「新しい挑戦への糧」“自動爆発機能”作動の原因調査へ…民間ロケット打ち上げ失敗【報道ステーション】(2024年3月13日) -芸能ニュース/炎上まとめ

人々の多くは、しばらく、何が起きたのか理解できませんでした。

映像をよく見ると、ロケットの1段目が火を噴きながら落下。吹きあがる煙の中に、人工衛星と思われる物体も。燃え盛る残骸が、隕石のように降ってきます。

いったい、何が原因だったのでしょうか。
午後2時ごろ、打ち上げに臨んだスペースワンが会見を行いました。

スペースワン・豊田正和社長：「リフトオフをして、約5秒後、飛行中断の措置がとられました。原因は、対策本部を立ち上げて調査中です。（Q.自ら意図的に機体を爆発させた）はい」

スペースワンの説明によりますと、機体に何らかのトラブルが起き、発射から5秒後に自動爆発機能が働いたとみられます。考えられるのは、飛行経路、速度、または計器の示す数値の異常などですが、今のところ何が引き金になったのかはわかりません。

スペースワン・豊田正和社長：「（Q.映像を見ると斜めに飛んでいるように見える）飛行計画上、リフトオフ後2秒で、飛行方向に向かっていく飛行プログラムになっている。そのこと自体は、計画通りだったかと思う」

いま、世界はロケット打ち上げ競争の真っただ中。しかし、打ち上げに成功した民間企業は、アメリカやヨーロッパなどに数社あるだけです。その中で、トップを独走するスペースX社も、初めて打ち上げを成功させるまで3度失敗し、2年を要しました。

カイロスに搭載された固体燃料モーター。これを開発したのは、糸川英夫博士のペンシルロケット時代から開発に携わってきた企業です。長年の経験、ノウハウが蓄積された技術力をもってしても難しい。それが、初号機の打ち上げなのです。

民間企業の強みは、これからのスピード感だと専門家は見ています。
元JAXA人工衛星エンジニア・戸梶歩氏：「小型ロケットの市場を取っていくときに、1年、2年もかけて原因究明して、対策してとやっていると、そのときには、競争相手は、はるか先に行っている。遅れずに、ついて行くためにも、とにもかくにもスピーディーに進めて、リターン　トゥ　フライトにつなげること。次のカイロスロケットの成功。そして、カイロスロケットが小型衛星の打ち上げマーケットをとっていくために非常に大事になっていく」

これを機に“ロケットの町”へ生まれ変わろうと熱烈な支援体制を敷いてきた和歌山県串本町。打ち上げに集まった人々のある行動に感銘を受けたそうです。
串本町ロケット推進室・東田一真主査：「（Q．ロケット発射直後の雰囲気は）一瞬、静かになったかなと思ったが、その後、すぐに観客の方々が、拍手をしていただきまして。そういった雰囲気でした。打ちあがった喜びに対する拍手や、あとは励ましの拍手とか、いろいろな思いがあったのかなと思う。そういった形で拍手がおこるとは思っていなかった。（Q．発射は失敗ではない）と、私たちもとらえています」

13日の打ち上げのためにロケット饅頭を開発した和菓子店。試行錯誤した自分と、カイロスロケットを重ね合わせていました。
うすかわ饅頭 儀平・丸山正雄製造部長：「（饅頭開発に）4年かかってしまって、その4年間で、いろいろ悩んだり、苦労した部分もあるので、このロケットの打ち上げに関しては、強い思い入れが自分自身あり、僕の場合は、うまくいかなくて、お菓子をつくるのやめようかなと、このロケット饅頭作るのやめようかなと思ったときもあったんですけど、周りの支えとか、励ましがあり、ここまでこれた。これからカイロスとともに（ロケット饅頭）2号機にみたいなのを考えられたら面白いなと思います」

日の丸ロケットの父・糸川英夫博士。失敗しても、決して“失敗”とは言わないことがポリシーでした。宇宙を目指す全ての人に受け継がれてきたDNAです。

スペースワン・豊田正和社長：「スペースワンとしては、失敗という言葉は使いません。なぜかというと、一つ一つの試みの中に、新しいデータがあり、経験があり、そうしたものは、すべて今後、新しい挑戦に向けての糧と考えている。私どもとしては、前に進んでいくので、ぜひ応援していただければありがたい」
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