけですね」
(Q.奈良を“音楽の都”にしたいというお話もありました。どんな将来、音楽の世界を目指していますか)
反田恭平さん
「僕自身、今も各国に演奏をしに行っている都合で、いる時間は限られますがウィーンにも家があって、音楽の都と言えば『ウィーン』でもあって。そんな文化を日本の奈良で持ち運べたらいいなと思うし、日本から世界に出ていくんじゃなくて、世界から日本に音楽をしに来る、学びに来るような学び舎を将来は考えています」
(Q.今夜は私たちも心が震えましたが、これからも子どもたちの心を驚かせたり、感動させたりすることになりそうですね)
反田恭平さん
「本当に子どもたちは未来が詰まっていますので。暗いニュースもあるし、大変な世の中ではあるんですけど、音楽は人の心に入ってくるものなので、そういった音楽家が1人でも多く日本から巣立っていけたらと思っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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