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東京商工リサーチの調査によると、円安関連の倒産は、今年3月は8件で、2023年度では56件にのぼり、前年度の1.5倍に増加した。業種は卸売業26件、小売業12件、製造業11件となった。国内大手電力会社で組織する業界団体「電気事業連合会」の林欣吾会長(中部電力社長)は19日、現在の円安について、「かつてない水準にまできている」と指摘し、「我々、エネルギーを輸入する事業者にはあまり好ましくない」と燃料の輸入価格上昇に懸念を示した。帝国データバンクによると、4月から主要な食品メーカー195社は2806品目の値上げを行った。総務省が19日に発表した消費者物価指数によると、前年比で宿泊料が25.5%、鶏卵が24.5%、アイスクリーム11.6%、ハンバーガー9.2%と上昇した。
急激に円安ドル高となっている最大要因は、日本と米国の金利差が拡大していることと指摘されている。2022年に始まったウクライナ侵攻による経済制裁で、ロシア産の原油やガスの輸入を欧米諸国が大幅に縮小したために、燃料価格は高騰した。価格が上がり続けると国民生活に大きな影響が出ることから、欧米各国は政策金利を上げて対応した。2022年3月の米国の政策金利は0.25で、同年同月の日本は-0.10だったが、2022年から2023年にかけて、米国の米連邦準備制度理事会(FRB)は5.5%にまで利上げを実施したために、日米金利差が広がった。さらに4月に入って、円安ドル高はもう一段進行した。3月の米消費者物価指数(CPI)が3.5%と、予想以上に上昇。米労働省が5日発表した3月の雇用統計でも、非農業部門の雇用者数は前月比で30万3000人増加し、市場予想の20万人増を大幅に上回った。FRBの利下げ開始が後ずれする可能性が指摘されている。
日本商工会議所の小林健会頭は17日、円相場が1ドル=155円に迫る円安水準について、「非常に困る。困る度合が日に日に高まっている」と苦言を呈した。その上で政府に対しては、「今からでも遅くはない。他国との協調介入も含めて考えてもらいたい」と要望した。急激な円安が進む中、政府関係者は市場の投機的な動きに対する牽制を強めている。円買い・ドル売り介入を巡っては、政府・日銀は2022年9月22日、10月21日から24日まで、総額9兆円超の介入を行った。一時的に、円相場は対ドルで5円前後、急騰した。
★ゲスト:エミン・ユルマズ(エコノミスト)
★アンカー:木内登英(野村総合研究所エグゼクティブエコノミスト)
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