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■7割のエリア…700mに及び立ち入り禁止
都心とは思えない、豊かな自然。東京・世田谷区にある等々力渓谷には、年間数十万人が癒やしを求めて訪れるのですが、途中で引き返す人の姿が後を絶ちません。
訪問客(20代)
「入れないんだと思って。ネットを見てきたが、きょうはもう帰ります」
きっかけは、去年7月の大規模な倒木です。幸い、けが人はいませんでしたが、木は遊歩道を遮り、川をまたがっています。折れてしまった根元は、樹皮が剥がれ落ち、無残な状態に…。
立ち入り禁止になったのは、園内のおよそ7割を占めるエリアで、700メートルに及びます。
世田谷区が、園内の708本を対象に調査したところ、52本が危険な木だと判断。伐採することになりました。ところが、現場は8カ月以上経った今も、立ち入り禁止が解除されていません。
なぜ、危険な木の伐採は進まないのでしょうか?
■再開まで3~4年…「渓谷」ならではの問題
世田谷区公園緑地課 岸本隆課長
「渓谷内に車両や重機が入っていけないところが、大きな要因となっていて。非常に作業自体に労力、時間が必要になっている」
等々力渓谷を普段通り楽しめるようになるまでには、世田谷区の調査によると3~4年かかるといいます。
田中優子世田谷区議
「もうちょっと早く、これは本当に危機的な状況なんだということをしっかり認識して、もうちょっと早く何か取り組みできたのではないか」
そもそもなぜこんなに多くの木が危険な状態になってしまったのか。そこには「渓谷」ならではの問題がありました。
東京都市大学 荻谷宏准教授
「(Q.通常だと木は?)均等に根を張るはず」
「(Q.渓谷だとどう張る?)斜面の途中に生えたとします。すると、ここが最初からない。その状態で木の重量を支える。木は光を求めて、こっちのほうに枝を伸ばす。当然、これがないうえに重心が内側に偏っていく。そうすると、当然倒れやすくなる」
さらに、去年の異常な猛暑で木が弱り、木の伝染病といわれる「ナラ枯れ」も起きたことで、腐食の進行が早まってしまったといいます。
区は、数年かかる再開見通しを短縮できないか、現在も協議を重ねています。
岸本課長
「安全を早く確保して、皆様に再び利用していただけるよう、最善を尽くしていきたい」
(「グッド!モーニング」2024年3月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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