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■台湾から銚子に観光客を誘致…新たな挑戦
銚子電鉄の次なる戦略を担う一人の女性がいる。
銚子電鉄 柏木亮常務
「去年の6月30日に、弊社の取締役になっていただいた大湾文子さんです」
銚子電鉄 インバウンド戦略担当
大湾文子取締役(43)
「よろしくお願いします。大湾文子です。台湾と日本のハーフでして、今は台湾の方に在住しているのですが。台湾と日本の架け橋、インバウンド系をメインに担当しています」
大湾さんは台湾と日本の交流を図るために、コンサルティングなどを行う会社を経営するかたわら、観光PR動画やCMなどに出演する、台湾では多くの人が知る人物だ。
大湾取締役
「私から見た銚子市は、物理的条件がとてもそろっています。環境もいい。食もいい。足りないのは、ちょっとした知名度なので。うまくプロモーションしていけば、たくさんの台湾からの観光客が気に入ってくれるし、インバウンドもきっと増えると思います」
日本へのインバウンドが増加するなか、銚子に台湾からの観光客を誘致しようと、大湾さんを加えて、新たな挑戦にうって出たのだ。
■銚子ちぢみ伝統工芸館 絞り染めも体験
銚子には、「世界灯台100選」に選ばれた犬吠埼など、観光地として有名な場所はいくつもあるのだが…。
柏木常務
「銚子側からの視線だけではなくて、台湾の方々の視線で、違った切り口で紹介できるようなものができたらと考えています」
台湾に暮らす大湾さんの意見を聞きながら、柏木常務が選んだ、銚子電鉄周辺のディープスポットとコラボする戦略だという。
柏木常務
「伝統とか文化とかを、台湾の人がすごく大事にしていると。前から色々ね、感じていることが多いので」
まず向かったのは、銚子ちぢみ伝統工芸館だ。
柏木常務
「銚子はね、湿気が多い。じめじめしている。湿気が多い所だから、着やすいっていうか」
大湾取締役
「台湾の気候に合っていますね」
柏木常務
「そうそう。台湾の気候にばっちり合っているんですよ」
江戸時代に漁師の妻たちが出漁の安泰と豊漁を祈って作ったのが始まりとされ、400年間伝わる千葉県指定無形文化財の伝承織物だ。
店内には、ちぢみで作られた小物や反物も展示販売されている。また、ちぢみの白いハンカチを使った絞り染めを体験できる講座も行われている。
大湾取締役
「うわ~どうですか?最後の最後まで、出来上がりが分からないから、ドキドキして楽しかった」
■方丈記や伊勢物語、源氏物語…芥川龍之介も
続いて向かった銚子電鉄沿線のディープスポットが、1300年の歴史を持つ真言密教の古刹(こさつ)「圓福寺」だ。
寺の中では、奈良時代に作られた仏具など、宝物を見ることができる。さらに…。
柏木常務
「方丈記」
大湾取締役
「伊勢物語。これ、すごい。日本語の古文で見た」
圓福寺 平幡龍正副住職
「先々代の住職が集められて、銚子にこういった物を残しておきたいという」
この寺では月ごとに展示物が代わるが、方丈記や伊勢物語、源氏物語の16世紀末から17世紀初めの木活字本といった貴重な古書も見ることができる。
中には、こんな物もあった。
大湾取締役
「ええ、すごい!これ、芥川龍之介って書いてありますけど」
圓福寺は、近代文学の作家たちの直筆原稿も多く所蔵している。
大湾取締役
「なんか字がかわいいんですけど、芥川龍之介」
他にも、北原白秋や与謝野晶子といった文豪たちの作品もある。
平幡副住職
「日本の文学とかに興味を持った外国の方とかは割と感動してくださる」
大湾取締役
「やっぱりそうですよね、私みたいな素人でも感動するくらいなので」
「台湾の方々、本読むのが大好きなんですけど。あと日本文学が好きで、芥川龍之介さんとか名前聞くだけで、うわってなるので。これは目玉ですよ、銚子の」
■春キャベツ使ったラーメン 富士山見える?
続いて向かったのは、台湾でもブームとなっているグルメスポットだ。
柏木常務
「銚子は魚の街だということだが、ラーメンも結構色んな所にあって」
大湾取締役
「台湾、ラーメン今はやっています。ブームですからね」
収穫量全国1位を誇る銚子の春キャベツをたっぷり使ったラーメンは…。
大湾取締役
「いただきます。すごい、シャキシャキする。甘い、キャベツが。麺も、これ好きだわ」
続いて向かったのは、屏風ケ浦を望む名洗港海浜公園だ。
ここは、伊能忠敬が全国を測量して回った際、富士山を測量して、地図の正確さを確認した場所だと言われ、銚子市は目視で富士山が見える最も東の地点だという。
台湾から日本を訪れる観光客は、富士山を見るのを楽しみにしている人が多いという。
柏木常務
「富士山どこに見えるのといったら、あの先っぽの左側に見える。きょうは残念ながら、見えてないんですけど」
天候などの条件で、なかなか見えることがないというのだが、それを逆手に取る作戦に。
柏木常務
「見えたらミラクルだっていったら、縁起がいいとか、そういう売り方をした方が銚子って、そういう場所なんだと認識される可能性が高いじゃないですか」
■台湾と深い関係も…誘致へ行政などとタッグ
銚子電鉄が台湾からのインバウンドに注目した理由、それは銚子と台湾の関係の深さにあった。
銚子市は2022年、台湾の桃園市と友好交流協定を結び、交流を深めてきた。
また、銚子電鉄も2017年、台湾鉄路管理局・蘇澳線との姉妹鉄道を締結している。
今回のインバウンド戦略は、銚子電鉄と行政などがタッグを組んで行われるものだという。
大湾さんに、この日見て回った銚子の印象について聞くと、意外なところに魅力を感じていた。
大湾取締役
「町並みが良かったですね。海辺を見ながら歩く町並みが。なかなか他の所では体験できない日本を体験できたというのが、印象に強いですね。日本の生活を知りたい人たち、“観光ではない観光”を体験したい人が最近増えている。そういった意味では、すごくいいかなと思います」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年3月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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